いそべ圭太  自由民主党 横浜市会議員(保土ケ谷区選出) 公式ホームページ

2014.08.13

平成25年3月6日 平成25年 予算第一特別委員会 健康福祉局関連審査

◆(磯部委員) 保土ケ谷区の磯部圭太です。会派を代表して質問いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
まず初めに、健康福祉局の名前として使われている健康とは何か、福祉とは何か、局長の所感をお伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 高齢化の急速な進展、単身高齢世帯の増加や地域のつながりの希薄化、こういう傾向が近年深刻化するとともに、社会保障費の急増が見込まれるという、いわゆる2025年問題、その先への対応が迫られるというのが今健康福祉局の置かれている状況と思います。まず、福祉ですが、これは施策の着実な実施に加えまして、制度の持続可能性という観点からの取り組みが重要と思っております。また、健康ですけれども、この施策を進めることで、生活習慣病予防や介護予防にもつながりまして、結果として持続可能な社会保障に寄与するものと考えておりますので、区や地域、民間企業等とも連携をしまして、市民の皆様の健康づくりを積極的に推進していきたいと考えております。
◆(磯部委員) ありがとうございます。それでは、副市長にも同じ質問をお願いいたします。
◎(鈴木[隆]副市長) 健康や福祉は何かということに対しては私自身が常々思っているのは、人々の幸福のもとというふうに思っていまして、健康であることが幸福の第一の要件かなと思っております。その健康を維持するためには福祉施策、あるいは医療施策、そういうものが大事だと思っております。
私はかつて福祉局の分野で仕事をすることが長かったのですが、私が福祉局の企画課長をやっているころには高齢化率は12%から13%ぐらいを推移していました。それでもういよいよ高齢社会だということで非常に慌てていた状態なのですが、矢継ぎ早にいろいろな施策をやりました。今考えてみると、高齢化率は21%ということですので、いわゆる超高齢社会ということになります。こうなると、市民の皆様のほうからは、特に高齢者や障害者の方からは福祉の行政施策に対する期待が非常に大きいと思っておりますので、健康に年をとれる、あるいは障害があっても健康に豊かな生活が営めるためのさまざまな施策が今最も求められていると思います。同時に、福祉や医療という分野で非常に経済や雇用という側面からも成長分野に位置づけられますので、そういうことに対するさまざまな投資も必要になってくる、そういういろいろな意味で今一番重要な分野の一つかなと思っております。
◆(磯部委員) どうもありがとうございます。
それでは、順次各項目をお伺いしてまいります。
まず、動物の愛護及び保護管理事業について質問いたします。動物愛護センター施工費用は約38億円であり、多額の税金が投入されて建設された施設です。また、運営費も毎年多額の経費がかかっており、それ相応の効果を発揮していただかなくてはなりません。
そこで、動物愛護センターの現状と課題についてお伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 動物愛護センターでございますが、犬や猫の保護管理業務のほか、昨年の動物愛護週間には、みなとみらい地区でペットと防災をテーマとしたイベントを行ったり、また、犬猫の譲渡、しつけ相談、小学生を対象とした教室等を実施しております。また、課題ですが、引き取り数の削減と譲渡をさらに推進していくことが必要であると認識しておりまして、ボランティアの方や関係団体の協力をいただきながら、こういったことをさらにしっかりと進めたいと思います。
◆(磯部委員) 先日も、動物愛護センターに保護され、譲渡された犬が聴導犬になって新しい飼い主の社会生活をサポートしているというお話を聞いています。譲渡がますます促進され、たくさんの動物が新しい飼い主のもとで幸せに暮らせるように望んでやみません。
さて、先ほどもお話がありましたが、不妊去勢手術についてお伺いいたします。予算概要によると、猫の不妊去勢手術への補助金について、平成25年度は補助頭数を大幅に拡大するとのことですが、捕獲には困難が伴い、また、手術費用との差額は善意の市民の方々が負担されていると聞いています。そして、市外の動物病院のほうが近い方もいらっしゃいます。現在は費用補助制度が適用されるのは市内の獣医師会会員の動物病院に限られていますが、不妊去勢手術推進事業の対象動物病院を市外病院まで拡大しないのか、お伺いいたします。
◎(桐ケ谷担当理事兼監視等担当部長) 不妊去勢手術推進事業につきましては、横浜市と横浜市獣医師会が手術費用の助成を行う協働事業として昭和63年から実施しており、犬や猫の引き取り頭数もピーク時と比べ大きく減少し、成果を上げております。本事業につきましては、現在、効率的に事業も行われておりますので、今後も同様に実施していきたいと考えております。
◆(磯部委員) できる限りさまざまな手段を講じて猫の不妊去勢手術の推進を行っていただくよう要望しておきます。
次に、平成25年度から動物愛護センターで月10頭程度の猫の不妊去勢手術を開始するとありますが、動物愛護センターで行う猫の不妊去勢手術はどのような猫を対象として実施するのかなど、事業の概要についてお伺いいたします。
◎(桐ケ谷担当理事兼監視等担当部長) 飼い主のいない猫を減少させるための一つの手法としまして、環境省の策定しました住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドラインで、地域の同意を得て、ルールに従い管理を行い、猫の苦情を減少させていく地域猫活動が紹介されております。動物愛護センターで行う猫の不妊去勢手術は、この国のガイドラインを参考に実施する地域猫のモデル事業の対象地域の猫について無料で実施していく予定でございます。
◆(磯部委員) 先ほどの質問の際にも申し上げましたが、現在、猫の不妊去勢手術については市民の善意に頼っている部分が非常に大きいと思います。センターでの不妊去勢手術はそういう方々の負担軽減に非常に効果があると思いますが、実施に当たっては、対象とする猫の選定等さまざまな課題があるかと思います。初めて実施する事業でもあり、内容を十分に精査し、しっかりとした制度を構築して実施していただくよう要望しておきます。
先日、センターを視察させていただきましたが、市民の方々が動物愛護センターを訪問する場合、動物園などでも実施しているような動物をさわったり抱き上げたりなどの触れ合いを期待してやってくる方が多いのではないかと思います。現在は収容動物との触れ合いを日常的には行っていないようですが、動物愛護センター収容動物との触れ合い活動を日常的に実施する予定はあるのか、お伺いいたします。
◎(桐ケ谷担当理事兼監視等担当部長) 動物のストレス等を考慮しますと、日常的に実施することはなかなか難しいことでございますが、動物と直接触れ合うことは、動物愛護思想の普及啓発を推進する上で有効であると認識しております。保育所や小学校の要望に応じて年間30回程度、現在も触れ合い事業を実施しております。今後も動物と触れ合う機会を大切に事業を実施してまいりたいと考えております。
◆(磯部委員) 恒常的な触れ合い場所等を設けることはなかなか難しいでしょうが、動物と触れ合うことは動物を愛する心の醸成には欠かせないことだと考えています。ぜひさまざまな事業実施時に動物との触れ合い体験の機会を設けていただくようお願いしておきます。平成25年度は不妊去勢手術の補助頭数の拡大や動物愛護センターでの不妊去勢手術の実施など、飼い主のいない猫対策を拡充していただき、地域の環境問題でもある野良猫問題解決に行政としてさらなる役割を果たしてくださるよう強く要望し、次の質問に移ります。
次に、福祉のまちづくり推進事業について質問いたします。
昨年の12月に横浜市福祉のまちづくり条例が全部改正され、横浜にかかわる全ての人にとって優しいまちづくりを進め、それを次世代につなげていくという基本理念が前文という形で明確に打ち出されており、より一層の福祉のまちづくりの推進を期待しています。そこで、福祉のまちづくりを今後どのように進めていくのか、お伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 横浜市福祉のまちづくり条例は、平成9年の制定で、それ以降、誰もが利用しやすい施設の整備というハードの取り組みと、思いやりの心の醸成、育成という、いわゆるソフトの取り組みの両輪で推進をしております。まちづくりが進む中で、バリアフリー設備の整った施設はふえてきたと評価しておりますが、より利用しやすいものとなるよう、思いやりや譲り合いの気持ちの醸成などの取り組みを充実させる必要があると考えております。条例改正を契機に、ハードのまちづくりと一体となってソフト面の取り組みにも一層力を入れ、条例の理念を実現できるよう、市民の皆様や事業者の皆様とともに、よりよい福祉のまちづくりを推進していきたいと思います。
◆(磯部委員) 施設の整備というハードの取り組みと思いやりの心の育成などソフトの取り組みを行っているとのことですが、思いやりの心の育成などソフト面に関する取り組みの実施状況についてお伺いいたします。
◎(磯貝地域福祉保健部長) 今回改正をいたしました横浜市福祉のまちづくり条例に基づきまして策定をしております福祉のまちづくり推進指針によりまして、思いやりの気持ちを醸成、育成するための取り組みを推進してまいります。例えば、車椅子体験、高齢者疑似体験を通しまして、利用者の立場に立ったまちづくりの企画、設計をするための研修、車椅子使用者用駐車区画の適正利用を啓発するための思いやりパーキングマナー運動等を実施しております。また、福祉のまちづくりを理解し、実践していくための小学生向けのリーフレットを市内小学校に配布しておりまして、教育を通じ、子供たちの思いやりや譲り合いの気持ちを育てております。
◆(磯部委員) ソフト面での取り組みのうち、私は子供たちへの福祉教育が最も大切だと考えています。小さいころの環境や体験は大人になっても身についており、やはり子供たちに対して積極的にアプローチし、進めていくべきだと考えています。相手を知ること、相手の存在を認めることなどで、この問題だけではなく、いじめの問題などさまざまなことに関係してくるのではないかと考えています。
そこで、福祉教育の今後の進め方について副市長の考えをお伺いいたします。
◎(鈴木[隆]副市長) 委員おっしゃるとおりでございまして、次世代を担う子供たちに人を思いやる心を育てるという教育は非常に大事だと思います。福祉教育を学校教育の中で体系的に進める、そういう方向で一層充実させていく必要があると考えます。あわせまして、子供の育成にかかわる大人への教育も重要であると考えております。したがいまして、教育委員会を初めとした関係部署を連携させながら、さまざまな場面で福祉教育を進めていくことで、子供を含めた全ての市民の中に思いやりの気持ちが育まれるようにしていければと思っております。
◆(磯部委員) 子供たちの心を育てるのは学校の大きな役割の一つと考えます。子供たちに思いやりの心を醸成し、育成するには、福祉教育を学校教育のメニューの一つとして取り入れ、学校現場で積極的に取り組んでいくべきものと考えています。福祉教育の充実などさまざまな取り組みの推進により、多くの市民に思いやりの心が生まれ、育ち、横浜市福祉のまちづくり条例の理念である全ての人がお互いを尊重し、助け合う人の優しさにあふれた町が実現されることを期待して、次の質問に移ります。
次に、障害者の移動支援施策の見直しについて質問いたします。
今回の制度見直しについてですが、障害者の方々が置かれている状況は、人により大きく違いがあると思います。そうすると、今回の見直しが人によってはサービス低下となるだけの方もいます。そのような人により置かれている状況を勘案し、きめ細かく障害者に寄り添う施策を考えるべきではないでしょうか。そのようなことから考えると、今回の制度見直しは障害者への配慮が不十分であり、理解しがたい点もあります。
そこで、障害者の移動支援施策の見直しの考え方について改めてお伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 今回の見直しでございますが、障害者の移動支援施策という大きな施策全体で見直しを図ることによりまして、より利便性の高い施策体系を形づくるということ、また、制度の拡充を図るとともに、コスト削減、負担の導入などにより将来的に安定した持続可能な制度とするということを目指して見直しをしたものでございます。
◆(磯部委員) 制度見直しに当たっては、影響をしっかり見きわめ、サービスの低下につながる方が生じる場合には激変緩和措置をとるなど、きめ細かい制度運営を考えていただきたいと思います。
次に、ガイドボランティア事業について質問いたします。この事業を実施するには、ガイドボランティアを十分に確保すること、そして適切にボランティアを必要な方へコーディネートしていくことが重要です。そこで、ガイドボランティアの登録数、利用者登録数、利用者登録をした方のうち、実際にボランティアの支援を受けられている方の割合についてお伺いいたします。
◎(神山障害福祉部長) 平成23年度の実績では、ボランティア登録者数が1001人、利用者登録をした方が919人に対しまして、実際に利用した方が634人ということで、利用率は69.0%でした。なお、平成22年度の実績では、ボランティア登録者数が653人、利用者登録をした方が679人に対しまして、実際に利用した方が429人ということで、利用率は63.2%でした。平成22年度に比べ平成23年度実績ではボランティア登録者数、利用者登録数、実際の利用者数、そして利用率のいずれも増加しております。
◆(磯部委員) ボランティアもふえ、利用割合も高まっているとのことですが、ボランティアが見つからず困っている方がいるということも聞いています。困っている方の期待に応えられるよう、ボランティアを確保する方策を横浜市として一層取り組んでいただくよう要望いたします。
次に、今回、ガイドヘルプ事業の見直しの中で新たに通学通所支援が新設され、特別支援学校に通うお子さんの通学に際し、現在使えないガイドヘルパーが使えるようになると聞いています。ガイドボランティア事業についても拡充されるものもある一方で、減らされる部分があることも心配です。
そこで、平成25年度のガイドボランティア事業で通学支援がどのようになるのか、お伺いいたします。
◎(神山障害福祉部長) ガイドボランティア事業での通学支援につきましては、平成24年度と同様に特別支援学校、そして普通校の個別支援学級及び普通学級に通うお子さんを対象としまして、変更はありません。また、身体障害者の場合の範囲は、これまでの全身性・視覚障害1、2級から拡大し、肢体不自由・視覚障害6級まで拡大をいたしました。
◆(磯部委員) ガイドボランティア事業は従来どおり、普通校に通うお子さんも対象になると聞いて安心しましたが、障害児通学支援事業が今年度をもって終了すると聞いています。この事業は、特別支援学校の登下校時に児童生徒の見守りをする方を配置してお子さんの安全を図るものと聞いています。障害のあるお子さんの個別の状況によっては、見守る方がいるだけで付き添いの方がつく必要がないお子さんもいると思います。登下校時の安心感といった面でも有意義な事業であると考えます。
そこで、平成24年度までの障害児通学支援事業の内容と実施状況についてお伺いいたします。
◎(神山障害福祉部長) 平成21年度から平成24年度まで、国の緊急雇用創出事業に基づく県補助金を活用しまして、原則6カ月、最長1年間雇用する通学支援員を特別支援学校、養護学校の通学路などに配置しまして、登下校時の見守り、誘導等を実施してきました。平成21年11月から6校でスタートしましたが、平成22年度には8校、平成23年度には11校と養護学校2校のバスポイントであります横浜駅に実施場所をふやしまして、平成24年度も引き続き実施しています。
◆(磯部委員) 緊急雇用創出事業を活用して行っていた事業であるとのことですが、親御さんの気持ちも考えると、いつ終了するかわからない時限的な事業とするのではなく、きちんと安定的な事業に位置づけて事業を実施すべきと考えます。このようなお子さんの見守りについては今後も取り組んでいく必要があると思います。
そこで、平成25年度以降の特別支援学校の登下校時の見守りについてどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 登下校時の見守りを行う支援員を雇用するという形態でのこれまでの障害児通学支援事業は終了になりますが、特別支援学校の登下校時の見守りは非常に有効であったと考えております。そのため、平成25年度からガイドボランティア事業に特別支援学校の登下校時の見守りを集団見守り型というような形として取り込みまして、これまでと同様に登下校時の案内、誘導、そして見守りについて実施をしていきたいと考えております。
◆(磯部委員) 次に、移動情報センター事業について質問いたします。障害のある方やその家族が移動に関する相談を一元的にすることができる移動情報センター事業を平成22年度から将来にわたる安心施策の一つとして実施していると聞いています。
そこで、移動情報センター事業の事業内容及びこれまでの取り組み状況についてお伺いいたします。
◎(神山障害福祉部長) 区内を中心に移動支援に携わるガイドヘルプ事業者、ボランティア等の情報を収集し、移動に支援を必要とする障害者や家族の相談を受け、情報提供及びコーディネートを行っております。また、今後は担い手となる人材の発掘や育成を強化してまいります。平成23年度までに港北、神奈川、緑の3区で開設し、平成25年1月からは中、旭、戸塚の3区で新たに開設しました。いずれも区社会福祉協議会に委託して実施しています。
◆(磯部委員) それでは、平成25年度の計画及び平成26年度以降の事業の考え方についてお伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 平成25年度ですが、新たに3区で開設し、計9区で実施してまいります。また、これまでの実施状況、効率性、効果性の観点から検証しまして、平成26年度以降の拡充策についても検討してまいりたいと思います。
◆(磯部委員) 先ほどお話ししたように、ガイドボランティアさんが見つからず、困っているとの声もあります。また、利用者自身でボランティアを見つけることには限界があると思います。移動支援に関して、平成25年度には9区で相談の窓口が開設されるとのことですが、なるべく早い時期に全区に相談の窓口が整備されることを要望し、次の質問に移ります。
次に、生活保護の不正受給対策について質問いたします。
平成23年度の本市の生活保護の不正受給件数は1421件、金額にして6億4700万円になっていると聞いています。昨年の第4回定例会において、我が会派の横山議員が不正受給の抑止力となるような取り組みについてお伺いしたところ、本年度から健康福祉局に配置している警察OBである生活保護特別相談員の力もかり、悪質な事案については告訴等も含めた厳格な対応を行っていくとの答弁をいただいています。
そこで、生活保護特別相談員のこれまでの実績についてお伺いいたします。
◎(本田生活福祉部長) 生活保護特別相談員ですが、年度当初に生活保護制度や不正受給の裁判事例などの研修を積んだ後に、区保護課から寄せられた悪質と思われる不正受給事例について告訴等に向けた相談と資料作成、それから暴力団との関係が疑われる事例の対応についての支援を行ってまいりました。1月までに37件の相談が寄せられ、そのうちの1件、旭区の不正受給事例につきましては平成24年12月に刑事告訴に至っております。
◆(磯部委員) 旭区で告訴事例が1件出たとのことですが、告訴になった旭区の事例はどういった事例なのか、お伺いいたします。
◎(本田生活福祉部長) 旭区の事例でございますが、生活保護開始時に、病気で就労が困難と医師の所見もいただいて開始をしたわけですが、当初から働いて収入があったにもかかわらず、収入なしとの偽りの申告を続け、2年以上にわたりまして保護費を不正に受給していたというものでございます。不正受給金額が高額であること、不正受給期間が長期であること、生活保護受給開始時から虚偽の申告を重ねるなど、特に悪質性が高いと認めたために詐欺罪での告訴に踏み切りました。
◆(磯部委員) 私も横山議員と同じように、きちんと税金を納めていただいた納税者の皆様に報いるためにも、生活保護の不正受給には徹底して取り組むべきものと考えています。生活保護特別相談員が局に配置され、区を支援することで告訴事例も出たとのことですが、平成23年度だけで1421件の不正受給があったのですから、まだまだ告訴をしなければいけない悪質な不正受給の案件はあると思います。
そこで、悪質な不正受給についてはもっと告訴等を行っていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) これまでも、不正受給が高額な事例や不正を繰り返すなどの事例については告訴等の対応を検討してきましたが、詐欺罪を立証するための膨大な資料の作成を求められるなど、手続が進まない状況が現実にはございました。今年度から神奈川県警とは横浜市生活保護不正受給等防止対策検討会の開始など連携体制を構築しまして、局保護課にも区保護課の告訴等の対応支援を行う担当が置かれるなど、体制整備を進めてきたところでございます。今後、このような連携体制のもと、悪質な不正受給については引き続き告訴等の厳格な対応をとっていきたいと思います。
◆(磯部委員) 悪質な不正受給に告訴等で厳格に対応することは必要だと思いますが、一番大事なのは不正受給を起こさせない仕組みだと思います。そこで、不正受給の未然防止策の取り組みについてお伺いいたします。
◎(本田生活福祉部長) 不正受給を未然に防止するために、保護課のケースワーカーが定期的な訪問調査活動を行い、生活実態の把握に努めております。また、生活保護を開始する際に、金融機関等への調査を実施するとともに、生活保護受給者に対しては、生活保護制度について簡単にまとめたパンフレットをお渡しいたしまして制度の説明を行っております。さらに、収入申告義務を周知徹底するために、毎年、不正受給にならないためのハンドブックを全受給者に配布し、周知徹底を図っております。
◆(磯部委員) 未然防止策も行っていますが、一方で、不正受給が多く出ているのは先ほど述べたとおりです。御主人が亡くなり遺族年金が支給されたが、区に申告していない事例もあると聞いています。調査をしっかりやっていると言われても、現状の調査ではすり抜けてしまう事例もあるのではないか、その対応策も必要だと思います。
そこで、現在の生活保護制度での調査範囲についてお伺いいたします。
◎(本田生活福祉部長) 生活保護の申請がありますと、本人の資産、収入などを把握するために、金融機関でありますとか生命保険会社、年金事務所、雇用先などに調査を実施しております。金融機関への調査については、従来は支店ごとに調査を実施しておりましたが、国の制度改正によりまして、昨年12月からは本店で一括照会ができるようになりまして調査の精度が上がってまいりました。また、早期発見の観点からは、年1回、課税情報と生活保護受給者からの収入申告額の全件突合を行っておりまして、給与収入でありますとか年金収入などについて、申告額との差異がないか確認を行っております。このため、課税台帳に登載される収入は事後にはなりますけれども、確実に把握することができます。
◆(磯部委員) 不正受給を起こさせないために、事例ごとに不正受給とならないような調査方法などの対応策を考え、マニュアルのようなもので一つ一つ示す必要があると考えます。生活保護の決定、実施は区で行っていると聞いています。悪質な不正受給事案に速やかに対応するためにも所管警察署との連携づくりも進んでいると聞いています。また、不正受給の未然防止策を実施するのも生活保護の決定、実施を行っているのも区です。
そこで、今後期待する生活保護特別相談員の役割についてお伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 平成25年度につきましては、現行の4人体制を維持するということで、区保護課への支援体制の強化や区と所轄警察署との連携づくりの推進を図ってまいります。悪質な不正受給事案については、告訴に向けた告訴状の資料作成や警察署への相談等を行います。また、暴力団員が生活保護を受給することがないよう、暴力団員と疑われる者への対応支援も行ってまいります。こうした支援業務は、区保護課の負担の軽減と不正受給防止に効果があるものと考えます。
◆(磯部委員) 区保護課との連携を十分にとりながら、悪質な不正受給や暴力団員への厳格な対応により、生活保護が市民から信頼される制度となるよう適正な実施に努めることを要望し、次の質問に移ります。
次に、生活保護受給世帯の子供への学習支援について質問いたします。
保土ケ谷区では、平成20年度から生活保護受給世帯の中学生を対象とした個別の学習支援事業を全国に先駆けて実施しており、高い評価を得ていると聞いています。そこで、保土ケ谷区で行われている学習支援事業の今までの実績をお伺いいたします。
◎(本田生活福祉部長) 平成20年度からの参加生徒46人全員が高校に進学をしております。進学先の内訳ですが、全日制高校32人、定時制高校9人、通信制高校5人となっております。
◆(磯部委員) 参加した中学生が全員高校に進学しているのは大変な成果だと思います。ただし、あくまでも高校進学は入り口であって、本来の目的は進学した子供たち全員がきちんと高校を卒業することではないかと考えています。
そこで、保土ケ谷区の学習支援事業から進学した子供たちの高校への通学状況はどうなっているのか、お伺いいたします。
◎(本田生活福祉部長) 学習支援事業に参加した生徒が高校卒業後に大学に進学いたしまして、今度は学生ボランティアとして子供たちに勉強を教える側に回っている事例もありますけれども、全体の状況は現在把握しておりません。事業に参加した生徒の高校進学後の状況についても把握する必要があると考えておりますので、今後検討していきたいと思います。
◆(磯部委員) 高校に進学した後も高校への通学状況などを追いかけて把握し、中退しないように支援していくことが必要だと考えます。貧困の世代間連鎖を断つ取り組みとしても高校の卒業まで支援する必要があると考えますが、高校に進学した子供たちへの支援の必要性について副市長にお伺いいたします。
◎(鈴木[隆]副市長) 今、保土ケ谷区では、高校進学後の支援についても学習支援事業の一環として行えるように事業の拡充を検討していると聞いております。また、市全体の取り組みとして、平成24年度から高等学校等への進学支援、高等学校等への通学状況を把握し、通学を継続できるように学校等と連携しながら支援を行うということもやっていまして、教育支援専門員を区保護課に配置しているという状況です。これで十分だと思っておりませんので、貧困の連鎖を断つ取り組みとして、高校への進学支援から卒業支援まで、委員おっしゃるように一貫した支援が必要と考えますので、今後も積極的に取り組んでいきたいと思っています。
◆(磯部委員) 保土ケ谷区の学習支援事業の取り組みを参考に、本事業の取り組みは全市展開するとのことですが、貧困の連鎖を断つ取り組みとしてよりよくするためにも、さらなる高校生への支援も積極的に取り組んでいただくことを要望し、次の質問に移ります。
次に、地域福祉・交流拠点モデル事業について質問いたします。
本事業は、身近な地域に高齢者、障害者、子育て世代などの幅広い市民の交流を促進するコミュニティーサロンなどの拠点を整備するため、NPOや自治会町内会などに整備費用を補助する事業と聞いています。そこでまず、現在の整備状況についてお伺いいたします。
◎(徳田担当理事兼企画部長) 整備状況ですけれども、平成23年度に1カ所、平成24年度に2カ所の合計3カ所を開設しております。また、現在整備中が1カ所となっております。
◆(磯部委員) この事業を地域コミュニティーの形成に寄与させるためには、設置するだけではなく、運営する上で地域の皆さんが集まりたくなるような取り組みなどが重要だと思います。そこで、開所した拠点ではどのような取り組みが行われているのか、また、課題はどのようなことがあるのか、お伺いいたします。
◎(徳田担当理事兼企画部長) 取り組み内容ですが、コミュニティーカフェを開設している拠点では、お茶を飲みながらの交流などが日常的に行われております。また、そば打ち教室、子育て教室、食事会等の交流行事や法律などの身近な相談会も行われております。課題についてですが、より多くの地域の皆様に御利用いただくため、拠点の運営事業者と自治会町内会や区役所などと連携を強くするとともに、この拠点の活動をより一層周知することだと考えております。また、運営事業者からは運営経費についての相談もお受けしております。
◆(磯部委員) 今後も課題に取り組みつつ事業を進めていただきたいと考えております。そこで、このモデル事業は今後どのように展開していく予定なのか、お伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 地域の人間関係が希薄化し、孤立化が大きな社会問題となっている中で、子育て中の方や高齢者の方などが身近に集えるサロンのような拠点は、世代を超えて人と人がつながる場としてとても大切なものだと思っております。今後、地域の交流や支え合い活動をさらに促進、支援していくために、これまでのモデル事業の実績や課題を踏まえて、より一層地域に根差した拠点づくりができるように、公募方式や事業者選定方法などに工夫をして取り組んでいきたいと思います。
◆(磯部委員) 本事業は整備費の補助で、拠点開所後の運営については事業者が主体的に取り組まなければなりません。このようなサロン型の施設は運営経費を賄うのに相当な苦労が要ると思います。今後は運営経費という観点も含めて検討していただきたいと要望し、次の質問に移ります。
ここからは少し見方を変えてまいります。昨年の決算審査において、我が会派の平野委員の指摘に対し、副市長は、見直すべき点はきちんと見直していく、公費の支出は適正かつ公正に執行するということが大前提、法人に対しても公費を受け入れていることを強く意識して運営するよう厳しく指導していきたいなどと答弁されています。これらは全ての事業に共通して言えることだと認識しています。これらの点が平成25年度予算ではどのように反映されているのか、確認してまいります。
最初に、団体の補助金収支報告書問題について質問いたします。
まず、ある団体が運営する13の事業所について、運営費補助に関する収支報告書の問題点を指摘しましたが、その際の指摘内容及び答弁内容はどのようなことだったか、お伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 昨年の決算特別委員会局別審査における指摘内容ですが、ある団体が運営する13の事業所の運営費補助に関する収支決算書の収入と支出の差額が全てゼロ、水道光熱費が10万円単位で端数がないなどの御指摘をいただきました。それに対する答弁内容ですが、御指摘のような収支決算書は全体の中ではまれなケースであること、事業費全体の中から補助金を充てた部分を抜き出して作成されていること、これまでに行った実地調査では領収書等を確認し、補助金以上の支出を確認していること、そして、今後、運営費補助金を含めた事業全体の収支状況がしっかり把握できる報告書を提出するように指導していくこと、このようなことで答弁をさせていただきました。
◆(磯部委員) その団体に対して、その後、どのように指導対応したのか、お伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 指導対応状況でございますが、昨年10月初旬に、団体より収支決算書を新たに出し直したいという申し出がありまして、昨年の10月9日、そして11月9日に団体のヒアリングを行った後、収支決算書が改めて提出されました。提出された収支決算書と帳簿、領収書等を突き合わせて内容を確認する必要がありますので、12月4日、12月27日、そして、ことしに入って1月29日、さらに2月27日と4回実地調査を行っております。現在も調査を継続中でございます。
◆(磯部委員) その団体に対して調査を継続中とのことですが、本議会中に調査対応が終了する見込みか、もし終了しない場合には新年度の補助金が執行されるようなことがないと思いますが、念のため、確認いたします。
◎(岡田健康福祉局長) 団体事業所に対する調査、対応についてですが、年度内は継続して調査を実施する予定でございます。新年度の補助金の交付については、調査の結果に基づき所管課が求める書類が適正に提出されるまで見合わせるという予定で考えております。
◆(磯部委員) 現在の調査が終了しないということは、平成23年度補助金の返還を求める可能性もあります。また、既に平成24年度補助金も交付されています。新年度補助金の交付は見合わせるということですが、万一、新年度補助金を交付した後に補助金を返還させなければならないような問題が発覚し、返還がされない事態になれば、本市としての損失が大きくなる可能性があります。
そこで、補助金が返還されない場合の損失は誰が負担するのか、お伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 調査の結果、補助金規則、要綱の規定に適合しない場合には、当然ですが、団体に対して返還を求めてまいります。返還を求めても実施されない場合は、督促、催告等の所定の手続を行ってまいります。
◆(磯部委員) 先般、市長は、事業にはリスクがあります、その責任は私が負いますと答弁されておりますが、万一、新年度の補助金交付後に補助金が返還されずに損失が発生する事態になった場合には誰が責任を負うのか、副市長にお伺いいたします。
◎(鈴木[隆]副市長) 当該団体事業所への対応につきましては、現在調査中ですので、調査結果や団体の対応状況を踏まえて判断をすることになります。局長が先ほど答弁しましたが、調査の結果、規則や要綱の規定に適合しない場合には、これは断固として返還を求めるということでございます。責任ということでございますが、責任はあくまで相手側にとらせるということを厳しく指導していくということでございます。
◆(磯部委員) この点につきましては、本議会中に結果が出ない場合は我が会派としては大きな問題があると考えていますので、その際には補助金の執行をしないように申し添え、次の質問に移ります。
次に、管理体制と社会福祉法人改革について質問をいたします。
こちらも昨年の決算局別審査において、我が会派の平野委員の指摘に対し、社会福祉法人にも本市職員が天下りをしているということ、また、社会福祉法人のずさんな管理については調査、改善などをしていくということでしたが、この5カ月間に具体的にどのように改善したのか、また、残った課題は何か、お伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 御指摘をいただきました社会福祉法人の収益や役員報酬については、法令や厚生労働省の通知に基づきまして指導を行っております。法令等に基づき実施する指導監査は、一定の限度はございますが、改善報告を求めた事項につきましてはホームページで公表し、透明性を高めて対応してまいります。
◆(磯部委員) 社会福祉法人における過剰利益はどの程度であるか、また、改めて社会福祉法人の意義とは何か、優遇措置は何かをお伺いいたします。
◎(鈴木副局長兼総務部長) 社会福祉協議会などを除きました当局所管の126法人の平成23年度の当期活動収支差額は平均で約6000万円でございまして、これは次年度に繰り越されております。社会福祉法人の意義ですが、それぞれの社会福祉の目的に沿った事業を実施することによって多くの方に福祉サービスを提供することでございます。優遇措置につきましては、税制上の優遇措置ということで免除されているものがございます。
◆(磯部委員) 税制上の優遇措置もあり、その上、高額な役員報酬や収益を上げている法人もある中で、介護現場では介護職員の処遇改善が求められていますが、介護人材の待遇改善、人件費比率が下がっている団体も含めて調査、改善をしたのか、お伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 昨年度まで神奈川県の所管で特別養護老人ホームなどの介護福祉サービス事業所を対象にしまして、介護職員の賃金改善を目的とする制度がありましたが、今年度から介護報酬の加算制度に移行しております。介護職員の処遇改善に関する調査を特別に行うことは現在のところしておりませんが、指導監査の中では、労務処理の適正性については確認を行っているところでございます。今年度から市の所管になりました介護職員処遇改善加算金の使途につきましては、今後、監査の中で確認をしてまいります。
◆(磯部委員) 社会福祉法人の将来の修繕費積み立て基準がばらばらですが、将来のリスクに備えた対応はどのように改善されたのか、お伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 修繕費など将来への備えは法人にとって重要であると思います。その方法は社会福祉法人に委ねられておりますが、指導監査の中では、剰余金の使用使途など、法令等に定められた指導を適切に行っております。
◆(磯部委員) つまり社会福祉法人の改革にはほとんど何も手をつけていないと考えますが、今後、これらの問題についてどのようにされていくのか、お伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 社会福祉法人や福祉施設の指導監査は、適切なサービスの提供を主たる目的にして、利用者の処遇、施設職員の配置、会計処理の適正性などを中心に実地で調査を行っております。法人の経営状況や現場職員の処遇も適切なサービス提供に大きな影響を与えるものと考えますので、今後も監査担当職員の研修の強化を図りまして、有識者の意見も伺いながら、指導監査の充実を図るようにしてまいります。
◆(磯部委員) 我が会派の平野議員いわく、民間で考える監査というものと大きく隔たりがあると思いますので、今後、社会福祉法人のマネジメントを指導できるような組織が行政の中にも必要なのではないかと思います。ぜひとも検討していただけるよう要望しておきます。
それでは、昨年の決算局別審査でも説明のありました介護職員処遇改善加算制度に関連して、確認の意味を含めて質問してまいります。
平成24年度から、それまでの介護職員処遇改善交付金にかわり、介護報酬の加算の形で介護施設事業所に交付されている介護職員処遇改善加算について、まず、この加算項目の目的、内容は何か、お伺いいたします。
◎(妻鳥高齢健康福祉部長) 介護職員処遇改善加算は、介護サービスに従事する介護職員の賃金改善に充てることを目的としています。各事業所は、報酬総額にサービス別の加算率を掛けた額を加算金として受け取りまして賃金改善を実施します。
◆(磯部委員) 平成21年度から平成23年度までの3年間、県から介護職員処遇改善交付金として介護事業所に交付されていた制度が終了し、交付金が加算金にかわりましたが、これらの課題はあるのか、お伺いいたします。
◎(妻鳥高齢健康福祉部長) 当該加算につきましては、各事業所の報酬総額にサービス別の加算率を掛けた額が総額として各事業所に支払われることが課題です。そのため、支払われた加算金が実際にどのように賃金改善等に充てられているのかというチェックが事後になってしまうということも課題として挙げられます。
◆(磯部委員) 介護職員処遇改善加算に関する行政のチェックはどのようなものがあるのか、お伺いいたします。
◎(妻鳥高齢健康福祉部長) 当該加算の算定事業所は、年度ごとに実績報告書の提出が義務づけられています。各事業所は、実績報告書に加算の総額、支給した賃金総額や実施した賃金改善の方法等を具体的に記載いたします。本市は、その内容を確認するとともに、必要に応じて調査を行うことになります。
◆(磯部委員) チェックを行政として行うということはわかりましたが、きちんと介護職員の賃金改善に役立てるためには、一層の抑止力あるチェックが必要だと考えますが、見解をお伺いいたします。
◎(妻鳥高齢健康福祉部長) 実績報告書の確認を行った上で、内容に疑義が生じた際は、確認書類の提出を求めるとともに、必要に応じて、抜き打ち検査も含め現地調査等も行うことになります。また、平成25年度からは定期監査で、処遇改善加算に係る職員への聞き取り調査も実施する予定です。
◆(磯部委員) 本来は、特別養護老人ホームは税も減免されており、社会福祉の貢献を最大目的にすべきですが、社会福祉法人には天下りがあり、介護現場への待遇改善はできていない。将来への適切な引き当てはしないなどの法人がないように、徹底した調査、経営改善をしていただくこと、また、その報告を適時していただくことを要望し、次の質問に移ります。
ここから先は、健康福祉局所管の外郭団体について質問してまいります。
まず、公益財団法人横浜市総合保健医療財団について質問いたします。この団体の事業概要及びこの団体は何のために設立されたのか、お伺いいたします。
◎(畑澤健康安全部長) 横浜市総合保健医療財団は、平成4年の総合保健医療センターの開設に合わせて設立され、寝たきりや認知症の高齢者、精神障害者の方に在宅での生活の継続を専門的に支援するとともに、地域における保健医療福祉の向上を図ることを目的としています。主な事業は、寝たきりや認知症などの要介護高齢者支援事業、デイケア及び短期、長期の生活訓練等の精神障害者支援事業、認知症診断や高度医療機器の共同利用等の地域医療機関支援事業の3事業から構成されています。3事業の機能が連携し合いながら総合的、専門的な支援を行っています。
◆(磯部委員) 総合保健医療センターの診療所については、市立の診療所という位置づけでよいか、お伺いいたします。
◎(畑澤健康安全部長) 総合保健医療センターは条例に基づく市立施設であり、診療所は総合施設である総合保健医療センターの一施設です。横浜市総合保健医療財団が指定管理者として管理運営しております。診療所は、社会的ニーズが高い認知症の診断、治療等を中心とした専門診療を行っております。
◆(磯部委員) 横浜市総合保健医療財団ではCT、MRIを保有していますが、これらの機器をどういった事業に活用しているのか、お伺いいたします。
◎(畑澤健康安全部長) 総合保健医療センターの診療所では、社会的関心の高い認知症患者の診療と生活支援を開設当初から行っており、CT、MRIを活用して認知症診断及び外来治療を行っています。平成23年度は815件の認知症診断を行い、県内医療機関でも多い実績となっております。また、CT、MRIの共同利用を行っており、平成23年度には110の医療機関から合計2331件の利用があり、地域のかかりつけ医等の支援に欠かすことができないものになっております。
◆(磯部委員) 総合保健医療センターで行う介護老人保健施設や診療所は民間ではできないことなのか整理すべき事業だと思いますが、見解をお伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 総合保健医療センターの介護老人保健施設は、経管栄養等の医療処置が必要な方など他の施設の利用が難しい方を数多く受け入れるとともに、専門医療を必要とする重度の認知症の方を受け入れているという特徴があります。診療所については、県内でも有数の認知症専門診療を行うとともに、高度医療機器の共同利用を行いまして、地域医療機関を支援する役割も果たしているということがあります。さらに、精神科デイケアを初めとして、精神障害者の支援に精神科医師がかかわりまして、総合的な施設としての機能を一体として取り組んでいるという施設でございます。今後も、これらの事業を一体として行うことで、他の民間施設にはない公益的な役割を果たしていく必要があると思っております。
◆(磯部委員) 設立した当時の状況は理解もできますが、20年たった今でも果たしてそうなのかには疑問が残ります。
ところで、平成23年度の決算では現預金3億5000万円、投資有価証券3億600万円など、団体が保有している資産が多くあります。平成25年度の予算編成・執行体制づくり等についての通知には、外郭団体の財政支援の見直し、団体等の保有する資産については、本市への寄附や基金等の取り崩しなどを検討とありますが、この資産を取り崩し、本市へ寄附させる考えがあるかどうか、お伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律及び内閣府が示している基準においては、1年分の公益目的事業費相当額までは、団体が自立した運営を行っていくため、資産の保有が認められておりまして、財団の保有している資産の額はこれに達していないという状況にあります。また、現在保有している資産は、仮に財団の収入源が途絶えた場合においても、一定の期間事業運営を継続していくための運転資金及び緊急的に必要な修繕や新規事業等に活用していくための資産として必要なものと考えております。これらのことから、直ちに本市への寄附は予定しておりません。
◆(磯部委員) 今後も、この外郭団体及び事業内容については厳しく精査をしてまいりたいと思っております。
次に、社会福祉法人横浜市社会福祉協議会について質問いたします。
昨年の決算審査において、我が会派の平野委員が横浜市社会福祉協議会に対する4億円の貸付金について返済を求めるよう指摘しています。平成25年度の健康福祉局予算概要にある外郭団体関連予算案を見ますと、横浜市社会福祉協議会からの貸付金の一部償還として、1億9200万円の歳入予算が計上されていますが、横浜市社会福祉協議会では現在約35億円の基金を保有しています。
そこで、融資イコール返済という観念がなく、返済計画もできていない理由をお伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 市からの貸付金は、ふれあい助成金事業の財源の補填に充てたものでございます。返済に当たっては、横浜市社会福祉協議会が保有する基金を取り崩すことを考えておりますが、満期となる債券の償還額にあわせ、平成25年度は1億9200万円を返済するということにしたものでございます。なお、平成25年度の返済額及び今後の返済の考え方については、今月末に開催される横浜市社会福祉協議会の理事会で決定をされると聞いております。
◆(磯部委員) 横浜市社会福祉協議会への4億円の貸し付けについて一括して返済させることが可能であると考えますが、改めて見解をお伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 返済に当たっては、ふれあい助成金事業への影響をできるだけ抑えるために、債券解約により発生する手数料や利息の減少などの損失を少なく抑えるよう、債券の満期償還にあわせて返済をしていただくように考えております。今月末の理事会で承認されれば、3年間で計画的に順次返済をされる予定でございます。
◆(磯部委員) 適切に対応していただくよう要望し、次の質問に移ります。
次に、社会福祉法人横浜市リハビリテーション事業団について質問いたします。
平成23年度の決算書を見ますと、固定資産に美術品が計上されています。これはどのような方法、財源で取得したのか、念のため、お伺いしておきます。
◎(神山障害福祉部長) これは福祉に理解のある画家の方から絵画作品を御寄贈いただいたものでございます。
◆(磯部委員) 退職給与引当金19億円に対して、退職給与積立預金が10億円弱と足りておらず、結局、純資産がマイナスとなっています。一方で、現預金6億円、投資有価証券2億円、基金1億2000万円と一定の資産もあります。
そこで、それらの現預金を退職給与引当金の不足に充てることはできないのか、お伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 現預金は未払い金などの支払いや運転資金に必要なために、これを退職給与引当金に充当することはございません。
◆(磯部委員) こちらの団体は公務員法が適用できるわけではないと考えております。退職金の減額をすべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 横浜市リハビリテーション事業団の退職金は、設立時の厚生省局長通知によりまして、横浜市リハビリテーション事業団職員の処遇は、設立した地方公共団体の職員に準ずるとされておりまして、横浜市職員と同水準で支給をしておりました。その後、厚生労働省通知が見直しされたことから、横浜市リハビリテーション事業団の給与、退職金制度の見直しを行いまして、平成23年度から新たな制度としております。退職金はポイント制とし、民間企業の水準-これは中央労働委員会の調査による水準ですが、これを参考に額を設定しております。
◆(磯部委員) 今後もこの外郭団体及び事業内容については厳しく精査をしてまいります。
次に、外郭団体の監事について質問いたします。
財団法人寿町勤労者福祉協会について、監事の一人に本市職員が就任していますが、本市職員が決算の監事を行っていることについて法的に問題はないのか、お伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 当該法人の監事ですが、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律に規定する役員の欠格事由や監事の兼職禁止の規定に該当しないということで、法的には問題ないと認識をしております。
◆(磯部委員) 法的には問題がないということですが、第三者ではない本市職員が行っていることについて、今後どのように対応していくのか、お伺いいたします。
◎(岡田健康福祉局長) 現在、この団体は公益法人改革に伴う法人格の変更が求められておりますので、監事につきましても変更が検討されることとなっております。市としても、法人の動向にあわせて必要な調整を進めてまいります。
◆(磯部委員) 今回、職員の実名を確認して調べたのはこの外郭団体だけですが、他の外郭団体でも同じようなケースがあると聞いています。市長も以前の答弁で、第三者の視点が大事と答弁しています。
そこで、市として今後どのように対応していくのか、副市長の見解をお伺いいたします。
◎(鈴木[隆]副市長) 外郭団体の監事や監査役につきましては各法人が選任をしておりまして、一般的には公認会計士などの専門家が中心になっているという認識をしております。本市としての関与の状況もさまざまですので、引き続き団体ごとに適切に判断していきたいと思っております。
◆(磯部委員) 我々も第三者の視点でこれからも引き続きチェックしてまいります。
最後に、私が先ほど申し上げました昨年の決算局別審査での副市長答弁のポイント3点を確認の意味を込めて副市長からお願いいたします。
◎(鈴木[隆]副市長) 昨年の第3回定例会での決算特別委員会での答弁内容でございますが、1点目は、社会情勢の変化に対応し、見直すべき点はきちんと見直していくこと、2点目は、公費の支出は適正かつ公正に執行することが大前提であること、3点目として、法人に対しても公費を受け入れていることを強く意識して運営するよう厳しく指導していきたい、この3点でございます。
◆(磯部委員) ぜひそれを徹底してやっていただきたいと思います。
以上で私の質問は終わりますが、次の決算審査において、この間の取り組みについてしっかりと審査させていただきますので、きちんと取り組んでおくようお願いし、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
平成24年度本会議風景 市会