いそべ圭太  自由民主党 横浜市会議員(保土ケ谷区選出) 公式ホームページ

2017.04.01

活動レポート第26号

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第1回市会定例会が2月1日から3月24日までの52日間に渡り開会され、平成29年度予算をはじめ、横浜市政に関することを集中的に議論しました。
私は現在2期目であり、議員生活も6年目、任期の半分が終わろうとしていますが、初めてひとりで臨む予算議会となりました。

■平成29年度予算審議
平成29年度予算にあたっては、特に以下の視点を重要視しながら審議に臨みました。

将来人口推計によると、横浜市の人口は2019年から減り始めると予測されています。同時に2025年には65歳以上の高齢者の人口が約100万人となり、一方で30歳代から40歳代の子育て世代の市民の方々は、このまま何も手を打たなければ、今から約25万人減り、毎年生まれる子どもの数も、今より約7千人減ってしまうと推測しています。
このように近い将来、人口が減少に転じ、高齢化も急速に進んで行く中で、社会保障費は伸び続け、今後は水道や下水道、生活道路などの市民生活の生命線であるインフラの維持にかかる費用も増えていくことが考えられます。
従って、仮に人口が減ったとしても、税収が減少に転じない工夫、それにより市民の方々に対する行政サービスの質を落とさないことが、横浜市には強く求められていると考えています。

■予算関連質疑
2月24日に本会議場での予算関連質疑に登壇し、4テーマ8つの質問や指摘、提言をしました。
【対話による創造の取組】
市民や企業の方々と、本市の課題についての認識を共有し、横浜の未来を見据え創造的に対話を重ねていくことが大変重要であり、近年、こうした対話を通じて社会的課題の解決に取り組む潮流が、企業、NPO、大学など幅広く定着してきています。これから、新たに発生する様々な課題に向き合うために、「今後、具体的な課題解決につながる対話の場を充実させていく必要がある」と指摘。
市長からは、「共創フォーラムなどで深めた議論を課題解決につなげていくため、企業と行政が同じテーブルについて対話する『共創ラボ』や、地域住民の参画に重点を置き、企業や大学とも連携した『リビングラボ』など、課題に応じた対話の場を一層充実させていく」と答弁がありました。

コラム
「共創フォーラム」とは、民間企業やNPO、大学など様々な主体が異なる視点や価値観のもとに社会的な課題について対話し、新たなアイデアや解決策を見出していく場。
「共創ラボ」とは、行政と民間事業者が同じテーブルに着き、より具体的な課題の解決に向け対等かつ主体的に議論し、アイデアを出し合うための少人数での対話を行う場。
「リビングラボ」とは、地域住民の参画に重点を置き、企業、大学、行政など様々な主体が、生活者の視点を大事にしながら、地域に密着して対話を進める場。

【子どもを支える地域の取組の推進】
厳しい環境に置かれている子どもたちを少しでも支えたいと、地域の方々による食事の提供を含む子どもの居場所づくり、いわゆる「子ども食堂」を始めとした地域の取組が全国的にも大変盛んになっている中、横浜市でも、子ども食堂などの機運の高まりを受けて、29年度予算案において、子どもを支える地域の取組を推進するためのモデル事業を2区で実施することとしています。
2つの区における、区社会福祉協議会を中心とした子ども食堂の創設や継続を支援するモデル事業を通じて、今後の子ども食堂等に対する効果的な支援方策を検討する予定と聞いています。横浜市では、すでに40か所程度の子ども食堂があり、今後も地域の取組は、ますます広がっていくことが予想される中、「全市的に子ども食堂などの地域の取組を支援していくことが必要」と指摘。
市長からは、「子ども食堂の立ち上げや継続には、人材や食材の確保、周知方法といった様々な課題がある。29年度は、全市を対象に、食材確保のための企業などとの連携や人材の確保に関する啓発や研修を行います。また、2区において、地域をきめ細かく支援するモデル事業を行い、団体ごとの多様なニーズに応えていくための効果的な支援方策をまとめる」と答弁がありました。
合わせて、地域の取組の担い手の方には、子どもとの何気ない会話や、子どもの見せる態度の背景にある、子どもの思いに対する想像力を持ち、その気持ちに寄り添うことが求められるため、「地域における子どもへの支援に当たっては、担い手の人材育成が重要」と指摘。
市長からは、「担い手が増えることで、困難を抱える子どもに気づき、支援につながることが期待できる。具体的な取組に結び付けるために、様々な活動事例の発表、既存団体の紹介や体験の機会を提供する。また、担い手の方には、子どもと家族の気持ちへの配慮や、寄り添った対応が求められるため、子どもへの関わり方についての研修等を行う」と答弁がありました。

【猫の不妊去勢手術の推進】
この事業は、猫の不妊去勢手術費用のうち、5,000円を上限として補助金を交付するものであり、これまで飼い猫及び飼い主のいない猫を対象に行ってきた補助を、29年度予算案においては、「飼い主のいない猫に限定する理由」を確認。
市長からは、「法により、猫の飼い主には、必要に応じて飼い猫の繁殖制限に努めるように規定されてる。一方、飼い主のいない猫の不妊去勢手術は、市民ボランティアの皆様による猫の捕獲、動物病院への搬入、手術費用と補助額の差額負担等の御協力によって、はじめて実施することができる。お一人で、多くの猫に不妊去勢手術をしている市民ボランティアの皆様に、この事業を十分活用していただくため、補助対象を飼い主のいない猫に限ることにした」と答弁がありました。
合わせて、飼い主のいない猫の不妊去勢手術は、市民ボランティアの方々の活動によって成り立っている。このような「市民ボランティアの活動をさら支援していくべきではないか」と見解を確認。
市長からは、「市外にも比較的安価な費用で不妊去勢手術を行う動物病院がありますので、市民ボランティアの皆様の活動支援のひとつとして、29年度から事業を実施する動物病院を市外へ拡大することにした。また、動物愛護センターに登録した捕獲ボランティアや動物適正飼育推進員による不妊去勢を推進する活動、捕獲器の貸し出しなどにより、今後も市民ボランティアの皆様の活動を御支援していく」と答弁がありました。

【横浜開港当時の石積み護岸】
横浜では、赤レンガ倉庫や開港記念会館をはじめとして、横浜開港後から発展してきたまちの賑わいを示す歴史的な建造物などは、保存するだけではなく観光やまちのシンボルとして活用しています。しかし、残念ながら横浜開港当時の状況を示すものは、あまり残っていません。そのような中で、中区の新山下には、横浜開港当時に作られた旧イギリス海軍物置所の石積み護岸が残っています。この石積み護岸は大正時代に埋め立てられており、あまり人目に触れない状況になっていましたが、幕末・明治初期の海岸線を示す大変貴重な土木遺構だと言われています。「この石積み護岸について、どのような価値があると考えているのか。」合わせて、石積み護岸がある場所では、現在大型の商業施設を造る計画になっており、護岸の取り扱いが注目されている「この石積み護岸の取扱いはどのようになるのか」を確認。
教育長からは、「横浜開港当時の港の状況を示す石積みの護岸が、現状で確認できる場所は、とても少ないため、当時の護岸が、部分的にも現存しているという点は、貴重である。護岸を含む敷地内で計画されている商業施設の建設に際し、取扱いについて、開発事業者と協議をしてきた。しかし、安全面などの課題があり、一部を除き、撤去されました。現在、一部ではありますが、保存できる石積み護岸については、誰でも見ることができる環境を整えるよう、事業者と協議を進めていく」と答弁がありました。
横浜に残った貴重な開港当時の遺構であるため、本市の想いをしっかりと事業者に伝えると共に、大切に扱われるように指摘しました。

■予算特別委員会(消防局審査)
2月28日に予算特別委員会の消防局審査に登壇し、3テーマ12の質問や指摘、提言をしました。
【住宅防火対策】
住宅火災で多い原因の「コンロ火災」対策や、昨年中の死者25名のうち、放火自殺者を除いた24名の方すべてが住宅火災により亡くなっており、そのうち3分の2は住宅用火災警報器が未設置又は設置しているか不明であり、死者のうち高齢者の占める割合は6割以上と聞いています。亡くなられた経過では、不明を除き「逃げ遅れ」が最も多くなっているとのことであり、高齢者の方は、火災が起きた場合にとっさの行動をとることが難しい場合が多く、被害に遭わないために、早期に火災を知らせる住宅用火災警報器の設置が必要不可欠と指摘。高齢者に対する住宅用火災警報器の設置普及の取組などについて議論しました。

コラム
住宅用火災警報器の取付けをすることが困難な高齢者や障がい者世帯のうち、取付け支援を希望する世帯へは、住宅用火災警報器を用意していただければ、消防署で設置のお手伝いをいたします。保土ケ谷消防署予防課 045-334-6696

コラム
住宅用火災警報器の設置がすべての住宅に義務付けられてから10年が経過します。正常に作動するかの定期確認をお願いします。電池交換の目安は10年です。電池の交換又は、機器の交換をお願いします。

【横浜市消防音楽隊の活動】
横浜市消防音楽隊のワークショップを通して多くの中学生とふれあいながら、吹奏楽指導を行った点や、今後の活動の方向性について議論しました。

【救急救命士を含めた職員の教育】
急増する救急需要の中、その中心となるのは救急隊員、とりわけ救急救命士であり、その養成を確実に推進していくことは、今後さらに重要になってくると指摘しました。

参考
保土ケ谷区内の救急概況(速報値)
救急出場件数 10,144件
救急隊出場率 1日当たりの出場件数 28件
区内出場率(何分何秒に1回) 51分57秒に1回
区民の救急自動車利用状況 20人に1人が利用

コラム
急な病気やけがで、医療機関へ行くか救急車を呼ぶか迷ったら、救急相談センターにご相談ください。また、救急相談センターでは、そのとき受診可能な医療機関案内も実施しています。緊急性が高ければ、119番に転送します。
#7119 または 045-222-7119 におかけください。

■予算特別委員会(政策局審査)
3月6日に予算特別委員会の政策局審査に登壇し、1テーマ8つの質問や指摘、提言をしました。
【対話による創造の取組】
本会議で取り上げたテーマをより詳細に議論しました。
少子高齢化が加速していき、厳しい財政状況が続いていく中、複雑化・多様化していく様々な社会・地域の課題を解決していくためには、行政だけではなく、市民をはじめ、民間企業や団体、大学など、横浜に関わる様々な立場の方々と行政とが対話を重ね、ともに知恵や力を出し合い、解決を図っていくことが不可欠になっていきます。
あるエピソードを紹介しました。それは、私が21歳の時の話しです。
私の住む町の横浜新道高架下は公園となっており、日中は子ども達の遊び場ですが、深夜になると風景は一変、改造バイクが園内に入り、支柱や遊具に落書きをし、爆竹やロケット花火と共に大声で騒ぐ多くの若者が集まる場所となっていました。
解決策が見い出せず、地域住民が我慢を強いられる状況が続く中、当時20代前半ながら自治会町内会の役員であった私は、この問題に取組ました。
横浜市や警察などの行政、横浜国立大学、地域の小学校や住民、当時の道路公団へ何度も問題提起をしました。あきらめずに幾度も行いました。ひとつひとつの点が線となり、関心と協力の輪が出来、その輪が次第に大きなものとなり動き出しました。
公園にバイクが入れない構造への改修や支柱に子ども達の絵を描くことで落書きをされないようにするなどの取組が進み、健全な公園へと変化し問題解決に至ることができました。
このように、地域の課題について、民間や行政の様々なステークホルダーが課題を共有し、対話を重ね、連携を図って解決に導いていくことが大切であると議論しました。

当日の質疑の詳細は、私のホームページに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

私が取り上げる質問の多くは、日頃地域をまわっている中で、地域のみなさんからのご意見、ご質問、ご要望などが基となっています。何気ない会話の中からも、市政に臨むヒントが多くあると感じています。そのため、情報、時間のあるかぎり、地域の各種行事をまわらせていただいています。
「大切なことは何か」を常に考えて行動しています。
引き続き、みなさんの率直なご意見をお聞かせください!

■相模鉄道本線(星川駅~天王町駅)連続立体交差事業
平成29年3月5日(日)に、下り線が高架橋へ切り替わりました。
保土ケ谷区にとっては悲願であり、地域の方々のこれまでの努力が報われる歴史的な瞬間を市会議員として深夜0時の工事開始前から午前5時半頃の始発までの間、視察、立ち会いを行いました。
当日は400名の作業員の方々が徹夜で切り替えの作業にあたり、終電後から始発前の試運転列車までの僅かな時間でしたが、無事工事が完了しました。
天王町駅では、線路の切り替え作業やホームの撤去作業などが行われ、星川6号踏切付近では、線路の切り替え作業などが行われ、試運転電車、始発電車が通過していきました。
当日の作業は驚くほど人の手による作業で行われ、従事者のみなさんの活動には興奮と感動を覚えました。
上り線の高架化は、平成30年秋頃の予定です。さらにその後、付近の道路や高架下の環境整備等が行われます。

■義務的経費と人口減少社会
予算案を議論する上で毎回論点となるのが、「義務的経費」の割合です。
義務的経費とは一般的には、職員給与などの「人件費」、福祉・医療・子育てなどの経費である「扶助費」、過去に市債を発行して借り入れたお金の返済経費である「公債費」の3つを指します。
29年度の義務的経費の割合は61.4%と前年度比5.2%増となっていますが、県費負担教職員の横浜市への移管がありましたので大幅に上がっています。その分を除くと57.7%となり、前年度比1.5%増となります。
30年度の一般会計の収支見直しの機械的な試算でも、義務的経費の増が予想されており、今後の人口減少社会による影響が直前に迫っています。
さらに、一般会計の義務的経費に含まれていない「国民健康保険」「介護保険」「後期高齢者医療」があります。
働いて税金を納める世代の人口増、税収を増やす取組、徹底した行財政改革の推進など、様々な取組に加え、仮に人口が減ったとしても、税収が減少に転じない工夫、それによって市民の方々に対する行政サービスの質を落とさないことが必要です。
また、我々自身が変わる努力をしなければ、横浜市は今後衰退の一途を辿ると考えています。今正にその岐路に私たちは立っています。