いそべ圭太  自由民主党 横浜市会議員(保土ケ谷区選出) 公式ホームページ

2017.07.16

7月30日の横浜市長選挙について

横浜市長選挙が本日7月16日に告示され、2週間に渡る選挙戦が始まります。

現時点で無所属の私のところには、どの立候補予定者からも推薦依頼、支援依頼は来ておりません。

横浜に、「カジノを誘致するかしないか」が主な争点になりつつありますが、いちばん身近な政治である市政(地方自治)は、ひとつの争点で議論出来るほど簡単なものではありません。

横浜市の人口は、373万人を超す全国一の基礎自治体となっています。

もちろん、カジノ誘致は争点のひとつになりますが、子育て、教育、就労、介護、福祉、医療、インフラなど、その人そのひとの生活する、生きるステージによって必要なもの、不必要なものが変わって来るため、争点は候補者だけでなく有権者の方々も考え、決めていくべきと考えています。

私は、カジノの話が出始めてから現在まで、一貫してカジノは慎重派です。
今あるギャンブルすべてを否定している訳ではありませんが、慎重の理由は、カジノ=ギャンブル、ギャンブル=依存症、ギャンブル=社会悪・嫌悪感、というイメージ、固定概念が私にもあるからです。
よって、単なるギャンブルのイメージでは完全にカジノは、「ノー」です。

しかしながら、政治家である以上は、イメージや好き嫌いではなく、本当にダメなものなのか、イメージ通りになる見込みが高いか、ほかに税収を上げる手段があるのか、今あるギャンブルのように依存症や街の風紀に影響があるのかなどを、国の議論、対策が出来上がってから横浜市でも導入の是非について議論すべきであり、最後は有権者の方々の判断になると考えています。
何事にも、多かれ少なかれメリット・デメリットがあります。
デメリットがあるからこそ、人はその対策を考えたり、リスクを減らす努力を行います。

国のカジノ賛成派は成功例と簡易な問題点だけを、反対派は極端な失敗例だけを上げており、イエスノーありきの議論に終始しています。
また、カジノ推進の議員連盟に加入していた国会議員の多くが、「横浜にカジノはいらない」と訴えるなど、「では、どこならよいのか」など主張に矛盾があることも多数露呈して来ています。
合わせて、イデオロギーによって決めるべき問題でもないと考えます。

私自身、海外のカジノ事情は簡易な勉強に留まり、公私とも海外のカジノを訪れたこともないため、イエスノーが判断出来るだけの材料はありません。
成功例としては、シンガポール。失敗例としては、韓国。このふたつが挙げられることが多いと認識しています。

今でも横浜市内にあるギャンブル(事実上のギャンブル含む)施設は、場外馬券場では、ウインズ横浜(日ノ出町)、ウインズ新横浜(新横浜)、エクセル伊勢佐木(関内・伊勢佐木長者町)、ジョイホース横浜(桜木町)の4箇所。場外船券場では、ボートピア横浜(関内・石川町)の1箇所。場外車券売場では、サテライト横浜(桜木町)の1箇所の計6箇所が存在しています。
また、遊技場扱いのパチンコ店は、確認出来ただけで200施設以上あり、ギャンブルはカジノだけの問題ではありません。
(花月園競輪場は、廃止になっています。)

ですので、カジノは慎重派ではありますが、総合的な横浜への影響が判断出来る状況になるまでは最終判断を控えています。
もし現時点でカジノ反対であれば、今挙げた施設の廃止または、残してもよい根拠を示さなくてはなりません。

現時点でカジノ単独の判断ということであれば、先が見えないため「ノー」ですが、このノーは将来に渡って否定し続けるノーではありません。また、必ずしも「イエス」になる訳でもありません。

新人の立候補予定者のうちのひとりは、初当選から昨年春まで同じ政党、同じ会派で共にやっていた仲間です。
カジノは、反対と明確に唱えています。
私は、維新の党解党時に民進党へ入党しませんでしたので、今は直接の関係はありません。
カジノ以外のスタンス、政策は、一緒にやっていた時代があるわけですので、一致している点が多いですが、私とは相容れない政党の実質的な支援を受けるようであり、それは私の政治家としての根幹に関わります。

現職の立候補予定者とは、私が議員に初当選して以来6年以上に渡り是々非々のスタンスで議論して来ました。
時には反対の姿勢を明確にして議論を交わしたり、時には政策提案を受け入れていただいたりと、様々な議論を交わして来ました。
カジノは、判断するに至っていないというスタンスです。

もうおひとりの新人の立候補予定者は、お会いしたこともありません。
カジノは、反対と明確に唱えています。

政治家は、毎日毎時毎分、その一瞬も様々な判断をし続けています。
その判断は、市民の方々のためにどう判断するかであって、議員生命にどう有利に働くかという観点ではありません。
仮に、議員生命にどう有利に働くと考えているように見えるのであれば、それは、市民の方々のために、どうすれば良いか、どう当選して政策実現すべきか考えているときです。

普通に生活していてもそうですが、自分の主張が100%通ることはほとんどなく、すべてが思い通りになることはありません。
何事も、反対のスタンスだけではなく、少しでも実を取ることに重点を置くべきです。
そのためには、時には政策妥協も必要となってきます。
時には、最終的に反対の意思表示となることもあります。

今、カジノ反対を唱えている立候補予定者も、様々な対策が十分取れる場合や市民の方々の理解が得られれば、賛成になることもあります。
今はカジノ賛成を唱えている立候補予定者はいませんが、仮にカジノ賛成を唱えていたとしても、様々な対策が不十分であれば、反対になることもあると思います。

繰り返しになりますが、カジノ誘致は争点のひとつになりますが、子育て、教育、就労、介護、福祉、医療、インフラなど、その人そのひとの生活する、生きるステージによって必要なもの、不必要なものが変わって来るため、争点は有権者の方々も考え、決めていくべきと考えています。

いずれにしても、7月30日の横浜市長選挙には、有権者の方々は棄権することなく、政策等を総合的に判断された上で一票を投じていただきたいと思いますし、私からのお願いです。