いそべ圭太  自由民主党 横浜市会議員(保土ケ谷区選出) 公式ホームページ

2023.10.15

消防局 局別審査 令和4年度決算第二特別委員会 令和5年10月3日

10月3日に決算特別委員会の消防局審査に登壇し、5テーマ(消防団事務のデジタル化・救急活動のDX・消防訓練センター訓練施設の更新整備・消防職員の労働安全と処遇・消防本部庁舎の整備)、19項目の質問や指摘、提言(意見)をしました。

☆ポイント
地域で伺ったご意見を基に質疑を行いました。

速報版(字句の最終確認前)ですが、質疑の全体像を掲載いたします。正式な議事録ではなく、インターネット録画中継から文字お越ししたやりとりとなっております。実際の発言は、今後作成される議事録とは異なる部分がございますので参考程度にご覧ください。

こちらをご覧いただければ、市民の皆様に選ばれた議員が二元代表制の下、当局と真摯に議論させていただいていることがご理解いただけると思います。
引き続き、粛々と職務に臨んでまいります。

質問は一問一答です。一問ずつ太字で当局の答弁を入れてあります。

この間、質問の調整や調査にご協力いただきましたすべての市職員の方に感謝申し上げます。

横浜市会インターネット中継

自民党の磯部圭太です。
東委員に続いて質問いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
委員長、のちほどスライドを使います。

今年は、コロナ禍や酷暑もあって、救急要請が900件を超える日も複数あったと聞いています。横浜市の消防力を超える救急要請に対し、様々な創意工夫と、なによりも現場を中心に、我々では考えられないくらいの努力をしていただいている、そんな使命感をもった職員の皆様に、敬意と感謝を申し上げます。
余談ですが、先日、急に体調を崩されたご高齢の方がおられました。素人の私では、年齢や症状、気温などから考えると即救急要請を、と考えますが、近くにおられた消防団員の方が適切な措置をされ、その後体調が回復してご自身で帰られるまでに快復されました。
その日は、消防団の職務ではなく、一般の方としてご対応いただいたのかなと思いますが、消防団員の方々も、日頃の訓練の成果を日常生活でも発揮されていました。恐らく、各地で職務以外の場面でも、様々ご対応いただいているかと思います。こうした消防団員の皆様にも感謝申し上げ、質問に入ります。

1 消防団事務のデジタル化

初めに、消防団事務のデジタル化について、伺います。
近年、風水害をはじめとする自然災害が増加し、大規模な地震の発生も危惧されている中で、地域防災の要である消防団の役割と期待は、より大きなものとなっており、我が党のマニフェスト「2023よこはま自民党政策集 責任と約束」でも、「消防団員の活躍できる環境整備」を掲げています。
期待と役割に比例して消防団活動に関わる各種の事務負担も増加しています。このような状況の中、我が党の伏見議員が令和3年度「予算特別委員会」で、福地議員が令和4年度「予算特別委員会」で、それぞれ現場のご意見を集約した質問をし、消防団員の負担軽減を要望したところです。
その後、様々な調整を経て、先ほども局長からお話がありましたが、消防団アプリが本年4月に、本格運用が開始されたと認識しています。
この消防団アプリは、消防団活動の報告事務のほか、車両及び資機材の点検結果報告事務などをデジタル化することにより、消防団員の負担を軽減することを目的として開発されたと聞いています。便利でありつつも、操作が簡単なシステムを目指し、手探りで進めていく部分もあったことから、様々なご意見を私も消防団員の皆様からお聞きし、当局に要望しました。そこで、
消防団アプリ運用開始後の消防団員の反応を副局長に伺います。

《副局長答弁》消防団アプリの運用開始後に、実際に使用している消防団員に、アプリの使用感についてアンケート調査を実施しました。この調査の中で「紙での活動実績報告に比べ、アプリの方が効率的だと感じますか」との質問をしたところ「アプリの方が効率的」、「どちらかといえば、効率的」との回答が、回答者の70パーセントの方から得られました。

スマートフォンに慣れている方は、なんの問題もなくこのアプリを活用できると思いますが、操作があまり得意でない方は、このアプリに慣れていただくには時間がかかるかと思います。デジタル化の推進にあたっては、誰も取り残さないことを目指すことが大切ですので、デジタル化が新たな負担にならないよう、しっかりとサポートしていくことが重要と考えます。そこで、
消防団員に対する今後の支援体制を局長に伺います。

《局長答弁》運用開始当初から、アプリの操作に不慣れな消防団員を対象とした取扱研修の実施や、消防署の担当者による相談窓口などを開設しており、一日でも早くアプリに慣れていただけるように継続してサポートを行っています。更に、新規で班長などの役職に就く方を対象とした、操作説明動画を新たに作成するなど、様々な角度からのサポートに努めており、今後も必要な支援を行っていきます。

本市のアプリは、より良いシステムの構築を目指すため、令和3年度に2社の民間事業者と、6消防団で実証実験を実施しています。
更に、この6消防団が先行して実証実験を行ったアプリを運用していく中で、修正すべき課題等を見つけ出し、この課題を解決していく、いわゆる「アジャイル方式」によるシステムの改善を進め、全20消防団の本格運用を迎えていると聞いています。
こうしたシステムの改善を進め、本年4月のアプリ本格運用を開始するとともに、新機能が拡張されたと聞いています。そこで、
本格運用にあたり拡張した機能を副局長に伺います。

《副局長答弁》一つ目は、災害出場指令と連動した通知機能で、消防団員に災害発生をお知らせする「指令連動機能」二つ目は、災害現場や訓練時に消防団員同士が、掲示板形式でコミュニケーションを取ることが出来る「掲示板機能」の二つの機能を拡張しました。

消防団員の皆さんの事務負担等を軽減し、災害対応や、訓練に傾注できる環境整備は重要な課題です。
このアプリが本格運用されたことで、消防団活動報告の事務負担は、かなり軽減されたかと思いますが、本アプリは、消防団員の負担軽減の可能性をまだまだ秘めていると考えます。そこで、
「本アプリにより、消防団活動事務の更なる負担軽減を図るべき」と考えますが、局長の見解を伺います。

《局長答弁》アンケート調査の中でも、今後、拡張を期待する機能が複数あげられており、現在、そのご意見を基に検討を行っています。今後も、継続してアンケート調査を実施し、本アプリのユーザーである消防団員の意見を集約、反映していくことで、消防団活動事務の負担軽減に繋げられるよう、取り組んでいきます。

今後も、アプリに更なる機能を付加し、一層のデジタル化を進め、消防団員の皆さんの活動をしっかりと支援していただくことを要望し、次の質問に移ります。

2 救急活動のDX

次に、救急活動のDXについて、伺います。
先ほども申し上げましたが、救急出場件数は年々増加し、最近では要請場所に近い救急隊が出払っており、遠方からの救急隊が現場に向かうケースも多いと聞いています。また、救急現場においては特に、ご高齢の傷病者からの情報聴取に時間がかかっている実態や、コロナ禍では受入先の病院に受入れ確認連絡を数十回したケースも多く発生し、出場指令から病院へ搬送するまでの平均活動時間は、10年前に比べて10分以上延伸していると聞いています。
先ほども述べました我が党のマニフェストでは、年々、救急車の到着時間が遅くなる中、高齢化により増加する救急需要に対応するため、DXによる効率的な救急医療体制を整備していくことを掲げています。
先の一般質問において、わが党の伊波議員からの質問に対し、「救急隊と医療機関の業務効率化、医療の質の向上に向け、救急医療DXを推進する」との答弁がありました。
横浜市でも救急医療DXを進めていく上で、消防局には、喫緊の対策が必要な救急活動のDXを進めていただきたいと考えています。
本市だけでなく、全国的に救急出場件数が増えていることから、他都市などでも救急活動のDXが行われていると思います。そこで、
国や他都市の状況を救急部長に伺います。

《救急部長答弁》総務省消防庁では、昨年度、全国の6つの消防本部において、マイナンバーカードを活用した救急業務の迅速化・円滑化に向けた実証実験を行いました。また、千葉市や札幌市では、活動の効率化に向け、傷病者情報の医療機関への送信や、QRコードでのデータ連携などが可能なアプリを導入していると聞いています。

現在、様々なアプリケーションやDXの取組が溢れており、そして、日々、新たな取組が生まれている状況だと思います。先行事例では、どのような効果があったのか、また横浜市が導入した際にも反映できるものがあるのかが気になります。そこで、
救急活動のDXに期待される効果を局長に伺います。

《局長答弁》マイナンバーカードの実証実験では、救急隊の現場到着から現場出発までの時間が、約4分短縮する効果が見られたと報告されています。また、千葉市では、受け入れ医療機関が決定するまでの時間が短縮し、札幌市では、救急隊の事務処理時間が、一件当たり約4分の削減効果があったとのことです。横浜市においても、仮に同じシステムを導入した場合には、医療機関への早期搬送や救急隊員の労務負担軽減などの効果が期待できると考えています。

一般的に、DXを進めていくうえでの課題として、目的が明確になっていない、組織内の理解が進まないことなどが指摘されています。
さらに、横浜市では、他都市と比較しても救急隊の数や医療機関の数が多いという特徴もあります。そこで、
救急活動のDXに向けた課題を局長に伺います。

《局長答弁》現状の救急活動は、救急隊から医療機関への情報 伝達は、電話連絡で行っているほか、医師への引継書 などは、紙媒体となっています。そのため、傷病者を受け入れていただく医療機関や医師にDXの意義をご理解いただき、さらに連携を深めていくことが重要です。また、今後、国が検討を進めている医療DXへの対応も必要になると考えています。

横浜市では、これまで、横浜市救急医療情報システム、通称YMISやフィールドトリアージなどのICTを活用したシステムを救急活動に取り入れてきました。
救急活動のDXは、さらに横浜市の救急医療提供体制の強化にもつながるため、先行都市の情報や国の動きを踏まえながらも、できるだけ早く進めていくことが重要と考えます。そこで、
救急活動のDXに向けた今後の取組を副市長に伺います。

《副市長答弁》令和5年度、6年度に附属機関である横浜市救急業務検討委員会において、横浜市の医師会、病院協会など医療関係者や弁護士等、有識者の皆様に、救急活動のDXについて、ご検討、ご提言いただく予定です。検討にあたっては、医療関係部局などと幅広く連携・協力しながら、着実に進めていきます。

市民の皆さまは、救急要請すれば、すぐに救急車が来てくれる、そして、速やかに適切な病院に搬送してくれると一般的には認識しています。
そうした大きな期待にしっかりと応えていくためにも、救急活動の効率化に大きく寄与する可能性のあるDXを着実に進め、最大限の効果を出していただくことを期待し、次の質問に移ります。

3 消防訓練センターの訓練施設の更新整備

次に、「消防訓練センターの訓練施設の更新整備」について、伺います。
消防訓練センターにおいては、先日、新採用職員94名が半年間に及ぶ基礎教育を修了したとお聞きしました。
災害現場の最前線で活動することになる新採用職員の皆さんには、強い使命感を持って、これから活躍していただきたいと願っています。
消防訓練センターは、このような新採用職員をはじめとした消防職員や消防団員が、実災害の現場で的確な活動ができるよう教育訓練を行う、横浜市にとって大変重要な施設であり、我が党のマニフェストでも、「訓練環境の整備」を掲げています。
これまでも市会の中で、消防訓練センターの訓練施設の更新整備について、我が党の伊波議員、福地議員、山下議員、長谷川議員、青木議員、伏見議員、そして私と、各議員から幾度となく触れてきました。今年度は、昨年度策定した基本計画を基に、各訓練施設の配置や間取りなど、具体的な姿を明確にする基本設計の策定を進めていると聞いています。
先日、久しぶりに消防訓練センターを視察させていただきました。いろいろ見たりお話をお聞きしている中で、実際の火を使用した実践的な訓練を行う機会がないことから、新採用職員の皆さんは、火災現場に出場して、初めて実際の炎を目の当たりにすると聞いて、現場の大変さに驚きを感じました。
今回の更新整備では、そのような課題を解消するため、実践的訓練施設のひとつとして、模擬消火訓練装置を整備すると聞いています。そこで、
模擬消火訓練装置の概要を訓練センター所長に伺います。

《訓練センター所長答弁》堅牢な建物の中で、プロパンガスバーナー等により、火炎や煙を発生させ、実際の火災現場に近い環境を再現して、濃煙熱気の中、消火活動や救助活動などの訓練を行うことができる装置です。

模擬消火訓練装置の導入にあたっては、効率的で効果的な教育訓練が実現できるよう、局内で十分な検討を重ねてきたことだと思います。そこで、
模擬消火訓練装置の設置効果を訓練センター所長に伺います。

《訓練センター所長答弁》時間の経過とともに移り変わる、火災の状況の変化を把握することや、炎、煙、熱気による環境下での実践的な火災対応能力を習得することができます。また、過酷な状況下での危険回避能力を習得させ、的確な状況判断のもと、安全確保を最優先にした行動が醸成され、消防職員・消防団員の重大な受傷事故の防止につながると考えています。

新採用職員の教育訓練において、こうした実際の現場を再現することができる施設は、特に必要であると認識しています。 
また、火災への対応という点では、消防職員だけでなく、地域防災の要となる消防団員も火災現場で活動することになります。
消防職・団員の災害への対応力を向上させるためには、日ごろの訓練が何よりも大切なことであり、実践的訓練施設である模擬消火訓練装置の整備は、消防職・団員からの期待も大きいかと考えます。そこで、
模擬消火訓練装置の整備に向けた所感を局長に伺います。

《局長答弁》建築物の大規模化・複雑化が進んでおり、消防職・団員には、より高度な災害対応力が求められています。そうした中、火災現場に近い環境をつくりだすことが可能な模擬消火訓練装置の設置は、実践的で効果的な教育訓練につながると考えており、今回の整備を着実に進めていきます。

消防職・団員の訓練環境が整備され、十分な訓練が行えるようになることは、最終的には、市民の安全・安心を守ることにつながります。
消防訓練センターは、消防職・団員の教育訓練の場として、欠くことのできない施設ですので、更新整備を着実に進めていただくことを要望し、次の質問に移ります。

4 消防職員の労働安全と処遇

次に、消防職員の労働安全と処遇について、伺います。
消防職員は、火災・救急・救助といった危険な業務に当たっていますが、本年7月にも、北海道で消防職員の殉職事案が発生しました。職務に殉じた職員の方に心からご冥福を申し上げます。
消防職員の職務は、当然ながら危険度が高く、特殊な業務であることを誰もが認識しており、消防職員の労働安全は、市民生活と直結している重要な課題として捉えています。そこで、
消防業務の危険性を副局長に伺います。

《副局長答弁》火災現場では、バッグドラフトやフラッシュオーバーといった急激な燃焼現象が発生する場合があるとともに、建物の強度が下がるため、高いところからの重量物落下や床の抜け落ち等の危険性があります。また、救急現場では、様々な感染症を有する傷病者への接触や血液暴露など、常に感染の危険に晒されている活動となります。

消防局は、現場の危険性・困難性に対して、安全管理に万全を期して活動に臨んでいることと思います。
しかし、どんなに対策しても、危険性を排除しきれない状況があり、例えば、今夏の酷暑下における活動の過酷さは容易に想像できるところです。そこで、
火災現場における労働安全上の課題を局長に伺います。

《局長答弁》昨年7月に発表された国際がん研究機関の評価では、火災で発生する様々な物質と発がん性との因果関係について、十分な証拠があることが証明されています。また、昨今の熱中症対策の研究によれば、夏季に消防隊員が防火装備を着用して活動する場合、30分程度で 体内の温度が安全上の限界に達するとされています。

温暖化の進行等の様々なリスクを踏まえると、消防職員の労働安全を守るためにも、今後更なる対策が必要となっていると考えます。そこで、
労働安全の確保に向けた取組状況を副局長に伺います。

《副局長答弁》今年度、防火装備の更新に向けた検討会を設置し、熱に対する防護性能の向上、熱中症対策、発がん性を有する物質等の対策といった消防隊員の安全性向上に向けた検討を進めています。また、救急出場の際に着用する感染防止衣について、背面にメッシュ生地を導入し、感染防止性能と通気性を確保できるよう改良するなど、総合的な労働安全の確保に努めています。

消防職員の安全確保に向け、装備や部隊運用をしっかり検討していただきたいと思います。
これまで、消防業務の危険性や困難性に触れましたが、その業務は、身体、生命の危険があり、健康に有害かつ肉体的に過度の疲労を伴うものであるため、その特殊な勤務に対しては、横浜市が条例で定めている特殊勤務手当で、必要に応じて処遇されるべきものです。
しかし、東京都や近隣政令市と横浜市における手当の支給状況を比較すると、同じレベルで支給しているとは言えない状況です。そこで、
他都市と同等の特殊勤務手当の支給要件を検討すべきと考えますが、局長の見解を伺います。

《局長答弁》他の消防本部では、出場手当等が支給されているところも多くありますので、今後も災害現場や救急現場の複雑・多様化などを鑑み、必要な手当について、引き続き関係局と協議を継続していきます。

支給要件を他都市と遜色ないものにすることは、人材確保競争においても、必要不可欠であると考えます。
また、特殊勤務手当のみならず、初任給を比較しても横浜市が低い状況にあり、大卒で横浜市が約23万3千円。東京都が約25万9千円。相模原市が約23万8千円となっています。令和5年度「予算特別委員会」において、人材確保における課題について、わが党の伊波議員が質問をし、「採用試験合格者の過去5年間の辞退率が約4割で推移している」との答弁がありました。優秀な人材が横浜市を選ばなくなる危機的な状況であり、市民の安全・安心を最前線で担う消防局の組織運営に大きな影響が生じます。そこで、
消防職員の基本給の見直しを図るべきと考えますが、副市長の見解を伺います。

《副市長答弁》消防は、24時間365日、市民からの要請に応え、安全・安心を守り続ける体制を維持する必要があり、本市の消防責任を果たすためにも、人材の確保は必要不可欠です。引き続き、横浜市人事委員会の勧告などを踏まえ、消防職員の処遇全体について、適切に対応していきます。

消防職員は、労働基本権が制約されており、その処遇改善には、労務所管局である総務局や人事委員会の理解と協力が必要であるため、十分協議し、改善に向けて取り組んでいただきたいと思います。
労働安全の確保と処遇改善を通じて、消防職員が十分に力を発揮できる環境整備を進めていただくことを要望し、次の質問に移ります。

5 消防本部庁舎の整備

次に、消防本部庁舎の整備について、伺います。
1923年に発生した関東大震災から今年で100年の節目を迎えました。関東大震災は、首都圏に未曾有の被害をもたらした災害であり、全国で10万棟を超える家屋が倒壊したほか、多くの火災が発生し、大規模な延焼火災に拡大しました。横浜市においても市民の9割が被災する等、甚大な被害が発生しました。
こうした過去の災害を教訓とし、横浜市の災害対策についてもより一層しっかりと整備していく必要があると考えています。
我々市会議員の先輩が新しい消防本部庁舎の必要性を問い、尽力され、消防局では災害活動の中枢となる消防本部庁舎の建設をこれまで進めていました。本年7月末にしゅん工し、保土ケ谷区の議員団会議でも私から要望させていただきましたが、市民の皆様を対象とした内覧会も開催していただき、とても多くの方々で賑わっていました。私も庁舎を拝見させていただきましたが、非常に堅牢で機能性の高い建物となっています。新たな庁舎には、消防力を強化するために様々な工夫をしていると聞いています。そこで、
消防本部庁舎の機能強化を副局長に伺います。

《副局長答弁》新たな消防本部庁舎では、大地震にも耐えられるよう免震構造を採用するとともに、インフラ等が途絶した場合でも、継続して運用が可能となるよう電力供給や通信体制を二重化しています。また、これまで別棟だった消防司令センターと本部運営室等を一体的に整備し、消防本部としての機能を強化しました。そのほか、大規模災害時に緊急消防援助隊等を円滑に受け入れる施設を整備し、関係機関との連携強化を図ります。

消防本部庁舎の新たな機能の一つとして、屋上にヘリコプターの離着陸場があります。
ここで、スライドをご覧ください。
(スライド①)
先月19日に、この離着陸場を使用した消防ヘリコプターの離発着訓練が実施され、私も訓練を視察しました。これは、住宅街や商業施設が立ち並ぶところから進入してきている様子です。相鉄線星川駅北口近くから撮影しています。
次のスライドをご覧ください。
(スライド②)
同じく星川駅北口方面から撮影し、ヘリパッドに着陸したところです。
次のスライドをご覧ください。
(スライド③)
実際のヘリパッドに着陸した様子を消防本部庁舎屋上から撮影した様子です。
あらためてその機動力の高さや力強さを目の当たりにしました。その反面、訓練とはいえ、住宅や商業施設、駅や区役所、警察などの行政機関や保育所などが立ち並ぶ立地の中、風や騒音の問題もあり、これらもしっかりと考える必要があるとあらためて感じました。
私は、令和元年度決算特別委員会において、ヘリコプター離着陸場の活用について質問をし、横浜市が大規模災害で被災地となった場合に緊急消防援助隊や救援物資の受入などの活用が考えられるとの答弁がありました。実際に災害が発生し、離着陸場を有効に活用するには、日ごろからの十分な準備が必要と考えます。そこで、
ヘリコプター離着陸場を活用した訓練を局長に伺います。

《局長答弁》大規模災害発生時には、機動力のあるヘリコプターによる活動は必要不可欠です。一方で、本部庁舎周辺は市街地であるため、離着陸を行う際には、安全かつ確実に実施することが何より重要です。そのためには、パイロットの操縦訓練と地上側の職員による、受入手順や安全管理方法の確認を継続して実施する必要があります。今後も、あらゆる災害に備えて、定期的に離着陸訓練を実施していきたいと考えています。

先ほども申し上げましたが、消防本部庁舎の近くには、住宅や行政機関を含め、様々な施設がありますので、近隣住民への影響も考え、安全な離着陸に向けた訓練を継続していただきたいと要望します。合わせて、訓練前には十分な周知を行うことを重ねて要望いたします。
さて、機能が大幅に強化された最新鋭の庁舎が完成し、今週末には移転が開始され、いよいよ来週から消防本部庁舎の供用が開始されます。そこで、
供用開始に向けた決意を局長に伺います。

《局長答弁》消防は、あらゆる災害に対して、いかなる時も機能を停止することなく、市民の皆さまからの要請に迅速かつ的確に応えていくことが最も重要であると考えております。新たな消防本部庁舎が完成いたしましたが、これはハードいわゆる器であり、これからは私たち消防職員が魂を吹き込み、強化された消防本部としての機能をいかんなく発揮し、市民の皆さまの安全、安心をしっかりと守っていく所存であります。

近年は、南海トラフ地震や首都直下地震の発生が危惧されているほか、激甚化した風水害も頻発しており、横浜市としても災害への備えを進めることは喫緊の課題であると考えています。  
消防本部庁舎は本市の災害対策にとって、重要な施設です。強化された機能を最大限活用し、市民の皆様からの期待に確実に応え続けていくことをお願いし、私の質問を終わります。