いそべ圭太  自由民主党 横浜市会議員(保土ケ谷区選出) 公式ホームページ

2023.09.18

令和5年第3回定例会 本会議(2日目)一般質問 令和4年9月12日

 9月12日の本会議(一般質問)に登壇し、
 18テーマ
 1 人口増に向けた考え方
 2 中学校給食
 3 歯科口腔保健の推進
 4 市営交通の経営の方向性
 5 誰もが暮らしやすい地域交通の実現
 6 地域で暮らす高齢者等の支援
 7 2040年に向けた医療提供体制
 8 三ツ沢公園の再整備
 9 神奈川東部方面線沿線のまちづくり
 10 建設業の働き方改革に向けた取組
 11 横浜のにぎわい創出
 12 GXとGREEN×EXPO 2027の推進
 13 緑豊かなGREEN×EXPO 2027の会場
 14 都市農業の推進
 15 横浜みどりアップ計画
 16 横浜DXを推進する創発・共創の取組
 17 一般廃棄物処理基本計画
 18 ふるさと納税
 43項目の質問や指摘、提言(意見・要望)をしました。

 ☆ポイント
 4期目の任期が始まり4か月半が経過しました。公約実現への取り組み、従前より推進してきた施策の拡充、現在の市政の重要課題など、様々な課題や宿題があります。
 今回の質疑では、それらを念頭に置いたうえで、かぎりある質問時間を有効に活用すべく検討に検討を重ね、論戦に臨みました。
 会派の政策委員会でも様々な意見を交わしながら、市民本位の観点から選んだ18項目43問の質疑を約40分間行いました。(答弁まで含めると約75分)
 質問や意見、要望などは山ほどあります。例えば、新型コロナウイルス感染症第9波の対応、教育(いじめ・不登校・ヤングケアラー・部活動の外部委託)、財源論、経済情勢(物価高への対応)、国際関係(特にウクライナ情勢)なども質問したいと考えていましたが、今回は質問を見送り、ソフト・ハードを織り交ぜた内容としました。見送った内容の一部は会派の仲間に託すとともに、あらゆる機会で指摘・要望等を行ってまいります。

 速報版(字句の最終確認前)ですが、質疑の全体像を掲載いたします。正式な議事録ではなく、インターネット録画中継から文字お越ししたやりとりとなっております。実際の発言は、今後作成される議事録とは異なる部分がございますので参考程度にご覧ください。 引き続き、粛々と職務に臨んでまいります。

 こちらをご覧いただければ、市民の皆様に選ばれた市長と、同じく市民の皆様に選ばれた議員が二元代表制の下、真摯に議論させていただいていることがご理解いただけると思います。
 質問は一括質問、一括答弁ですが、一問ずつ太字で市長の答弁を入れてあります。
 インターネットで動画をご視聴される場合は、私の発言時は細字だけご覧いただき、市長の発言時は頭に戻って太字だけご覧いただくようなスタイルでまとめてあります。
 
この間、質問の調整や調査にご協力いただきましたすべての市職員の方に感謝申し上げます。

横浜市会インターネット中継

自由民主党の磯部圭太です。
先の横浜市議会議員選挙において掲げたマニフェスト「よこはま自民党政策集『責任と約束』」に関連して、また、市政運営の重要課題について、市長並びに交通局長に、順次質問してまいります。

1 人口増に向けた考え方

はじめに、人口増に向けた考えについて、伺います。
戦後の復興期から一貫して増加してきた本市の人口も、令和3年、4年と2年連続で減少となりました。今に至る本市の発展は、先人たちのたゆまぬ努力と、現にお住まいである377万の市民の皆様によって支えられていますが、人口減少という時代の転換期を迎え、日本最大の基礎自治体である本市は、現状どのような危機感を持っているのか気になります。そこで、
本市の人口減少に対する、認識を伺います。

《答弁》就任から2年、地域に足を運ぶ中で、地域の担い手不足などを実感しました。いずれは市税収入減少につながり、市民サービスの維持等が困難になりかねないと危機感を抱いています。こうした課題に対応するため、財政ビジョン、中期計画、行政運営の基本方針を策定しました。今後、持続可能な市政運営に取り組んでいく決意です。

人口動態は、市外からの転入と転出の差である「社会増減」と、出生と死亡の差である「自然増減」によって表されます。令和4年中の本市の社会増減は、13,305人の増、一方、自然増減は15,739人の減、となりました。まずは、社会増減についてですが、本市の持続的な発展に向けては、これからも社会増を維持していくことが必要です。わが党のマニフェストに「若い世代が持ち家を取得できる」と掲げているように、若い世代も含めた市外からの転入者の獲得につながる、住宅の立地促進といった都市づくりの分野の取組が重要だと考えています。都市づくりに関しては、私も以前、都市計画マスタープランの改定検討に委員として携わってきましたが、その議論を通じて、これからの都市づくりの方向性として「転入者を増やしていく」という視点をしっかりともつことが、都市を経営する観点で、重要になると感じています。そこで、
若い世代をはじめとした転入者の増加に向けた都市づくりの方向性を伺います。

《答弁》高い交通利便性と豊かな自然を併せ持つ横浜の強みを生かしながら、都心臨海部におけるにぎわいの形成や郊外住宅地における生活利便施設の充実など、都市の魅力を高めてまいります。また、利便性の高い鉄道駅周辺における、住まいや働く場の誘導に向けた規制の緩和などにより、若い世代の方々の受入れ環境を更に充実させて、次世代からも選ばれる都市づくりを進めていきます。

社会増に向けた取組を続けることも必要ですが、わが党も取組を進めたいと考えている自然増、具体的には出生数の増加が重要となります。我が国の合計特殊出生率は、人口の維持に必要な水準を下回り続けており、少子化対策は待ったなしの課題です。本市においても、合計特殊出生率及び出生数は年を追うごとに減少しています。そのような中、我が党のマニフェストでは、「きめ細かい子育て支援を」を掲げ、切れ目のない、きめの細かい子ども・子育て政策を横浜独自で進めるとともに、国に対しても対応を求め、市内の出生率を高めることとしています。そこで、
市外からの転入促進に加え、出生数向上に向けた取組が必要であると考えますが、見解を伺います。

《答弁》「横浜で暮らしたい」と思っていただけるよう、子育て支援の取組や本市の魅力を市内外に発信する移住促進ウェブサイトを8月に新たに開設しました。また、小児医療費の無償化や保育所等での預かり施策の充実等、希望される方が安心して出産や育児ができる環境を整え、転入の促進はもちろん、出生数の増加にもつなげていきます。

出産・育児と長い期間がかかる子育てには、その段階に応じて複合的かつ様々な課題がありますが、その一つとして、出産の段階での経済的負担があげられます。国において、令和5年4月に出産育児一時金が従来の42万円から50万円に増額され、これにより、出産費用の基本的な部分の負担軽減が進みました。また、来年4月から出産費用の見える化を進め、全国の医療機関等の出産費用の実態が公表される予定です。さらに、こうした見える化における効果等の検証を行い、2026年度を目途に出産費用の保険適用化を含め、出産に関する支援等の更なる検討を進めるとしています。このように、国において、出産費用の負担軽減については、前向きに検討を進めていく動きが見られます。一方、本市においても、現在、市内の出産費用の実態把握に向けた調査を実施しており、市内分娩取扱い施設に対し、出産費用の内訳などを調査しています。そこで、
出産費用に関する調査の進捗状況と来年度の施策展開について、伺います。

《答弁》現在、市内分娩取扱施設向けの調査を行っており、その調査におきまして、標準的な入院日数における正常分娩に共通して必要となる費用について、施設ごとに確認を進めています。これに基づき、本市として出産にかかる基礎的費用を定義していきます。併せて、子育て世帯向けアンケート調査の結果も踏まえ、子育てしたいまちヨコハマを目指し、市会の皆様と議論しながら、来年度の施策展開を検討してまいります。

子どもを望む人が安心して出産できる環境を整えていただくことを期待すると共に、財源の裏打ちをしっかりと担保することを要望し、次の質問に移ります。

2 中学校給食

次に、中学校給食について、伺います。
中学校給食については、議会においても様々な議論を重ねてまいりましたが、中期計画の議決にあたっては、「生徒一人ひとりの状況に丁寧に対応することや、引き続き温かくより充実した給食を提供するための工夫を検討・努力すること」という附帯意見が付されています。特に、温かさとは、味覚に直結するものだと思いますので、生徒たちに喜ばれる給食を実現するために、欠かせない要素の一つです。そこで、
新しい中学校給食における温かさの工夫について、伺います。

《答弁》令和8年度より、汁物の提供方法を保温性食缶に切り替え、また、ご飯は保温材の改良などにより、より温かな状態で提供することを公募要件に盛り込みました。今後も、生徒の安全・安心を大前提として、更なるおいしさの改善に取り組んでまいります。

また、一人ひとりへの配慮についても、どのように対応していくのか気になるところです。例えばアレルギーについては、小学校を参考にすると全体の約2パーセントの生徒が、アレルギー対応が必要であると想定され、本市の規模でいうと1,600人程度の生徒が対象となります。また、体格差や運動量の違いによる食べる量の違いや、宗教上の理由で食べられない食材があるなど、これまでの選択制から全員給食へと移行する以上、様々な生徒に対する配慮についても、決して忘れてはいけません。そこで、
全員給食に向けた生徒一人ひとりへの配慮の取組について、伺います。

《答弁》令和8年度からは専用施設によるアレルギー代替食の提供を行います。主要8品目に対応する専用の献立を提供するものであり、本市のスケールメリットを生かした取組となります。また、量の調整の取組としては、ごはんのサイズを選べる仕組みや、欠席者分や予備食をおかわり用に活用することも検討しております。それでも足りない生徒に対しては、御家庭からの副食持参も検討してまいります。

我が党のマニフェストにおいても、全員給食の導入に向け、「温かくて美味しいと生徒が感じる、食べる量の違いを調整できる、アレルギー等に配慮する」等を掲げています。事業者公募の機会をとらえ、より良い給食の実現に向けて取り組んでいただきたいと思います。今回の事業者公募は、2区分で行われていますが、そのうち市有地を活用した公募は、新たに工場を新設し、15年間の給食の調理・配送を委託するものです。長期の契約となりますので、この15年の間には、「今では想像できない技術革新や状況の変化がある」ということを想定しておく必要があります。そこで、
事業者公募後も継続して改善を続けていく必要があると考えますが、見解を伺います。

《答弁》市有地を活用した事業スキームは、新設した工場を活用して、15年間にわたり継続的に給食を製造するとともに、アレルギー対応や温かさの工夫など、新たな取組を検討・実施する拠点施設として位置付けてまいります。献立などは改善を続けるとともに、技術革新などには柔軟に対応しながら、よりおいしい給食を提供していきたいと考えております。

「より生徒たちに喜ばれる給食」を実現するためにも、給食の質の向上や、一人ひとりへの配慮は、必ず実現していかなければなりません。本市の中学校給食が、令和8年度以降も継続して改善されていくことを要望し、次の質問に移ります。

3 歯科口腔保健の推進

次に、歯科口腔保健の推進について、伺います。
先日、島村大参議院議員がご逝去されました。島村先生は、歯科医師として、自らの治療経験を踏まえ、「口腔の健康は全身の健康につながる」と、主張され、歯科口腔保健の推進にご尽力いただきました。本市では、平成31年に議員提案で「歯科口腔保健の推進に関する条例」が制定されました。この条例に基づいて策定される「歯科口腔保健推進計画」については、昨年私が質問した際に、本市における総合的な健康づくりの指針である「健康横浜21」と一体的に策定していくとの答弁がありました。そこで、
歯科口腔保健推進計画を健康横浜21と一体的に策定することの意義について、伺います。

《答弁》歯と口は、生活の質や心身の健康を保つ基礎であり、近年では、歯と口の健康が全身の健康につながることが明らかとなっております。そのため、健康寿命の延伸という共通の目標を掲げ、一体的に策定し、関連する取組につきまして、関係者が横断的に取り組むことで市民の健康づくりが一層充実すると考えております。

健康寿命の延伸や生活の質の向上に重要な役割を果たす歯と口の健康の維持向上を目指す条例の目的を鑑みても、健康づくりの関連計画と一体的に計画を策定することは重要であると考えます。そこで、
「歯科口腔保健の推進に関する条例」を踏まえた今後の歯科口腔保健推進の方向性について、伺います。

《答弁》市民の皆様の主体的な歯と口腔の健康づくりに関する取組を推進し、健康寿命の延伸につなげるために、関係機関・団体等と連携をしながら、各ライフステージや対象者の特徴に応じた施策を展開いたします。また、現状を把握し、確かな医学根拠に基づく知識や情報を市民の皆様に発信し、歯科疾患の予防や口腔機能の維持向上に向けた取組を推進していきます。

歯科医師会をはじめとした関係団体や関係者とよく連携し、歯科口腔保健推進施策を進めていただくことを要望し、次の質問に移ります。

4 市営交通の経営の方向性

次に、市営交通の経営の方向性について、伺います。
昨今の物価上昇やコロナの影響に伴う移動需要の減少などにより、市営交通に限らず、交通事業者は経営上も大きな打撃を受け、今も回復していません。こうした状況の中、交通局においては、これまでの中期経営計画が令和4年度で終了しており、新たな中期経営計画を策定し、アフターコロナにおける市営交通の経営の方向性を明らかにしていく必要があると考えています。この新たな中期経営計画を策定していくにあたって、交通局では、昨年、附属機関として、「横浜 市営交通 経営審議会」を設置し、外部の有識者からも意見を聞きながら検討を進め、本年5月には、この審議会から答申も受領しています。そこで、
横浜市営交通経営審議会からの答申はどのような内容であったのか、交通局長に伺います。

《答弁》施設の老朽化対策や災害対策などを計画的に実施することや、人材の確保・育成に向けた取組を強化すること、さらには、脱炭素やバリアフリーといった社会的要請への対応など、今後、取り組むべき事業の方向性について御提言を頂きました。そのためには、最大限の企業努力によって、安定した経営基盤を構築することが不可欠であるとの御意見を頂いております。

この審議会からの答申を踏まえ、交通局では新たな中期経営計画の策定作業を進めているところだと思いますが、
今後の市営交通事業の持続可能な経営に向けた考え方について、交通局長に伺います。

《答弁》市民生活を支える交通サービスを安定的に維持していくため、安全性の更なる向上に取り組むとともに、地方公営企業として、脱炭素などの取組も積極的に進めていく必要があると考えています。不安定な社会経済情勢の中でも、これらを確実に実施するため、これまでの発想から脱却し、徹底したコスト抑制と増収に努めることで、市営交通の役割を果たし続けていきたいと考えています。

生活様式の変化や少子高齢化・人口減少社会の進展などによって、市営交通の経営は今後も厳しい状況が続くと想定されますが、引き続き市民生活を支え続けていただくと同時に、激甚化する災害への対応や、昨今の社会状況を踏まえた車内の安全対策など、安全の確保も極めて重要と考えますので、こうした事業を実施していくためにも、持続可能な経営をしっかりと維持できるよう取組を進めていただくことを要望し、次の質問に移ります。

5 誰もが暮らしやすい地域交通の実現 

次に、誰もが暮らしやすい地域交通の実現について、伺います。
社会情勢が大きく変化する中、市民生活に直結する移動手段の確保は早急に取り組まねばならないという認識は誰もが一致するところです。地域交通は、バスなどの根幹となる既存の交通ネットワークが維持・充実されることが前提に成り立つと考えています。しかし、先ほども述べたとおり、新型コロナの影響、社会情勢の変化による燃料費を含む物価高騰、また慢性的なドライバーの担い手不足に加え、そのドライバーの働き方の改善による運行計画への影響が指摘される「いわゆる2024年問題」、さらには人口減少による将来的な需要減少など、バス事業を取り巻く経営環境は厳しさを増しています。その様な中、各バス事業者は、運賃などはそのままに、設備投資の時期を調整するなど、公共交通としてのサービスを何とか維持しようと経営努力をしています。場合によっては便数を調整せざるを得ない路線もあり、暑い中でバスを長い時間待たされているお年寄りを見かけ、心配になりました。きめ細かい地域交通どころか、現状維持もままならない状況です。そこで、
地域交通の根幹となるバス路線の維持・充実に向けた取組について、伺います。

《答弁》これまで、市内の生活交通として必要なバス路線の維持やリアルタイムな運行情報提供システムの導入に向け、バス事業者に対し財政的な支援を行ってきました。今後は、これらの取組に加え、運行の効率化に向けたバス事業者による連節バスの導入に合わせ、走行環境の整備を進めるなど、ハード・ソフト両面からバス路線の維持・充実に向けた取組を推進していきます。

一方で、本市の特徴として住宅地内の道が狭いことや路線バスを新設するほどの需要が見込めないなど、路線バスだけではカバーできない地域が数多く点在しています。こういった地域における移動ニーズは益々高まっていくため、バス路線の維持・充実に加え、新たな移動手段の導入を早急に進め、地域交通の充実を図っていく必要があります。昨年度から市内各地で地域交通の実証実験を進めていますが、この実験を通じて利用者ニーズなどをしっかりと分析することにより、地域に根差した交通サービスとしていくことが重要と考えます。そこで、
地域の実状に応じた地域交通の実現に向け、どのように取り組んでいくのか、伺います。

《答弁》本市は、人口密度、地形、生活関連施設の立地状況など地域特性が多様であり、地域ごとに適した移動サービスが異なるため、タクシーの相乗りなど様々なタイプの実証実験を行い、利用状況などの検証を進めています。今後は、実証実験の成果や事業者との関係性を生かし、行政が今まで以上に積極的に関与することで、地域の実情に合った地域交通の実現を目指します。

わが党のマニフェストでは「横浜の足腰を強くする地域交通」を掲げています。誰もが買い物や病院、駅へのアクセスなど、日常生活を快適に送れるまちになることを期待し、次の質問へ移ります。

6 地域で暮らす高齢者等の支援

次に、地域で暮らす高齢者等の支援について、伺います。
2020年の国勢調査では、65歳以上の単身高齢者世帯は672万世帯と、この20年間で倍増しています。そうした中、これまで家族や親族があたり前のように担ってきた、高齢者の身の回りの支援や、亡くなられた後の葬儀や財産処分などを担う人がいない、といった、いわゆる「身寄りのない高齢者への支援」の問題が課題となっています。現在、医療機関や高齢者施設の現場では、ケアマネジャーや職員などが本来の職務範囲を超え、こうした課題への対応を、いわばシャドーワークとして担っており、大きな負担となっています。また、身寄りのない高齢者の身元保証等を行う民間事業者もありますが、現在はこれを監督する制度もなく、消費者トラブルが生じているという話も聞きます。こうした状況を大きな課題ととらえ、わが党の坂井学衆議院議員が本年5月の衆議院予算委員会において、この問題を提起し、岸田総理は「厚生労働省を中心に、まず実態把握や課題の整理を行い、その結果を踏まえて、政府として必要な対策を講じる」と述べられました。国の動きに先んじて、高齢化が進んだ市内の団地で、家族が全面的に支援することを前提としない仕組みとはどうあるべきなのか、といったことをテーマに実証実験を始めた団体があると聞いています。全国的には、身寄りのない高齢者に対する支援に取り組んでいる例もあり、本市としてもこの問題に取り組んでいくべきと考えます。そこで、
身寄りのない高齢者の支援に対する課題認識について、伺います。

《答弁》本市でも一人暮らしの高齢者は年々増加しており、今後、御家族の支援を受けられない身寄りのない高齢者も増えてくると想定しています。例えば、入院入所時の身元保証やお亡くなりになった後の手続等の課題が更に顕在化してくるものと考えています。現在、健康福祉局でプロジェクトを立ち上げ、モデル事業に取り組む民間団体の御意見も伺いながら、行政が担う役割等について検討を進めています。

地域において、配慮が必要な高齢者に対する支援については、この課題に限らず、災害時における避難をどう支援していくのか、といった課題もあります。9月1日で関東大震災から100年を迎え、様々なメディアで話題が取り上げられ、本市でも関連イベントが開催されています。昨今は、夏は最高気温が35度を超える猛暑日が続いたり、線状降水帯やゲリラ豪雨のような大規模風水害に見舞われたりすることが増えています。地震のほか、風水害に対しても市民の防災意識が高まっています。わが党のマニフェストでは、「要援護者の避難支援」を掲げています。要援護者は、最近の風水害でも被災される割合が多く、特に逃げ遅れる可能性が高いとされています。こうした事態を受け、国は、令和3年5月に災害対策基本法を改正し、災害時要援護者ごとに避難支援等を実施するための「個別避難計画」の作成を市町村の努力義務としました。本市では、令和4年度に鶴見区・港北区の一部でモデル事業を実施しました。そこで、
個別避難計画の令和5年度の取組の方向性について、伺います。

《答弁》令和5年度は、昨年度モデル事業を実施した鶴見区と港北区に加え、南区、保土ケ谷区、戸塚区の洪水浸水想定区域等に拡大します。計画作成に当たっては、対象となる方々の同意を得た上で、要介護度や生活状況等を考慮し、担当のケアマネジャー等が御本人と作成を進めていきます。着実に要援護者の方が避難できるよう、実効性のある計画を作成していきます。

個別避難計画は、作成して終わりではありません。作成に協力していただくケアマネジャー等の負担軽減や効率化も図りながら、着実に要援護者の方が避難できるような実効性のある計画の作成、地域全体で包括的に見守りすることのできる体制構築を要望し、次の質問に移ります。

7 2040年に向けた医療提供体制

次に、2040年に向けた医療提供体制について、伺います。
2025年には、団塊の世代の方々が75歳以上となられます。その先の2040年には、いわゆる団塊ジュニアの世代が65歳以上の高齢者となる時代を迎え、さらなる高齢化の進展により、医療に対する需要は、ますます増加することが予想されます。本市では、これまで、市民病院をはじめとする市立病院や市立大学附属病院のほか、方面別に地域中核病院を整備するなど、本市独自に医療提供体制を構築し、救急医療や高度な医療の充実を図ってきました。今後、こうした医療の基盤を活かしつつ、生産年齢人口の減少や、将来の医療需要の増加に対応していく必要があります。そこで、
医療提供体制の構築に向けた施策の方向性について、伺います。

《答弁》本市の75歳以上人口は、2020年から2040年にかけて32%増加し、それに伴い医療需要も増加が予測されております。これを踏まえ、不足が見込まれる病床や医療従事者の確保、地域包括ケアシステムの推進等について、データを活用しつつ取組を進めてまいります。また、死亡原因の第1位である「がん」への対策や需要が増加する救急医療に重点的に取り組んでまいります。

また、75歳以上の人口が増加する中、将来的に市内の病床が不足するのであるならば、市民の皆さんが安心して医療が受けられるよう、病床の整備も課題となります。そこで、
病床確保の取組の方向性について、伺います。

《答弁》今後の高齢化の進展に伴って増加が見込まれる医療需要に対しては、まず、現在、約28,000床ある市内病院の病床を最大限に活用していきます。その上で、将来に向けて必要となる病床については、市内病院の病床利用率や平均在院日数等を踏まえつつ、市病院協会や市医師会などの医療関係者とも協議しながら整備を進め、市民の皆様の医療需要に応えてまいります。

市民の皆さまが、健康で安心して生活することができる社会の実現を目指し、引き続き、医療の充実に取り組んでいただくことを期待し、次の質問に移ります。

8 三ツ沢公園の再整備

次に、三ツ沢公園の再整備について、伺います。
現在のニッパツ三ツ沢球技場は、1964年の東京オリンピックでサッカーの会場として使用された歴史のある球技場ですが、施設の老朽化が進んでいるほか、屋根がないなど、様々な課題があり、わが党としても、これまでもたびたび市会で質問をしてまいりました。このような中、昨年6月、市は新たな球技場の建設を含む三ツ沢公園全体の再整備の構想案を打ち出しました。また、同年10月には、新球技場の建設・寄附提案がありました。本年の6月にはその建設・寄附提案が取り下げられましたが、三ツ沢公園の再整備の必要性が変わるわけではありません。そこで、
球技場の建設を含む三ツ沢公園の再整備は継続して検討することに変わりはないのか、伺います。

《答弁》昨年12月に公表した三ツ沢公園再整備基本構想案は、球技場をはじめ老朽化した公園施設への対応や魅力ある公園全体の再整備に向けて、市民意見募集なども行いながらとりまとめたものです。この基本構想案に基づき、引き続き公園の再整備に向けた検討を進めていきます。

今後、新たな球技場を検討するにあたっては、基本構想の中で述べている公民連携の取組は不可欠です。民間企業が事業に関心を持っていただくためにも、事業着手時期を明確にするなど、改めて市の姿勢をはっきりと示すことが必要と考えます。そこで、
球技場の再整備に対する市の姿勢をはっきりと示すべきと考えますが、見解を伺います。

《答弁》基本構想案において、検討の方向性として公民連携の取組を最大限推進することとしています。球技場の再整備には民間企業との連携が欠かせません。今後、サウンディング調査などを活用しながら、民間企業の参画意向などを把握し検討を進め、できるだけ早期に事業手法をとりまとめていきたいと考えています。

今年度は新たに、「にぎわいスポーツ文化局」が設置されました。スポーツと文化を合わせ、様々な効果も生まれてきていると考えます。「にぎわいスポーツ文化局」「都市整備局」「建築局」などを本検討に含めれば、よりスピード感をもった事業進捗が期待できます。早期に再整備に着手できるよう、市長のかじ取りに期待します。また、三ツ沢公園には、多くの市民が訪れており、桜山や青少年野外活動センターといった市民に親しまれてきた施設もあります。合わせて、周辺には住宅地が隣接していることから、周辺環境にしっかりと配慮する必要もあります。引き続き、市民に愛され、次世代に誇れる三ツ沢公園となるよう要望し、次の質問に移ります。

9 神奈川東部方面線沿線のまちづくり

次に、神奈川東部方面線沿線のまちづくりについて、伺います。
相鉄・東急直通線が本年3月18日に開業したことにより、2010年の着工から実に13年の歳月を経て、神奈川東部方面線が全線開通しました。これにより、神奈川県央部や横浜市西部と東京都心部が直結され、沿線の利便性は格段に高まりました。さらに、相鉄線沿線では、商業施設のリニューアルやマンションなどの住宅開発の兆しもあり、まちの活性化に大きく貢献していると実感しています。相鉄線を含めた8社局17路線が直結し、首都圏の主要な駅とのアクセス性が向上することにより、沿線価値の高まりが期待されるところです。そこで、
神奈川東部方面線の全線開通に対する所感について、伺います。

《答弁》東京都心や新幹線へのアクセスが向上し、多くの方に利用されており、新横浜をはじめ、沿線地域のポテンシャルが高まったと認識しております。また、相鉄線沿線で開催されるGREEN×EXPO 2027においても重要なアクセス手段になるなど、全国の多くの方が横浜を訪れ、本市の魅力に触れていただく機会を創出するものと期待をしております。

羽沢横浜国大駅周辺の羽沢地区は、新横浜都心整備基本構想において、新横浜都心エリアの一つとして位置づけられており、駅前の基盤整備や商業・業務機能の集積、流通機能の維持など、計画的な市街地開発を促進するとともに、周辺の農地、樹林地などの恵まれた自然的環境と共生する地域とされています。現在、駅前で行われている土地区画整理事業では、都市型住宅や商業施設の整備と合わせ、広場やプロムナードなど、駅前にふさわしい施設の整備が進められています。一方で、駅周辺では基盤整備や開発の余地がまだまだあり、環状2号線沿いの新線整備という契機を活かし、羽沢地区のまちがこれから発展していくことが期待できます。そこで、
これからの羽沢地区のまちづくりにどのように取り組んでいくのか、伺います。

《答弁》羽沢地区は、市街化調整区域が広がり、休耕地などの土地が点在しており、新線が整備されたことを契機にまちづくりを進めていくべきと考えています。そのため、羽沢横浜国大駅を起点として、周辺の地権者の意向を確認した上で、土地の有効利用や道路などの基盤整備の検討を進めるなど、地域の特性を生かしたバランスのあるまちづくりに取り組んでまいります。

西谷駅については、東京都心方面と横浜駅方面の分岐駅となっており、東部方面線の開通に合わせて全ての列車が停車するなど、新線整備のポテンシャルを生かしたまちづくりが期待されています。西谷の駅舎は昭和40年代に建設されたものであり、現在では老朽化も進み、バリアフリー動線も駅北側に限定されているなど、駅を中心に早期に改善すべき箇所が多く見受けられます。そこで、
西谷駅の改良など、駅を中心にしっかりと都市基盤施設を整備していくことが必要と考えますが、見解を伺います。

《答弁》老朽化やバリアフリーなどの課題解決に向け、現在、相模鉄道と駅舎の改良に向けた検討を進めております。また、駅周辺についても、バスやタクシーとの乗換機能の改善や、安全で快適な歩行者空間の確保など、利便性、安全性の向上が図られるよう、地域の方々や関係者の皆さま方と連携しながら、積極的に取り組んでまいります。

神奈川東部方面線の全線開業は、横浜市内にとどまらず、首都圏広域にわたり絶大な効果をもたらすことが期待されます。この絶好の契機を逃すことなく、地域と一体となって沿線のまちづくりを推し進め、本市がさらなる発展を遂げることを期待し、次の質問に移ります。

10 建設業の働き方改革に向けた取組

次に、建設業の働き方改革に向けた取組について、伺います。
公共施設やインフラなどは、市民生活及び経済活動の基盤となる社会資本であり、それを整備する公共工事においては、現在及び将来の市民のためにその品質が確保されなければなりません。しかし、その担い手となる建設業においては、人口減少及び少子高齢化による労働力の減少を背景に、労働時間が長くきついという職場環境のイメージなどが先行し、若手職員の職場離れ、就労者の高齢化が進行しており、建設業界の働き方改革は喫緊の課題となっています。来年4月からは、建設業においても、残業時間の上限規制が導入されます。働き方改革の推進は待ったなしの状況であり、更なる取組が必要です。中期計画においては、建設業の働き方改革に向けた政策指標として、本市発注工事の平準化率を令和7年度までに0.80、施策指標として週休2日制確保適用工事の発注率を令和7年度までに1.0とした目標値を掲げ、取組を推進しています。そこで
建設業の働き方改革に向けた本市の姿勢について、伺います。

《答弁》令和6年4月からの建設業の残業規制が目前に迫っており、働き方改革への対応は、公共事業の発注者としても喫緊な課題と受け止めております。中期計画に掲げた平準化率0.8の目標達成について、前倒しで令和6年度の達成を目指すとともに、週休2日制につきましても、令和6年度は全工事対象とするなど、働き方改革の取組を充実させていきます。

全市として目標値を達成することも重要ですが、具体の発注工事において、その効果がしっかりと発揮されることも必要となります。これまで多くの建設業関係者の方々からお話を伺ってきましたが、その中の一例として、本市発注の建築工事及びこれに付帯する設備工事においては、年度末が竣工期限となっている工事の割合が非常に高いと聞いています。年度末に工事の作業が集中し、残業や休日出勤が必要になるなど、非常に繁忙となる状況も、職人の確保が難しくなる、あるいは若手の労働者が建設関係業界への就労を敬遠する一因となっており、これらの視点からの取組も進めていく必要があります。そこで、
公共建築工事における工期の平準化の進め方について、伺います。

《答弁》施設運営への影響に配慮しながら、発注時期を分散して、年度をまたぐ工事を増やすなどにより、年度末に竣工期限が集中しないよう、引き続き取り組んでまいります。今年度から、長寿命化対策事業などで、比較的工期の短い維持保全工事についても、年度をまたぐ工事を導入して、平準化の取組を更に強化してまいります。

健全で安全に就労できる職場環境を、未来を見据えて整えていくことは、建設業の将来の発展において重要です。そのために、公共工事においては率先して、現場の状況を多方面から把握し、実情に沿ったより一層の取組を、進めていただきたいと思います。一方、地元建設業界からは、民間工事を請け負うと週休2日制の取組が浸透していないといった声を伺い、民間発注の工事についてはまだまだ週休2日が定着していないのではないかと思います。民間発注工事への週休2日の普及に向かっての一つの手段として、例えば高齢者施設整備など、本市の予算を活用した工事から週休2日を確保していくべきではないかと考えます。そこで、
本市の補助金を活用した事業についても、週休2日などを積極的に推進していくべきと考えますが、見解を伺います。

《答弁》民間工事にも週休2日を普及していくため、本市補助金を活用した事業においても、週休2日を進めていくことは必要であると考えています。特別養護老人ホームや保育所などを整備する事業者などに対し、週休2日を確保した工期の設定について、協力を要請していきます。

将来を見据え、本市の公共工事発注関係者が一丸となって建設業の働き方改革に取り組んでいただくことを要望します。また、昨今の猛暑により、建設現場においても暑さ対策として、熱中症警戒アラートや暑さ指数に応じて工事を中断しなくてはならない事態が多発していると聞いています。熱中症対策も働き方改革の一環として、来年度の予算への反映など、しっかりと対応していただくことを重ねて要望し、次の質問に移ります。

11 横浜のにぎわい創出 

次に、横浜のにぎわい創出について、伺います。
この夏は、久しぶりに本格的な賑わいが戻ってきました。8月に開催されたポケモンワールドチャンピオンシップス2023及びポケモンWCS2023横浜みなとみらいイベントでは、みなとみらいを中心に、街なかに多くのポケモンがあふれ、様々な来街者で大変な賑わいでした。海外からも多くの来訪があり、本市のインバウンドにも寄与したと思います。今回のイベントは、2014年の「ピカチュウ大量発生チュウ!」の横浜開催にあたって、我が党の古川直季衆議院議員が横浜市会議員時代に尽力され、本市とポケモン社との連携協定が締結されたことなどがベースとなっています。コロナ禍からの力強い回復に向け、より一層、こうした大規模集客イベントと連携した取組が求められると考えます。そこで、
ポケモンイベントの開催実績と大規模集客イベント誘致の考え方について、見解を伺います。

《答弁》前回の令和元年度の開催と比べまして、54万人増の約230万人もの方々が国内外から御来場され、街に大きなにぎわいが生まれました。また、国内メディアでの露出効果は約16億円にのぼると推計され、魅力を広く発信することができました。今後も大規模集客イベントを積極的に誘致し、来街者の市内への宿泊や回遊促進を図っていくことで、更なるにぎわいを創出して、市内経済の活性化につなげて参ります。

こうした大規模集客イベントの実施には会場が必要ですが、ここ数年、みなとみらいエリアを中心に、ぴあアリーナMM、ビルボードライブ横浜など、ライブエンタテインメントに適した様々な会場の新設が相次いでいます。9月29日には、いよいよ2万人規模のKアリーナ横浜が開業し、大きなインパクトが期待されるなか、こうした来場者に、しっかり街を回遊していただき、新たな活力につなげていくことが必要と考えます。そこで、
Kアリーナ横浜の開業を契機に、更なるにぎわいの創出に向け、積極的に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。

《答弁》Kアリーナ横浜は世界最大級の音楽に特化した施設であり、公演をきっかけに初めて横浜を訪れるなど、国内外から多くの来館者が見込まれ、市の魅力を発信する絶好の機会となります。公演の主催者等と有機的に連携し、商業施設・観光施設等とのコラボレーションによる商品の企画や街中への回遊キャンペーンの展開等を積極的に進めることで、にぎわいを創出していきます。

令和4年第3回定例会で、我が党の山田議員から「みなとみらいの音楽インフラを活かし、大型の都市型音楽フェスを積極的に主催又は誘致するべき」と質問し、市長からは「事業者との連携を一層強化し、にぎわいの創出や来場者の回遊につながるフェスティバルなどの事業を検討していく」と答弁がありました。このように、横浜の強みを活かし、都市のブランディングにつなげるためには、これらの音楽施設と公共空間を一体的に活用し、街全体がライブエンタテインメントで盛り上がるような、発信力のあるフェスティバルを開催することが効果的と考えます。またその際には、コアなファンだけではなく、多くの市民の方々や来街者の方々が広く楽しめることが重要だと考えます。インパクトのあるフェスティバルを企画していただくことを要望します。さて、インパクトのある取組といえば、先日、歴史的資源の新たな活用の一環として「三溪園での宿泊」を行うことが記者発表されました。お茶会や結婚式等に活用してきましたが、宿泊体験は実施したことがなく、日本庭園としての魅力や価値を最大限に生かした取組には、大いに期待するところです。今後本格的に活用を図っていくためには、運営面など事業上の課題に加え、文化財保護や都市計画上の観点から、様々な課題があるとも聞いています。そこで、
三溪園をより一層魅力的な観光コンテンツにしていくため、規制緩和も視野に入れ、活用の幅を広げる必要があると考えますが、見解を伺います。

《答弁》現状、三溪園では、本格的な宿泊サービスの提供や飲食店の立地が原則できません。しかし、インバウンドを含む観光客をこれまで以上に獲得していくためには、三溪園が持つポテンシャルを最大限に生かして、新たな活用を通じて体験価値を高めることが不可欠です。そのため、規制緩和も含め、活用に当たっての様々な課題の解決に向けて、全庁一丸となって取り組んでいきます。

新たな体験コンテンツの導入は、新たな観光客の獲得や来園していただいた方の満足度向上につながるものです。様々なハードルもあると思いますが、早期に実現することを期待し、次の質問に移ります。

12 GXとGREEN×EXPO2027の推進 

次に、GXとGREEN×EXPO2027の推進について、伺います。
国際園芸博覧会「GREEN×EXPO2027」の開催に向けては、略称ロゴが制作され、ポスター掲示や工事看板への掲出など、広報PRが進んでおり、開催に向けた機運が高まってきていると感じています。地球環境に転じると、欧米やアジアで気温が50℃を超える日が出ており、日本においては6月から8月の夏の平均気温が、1898年の統計開始以来最高を記録しました。令和3年度に、我が党が中心となって提案した「脱炭素社会推進条例」が制定され、ゼロカーボンシティの実現に向けた様々な取組が進んでいますが、更なる推進が必要と考えます。GREEN×EXPO2027は、あらためて地球環境を考える機会として、テーマ性をもって開催することが重要だと考えます。そこで、
地球環境を踏まえたGREEN×EXPO 2027にかける意気込みについて、伺います。

《答弁》地球沸騰化ともいえる時代が到来しており、2050年のZeroCarbonYokohama達成に向けた取組が重要です。昨年のCOPでも議論になりました自然を基盤とする解決策NatureBasedSolutionsを提示しながら、社会全体の理解促進や行動変容につながるような新しいグリーン万博を展開し、国内外に発信ならびに共有していきます。さらに、万博の取組をレガシーとして継承していくため、次世代を担う市民や学生、そして企業の皆様とともに、脱炭素、GXの取組を一緒に考えながら、GREEN×EXPO 2027を創りあげていきます。

GREEN×EXPO2027の開催まであと4年を切っています。博覧会を成功させるためには、市役所が一丸となって、市民・地域・企業など、様々な主体を巻き込み、本市全体の機運を盛り上げていくことが重要です。令和7年に万博の開催を控える大阪府市では、地域や経済界、国と連携しながら万博の準備を進めるため、「万博推進局」を設置していますが、本市でも、GREEN×EXPO2027を確実に成功させるためには、組織体制の強化が必要と考えます。そこで、
GXの推進とGREEN×EXPO2027の成功に向け、強力に事業を推進していくための組織が必要と考えますが、見解を伺います。

《答弁》今年の8月に、脱炭素、GXとGREEN×EXPO 2027に向けた取組を一体的に推進していくため、局横断的な推進体制を設置し、関係部署を一カ所に集約することにいたしました。GXとGREEN×EXPO 2027の機運を共に高め、市役所が一丸となって取り組んでいくために、現体制の検証の行いながら、局の設置も視野に入れた上で、しっかりと検討してまいります。

博覧会は、本市の魅力を発信する絶好の機会です。成功に向け、本市が一丸となって取り組むため、組織体制の強化をしっかりと図っていただくことを要望し、次の質問に移ります。

13 緑豊かなGREEN×EXPO2027の会場

次に、緑豊かなGREEN×EXPO 2027の会場について、伺います。
GREEN×EXPO 2027は、圧倒的な花と緑で多くの人々を魅了しながら、上瀬谷らしい緑豊かな会場で開催することに大きな意義があります。来場された方々に緑豊かな環境を実感していただくためには、多くの木々に囲まれた空間が必要ですが、樹木の生育には一定の時間も必要です。樹木については、博覧会協会だけでなく、将来の公園を見据えたなかで、会場の基盤を支える公園整備を担う本市の役割が大きいと考えています。そこで、
緑豊かなGREEN×EXPO 2027の会場の整備に向け、公園整備においても確実に樹木を調達し、早期に植栽していく必要があると考えますが、見解を伺います。

《答弁》現地で移植等により活用する既存の樹木に加え、過年度から調達を進めてきた新たな樹木を用いて、年内には整備工事に着手します。GREEN×EXPO 2027の成功に向けて、引き続き、必要な樹木の調達や植栽を着実に行い、緑豊かな空間づくりを進めていきます。

GREEN×EXPO2027の基盤であり、レガシーともなる、次世代に継承していく公園として、しっかりと予算を確保して整備を進めていただくことを要望し、次の質問に移ります。

14 都市農業の推進

次に、都市農業の推進について、伺います。
平成26年に我が党が中心となり、「地産地消推進条例」を制定し、都市農業を重要な政策の一つとして推進してきました。わが党のマニフェストにおいて、観光と農を結びつけ、「観光農園を普及させて「農」による横浜の新たな魅力の発信」を掲げています。今年春頃、市内の直売所を訪れてイチゴを購入したところ、その美味しさに感動したところです。その直売所は摘み取り園も併設しており、多くの子ども連れで賑わっていました。家族連れが楽しんでいる姿を見て、その人気の高さを実感し、観光資源としても、非常に大きなポテンシャルがあると感じたところです。こうした農園は収益性が高く、農家の農業経営の観点からもプラスに働くと考えます。先日公開された横浜移住サイトのなかでも「身近な農」が取り上げられていました。そこで、
農の魅力を生かすことで、横浜の魅力をさらに向上させることができると考えますが、見解を伺います。

《答弁》大都市でありながら自然豊かな農景観が広がり、直売所や農体験を通じて地域の交流が生まれ、採れたての農作物が食べられるなど、豊かなくらしを実感できることが農を通じた横浜の魅力だと考えています。また、近年、収穫体験農園に多くの家族連れが訪れるなど、にぎわいの場にもなっています。このような横浜の魅力につながる農の取組を一層推進していきます。

農に触れる機会を充実させることで都市と農が共生するまちの実現につながると考えます。頑張っている農家を応援するためにも、市としてしっかりと取組を推進していただくことを要望し、次の質問に移ります。

15 横浜みどりアップ計画

次に、横浜みどりアップ計画について、伺います。
横浜みどりアップ計画は、現在は3期目の計画の5年目であり、計画開始後15年間取組を継続してきました。土地所有者やボランティアをはじめとした、さまざまな方々のご協力によって緑を  保全・創出し、大都市ながらも暮らしの身近な場所に多様な緑がある横浜ならではの魅力を築いてきました。そこで、
これまでのみどりアップ計画の成果について、所感を伺います。

《答弁》1,050ヘクタールの樹林地を緑地保全制度により保全するとともに、市民の皆様が散策等で利用できる市民の森を16か所、農体験の場となる市民農園などを310か所開設しました。みどりアップ計画に基づく取組を市民の皆様とともに進めてきたことで着実に成果がでていると考えています。

現在のみどりアップ計画は今年度で最終年次となります。令和6年度以降の取組については、令和4年第4回定例会で、「これからの緑の取組」(素案)が報告され、これまで原案策定に向けて取り組んできています。そこで、
素案から原案策定に向け、どのような視点で検討しているのか、伺います。

《答弁》市民の皆様とともに守り、育んできた緑を未来に引き継いでいくためには、継続して緑の保全・創出に取り組むことが必要です。さらに、保全・創出した緑を良好に育み、一層の活用を進めることで、緑とともにある豊かな暮らしを市民の皆様がこれまで以上に実感できるよう、検討を進めてきました。

計画を実行に移すためには、財源をどのように確保していくかが重要です。これまでのみどりアップ計画は、市民の皆様にご負担いただいているみどり税を財源の一部として活用することにより、実効性の高い取組となっていました。現行のみどり税の課税期間は令和5年度までであり、今後のあり方については、十分に議論を行う必要があると考えます。そこで、
令和6年度以降の横浜みどり税の取扱いについて、どのように考えているのか、伺います。

《答弁》都市化が進む本市において、樹林地の買取りをはじめとした緑の保全・創出の取組を実施するには、安定した財源の確保が欠かせません。その財源としての横浜みどり税については、これからの緑の取組原案をもとに、市会の皆様の御意見を伺うとともに、横浜市税制調査会にも横浜みどり税を含めた財源の在り方について答申を頂き、検討していきます。

横浜は、多くの人口を抱える大都市でありながら、豊かな森や美しい農景観が残り、また、まちなかでは緑や花に彩られた魅力的な空間がつくられており、こうした市民にとって身近な緑が、市民の暮らしを支え、豊かにする存在となっています。未来の子どもたちに緑をしっかりと引き継いでいくためにも、引き続き緑の取組を進めていただくことを要望し、次の質問に移ります。

16 横浜DXを推進する創発・共創の取組について 

次に、横浜DXを推進する創発・共創の取組について、伺います。
本市は、横浜DX戦略の重点的な取組として、行政や地域の課題と、企業等が有するデジタル技術をマッチングする仕組み「YOKOHAMA Hack!」を昨年7月に立ち上げました。現在、防災や子育てのほか、地域や都市などの様々なテーマで取組が進んでいます。また、これまで企業の方々には、デジタル技術の有効性を確かめる実証実験への参加や、具体的な解決策となるアイデアや製品・サービスについての提案を多くいただいていると聞いています。そこで、
「YOKOHAMA Hack!」に取り組んできたこれまでの実績について、伺います。

《答弁》この1年弱で登録メンバーが430名を超え、創発・共創による課題解決の基盤が整いました。計166社の企業の皆様方には、現場から示された16のテーマへのデジタル技術の提案やアイデアを複数企業で出し合うワーキングなどに御参加いただいております。このプラットフォームによるオープンイノベーションの活性化の確かな手ごたえを感じております。

「YOKOHAMA Hack!」では、これまでに6件の実証実験に着手していると聞いています。特に、災害時に避難が困難となる老人ホームなどの避難確保計画をシステム化することで、作成や管理に係る効率を高める実証実験や、河川の土砂堆積の状況を航空写真のAI解析などによって把握し土砂撤去工事を計画的に行うことで河川の氾濫リスクを低くする実証実験は、災害が多発する昨今、テレビやネットのニュースでも取り上げられ、注目を集めています。そこで、
実証実験を経て実装に入る取組の状況について、伺います。

《答弁》避難確保計画の作成では、作業時間の41%短縮や施設管理者の防災知識の向上などの成果を踏まえ、年内のシステム稼働を目指しています。河川の土砂堆積の把握では、今月末にまとまる実証実験の成果を踏まえ、AI画像解析等のデジタル技術を来年度に導入する準備を進めます。今後も、市民生活の安全・安心につながる社会課題などを企業の皆様との創発・共創により解決していきます。

「YOKOHAMA Hack!」の実証実験等で生まれた解決策は、本市の課題解決にとどまらず、幅広く応用することができると考えます。参加した企業の方々にもさらなるメリットを感じていただき、より多くの企業を呼び込む好循環をつくることになります。そこで、
他自治体への展開を見据えた成果の活用が必要と考えますが、見解を伺います。

《答弁》防災などのテーマは全国共通の行政課題であり、既にYOKOHAMA Hack!の取組を報道で知った自治体から本市や実施事業者に多くの問い合わせをいただいております。都心部、郊外部など多様性のある大規模な基礎自治体である横浜のフィールドの魅力を生かして、今後もより多くの企業の皆様とYOKOHAMA Hack!の成果を生み出し展開をすることで、全国の基礎自治体の課題解決につなげてまいります。

2年目に入った「YOKOHAMA Hack!」の取組がますます活性化し、横浜DX戦略を推進する原動力となることを期待し、次の質問に移ります。

17 一般廃棄物処理基本計画

次に、一般廃棄物処理基本計画について、伺います。
本市は、これまでも「横浜G30プラン」、「ヨコハマ3R夢プラン」を策定し、廃棄物処理の取組を進めてきました。これまでのプランの取組を通じて、市民・事業者の皆様と協力しながら、大幅なごみ量の削減など、様々な成果を上げてきました。今回の市会定例会において、「3R夢プラン」に続く、新たな一般廃棄物処理基本計画素案の具体的な議論が始まります。新たな計画の議論も大切ですが、次につなげるためにも、現行の「3R夢プラン」を振り返り、評価することも必要だと考えます。そこで、
「3R夢プラン」の評価について、伺います。

《答弁》3Rのなかで最も環境に優しい、発生抑制、いわゆるリデュースの取組を推進することで、ごみと資源の総量を令和7年度までに10%削減する目標を設定しました。直近の令和4年度には9%の削減と順調な削減傾向を示しており、これは市民と事業者の皆様の御協力の賜物と感謝しております。

「3R夢プラン」は策定から10年以上が経過しており、この間、社会情勢は大きく変化しています。世界では、フランスのパリで開催されたCOP21において、京都議定書に代わる、温室効果ガス排出削減のための新たな国際枠組みとして、パリ協定が採択されました。また、我が国では、令和2年に菅前総理が2050年カーボンニュートラルを目指すことを宣言されました。先ほども申し上げましたが、本市でも、令和3年に我が党が中心となって「脱炭素推進条例」を制定しましたが、今夏の災害級の猛暑を考えても、気候変動の原因となる温室効果ガスの削減や、社会全体で脱炭素化を推進する必要があると考えます。さらに、少子高齢化の一層の進展は、大都市横浜においても例外ではなく、とりわけ日々の生活に密接に関係している、お買い物や、ごみ出しについて、ご不便に感じるご高齢の方々が、今後一層増加することも想定されます。このように「3R夢プラン」策定当時からは、大きく社会情勢が変化しており、廃棄物行政においても、これまでとは異なる課題が生じているものと考えます。そこで、
新たな一般廃棄物処理基本計画策定にあたっての課題認識について、伺います。

《答弁》地球沸騰化と表現されるように気候変動の危機感が高まる中、その原因ともいわれる温室効果ガスの削減は喫緊の課題であり、現在は焼却処理をしている石油由来のプラスチック対策が急務であると考えております。また、市民生活の安全安心や市内経済を支えるため、老朽化が進む施設の計画的な再整備や災害への備えなどが着実に対応しなければならない課題であると考えております。

過去の「G30プラン」では、焼却と埋立を中心とした廃棄物処理から一歩前進し、ごみの分別・リサイクルに重点を置き、5分別から10分別に分別ルールを変更し、燃やすごみの削減を推進し、大きな成果を出しました。さらに、「3R夢プラン」では、分別・リサイクルから更に一歩前進し、発生抑制の取組を進めることで、燃やすごみの減量に加え、資源物の削減を推進してきました。人口増の局面においても、削減傾向を維持するなど、3Rを重点的に取り組んだ成果が現れました。新たな一般廃棄物処理基本計画においても、市民・事業者の皆さんにわかりやすく、取り組みやすい施策の推進が必要だと考えます。そこで
新たな一般廃棄物処理基本計画の重点施策は何か、伺います。

《答弁》G30以来、約20年振りとなる分別ルールを変更し、プラスチックの分別とリサイクルを拡大します。市民の皆様に成果を実感していただくため、燃やすごみの中に含まれるプラスチックの削減量を目標として定め、温室効果ガスの削減を推進してまいります。また、これをきっかけに、脱炭素化のプロモーションを行い、市民お一人おひとりの行動変容を促していきます。GREEN×EXPO 2027につなげるためにも、2030年度温室効果ガス50%の達成を強力に推進していきます。

これまでの本市における廃棄物部門の先導的な取組の数々は、全国の自治体から注目されてきました。今後も、国内を牽引するような計画としていただきたいと要望し、次の質問に移ります。

18 ふるさと納税

次に、ふるさと納税について、伺います。
本市へのふるさと納税については、税収影響額、いわゆる他都市への税収流出額が4年度実績として222億円の減収となった一方で、本市への寄附受入額は4億円と、その差はまだまだ大きく、税収影響額のうち地方交付税により75%の補填があるとは言え、厳しい傾向が続いています。そのような中、わが党のマニフェストに、『ふるさと納税の返礼品を横浜の魅力を感じられるモノや体験などに拡充し、納税額を3年度の3.4億円から6倍に増やす』と掲げています。令和5年第1回定例会で、我が党の黒川議員からの質問に対し、5年度の取組拡充に関して答弁がありました。そこで、
本市の現状認識と取組の方向性について、伺います。

《答弁》5年度の本市のふるさと納税による住民税控除額は272億円と全国最大です。市税への影響が年々拡大しており、強い危機感を抱いています。こうした中で、5年度から政策局に専門部署を新設し、ポータルサイトの拡充など、寄附の受入拡大に向けた取組に注力しており、中期計画の目標値である20億円を早期に達成できるよう取組を進めてまいります。

ふるさと納税という制度趣旨を踏まえれば、本市のような大都市にとっては、元々納税者が多く、一定程度の減収影響が生じることはやむを得ないとは認識しています。現状、寄附獲得額は少額にとどまっており、本市にある観光や商品などの資源を考えれば、まだまだそのポテンシャルが十分に発揮されていないと感じています。こうした中で、先日、本市へのふるさと納税に関して、寄附受入拡大に関する取組として、ポータルサイトの複数化や返礼品の追加に関する記者発表が行われ、いよいよ取組拡充が本格化してきたところです。そこで、
返礼品の追加等による効果について、伺います。

《答弁》魅力ある返礼品の提供と本市への寄附者の裾野を拡げることは、寄附額の拡大はもちろんのこと、返礼品提供事業者の販路拡大という、事業者の支援にもつながります。また、ホテル宿泊などの体験型の返礼品は、実際に横浜を訪れ、観光や飲食、交通など、街を楽しむことによる経済波及効果も望めるため、今後も「横浜のファン」を増やせるような新たな返礼品等を追加していきます。

横浜には全国にアピールできる無数の魅力、無限の可能性があると思います。積極的な財源確保につなげていただくことを要望し、私からの質問を終わります。