いそべ圭太  自由民主党 横浜市会議員(保土ケ谷区選出) 公式ホームページ

2016.06.01

ドイツ・フィンランド 視察レポート

■はじめに
2016年4月7日(木)から17日(日)の行程で、維新の党・ヨコハマ会横浜市会議員団の有志5名(伊藤、有村、大岩、藤崎、磯部)はハンブルク、ベルリン(ドイツ)、ヘルシンキ(フィンランド)の3都市を視察しました。本視察報告書をまとめるに当たって、今回の視察を企画した意図、問題意識、これまでの議会での取り組みや議会質問などを本書の冒頭で明らかにしておきたい。

■視察に当たっての問題意識
21世紀は都市の時代と言われて久しいが、少子化・高齢化、それに伴う人口減少社会にあって、都市部への人口集中は顕著になっていくでしょう。従って東京や横浜のような都市圏は緩やかに人口が減りながら、それでも高齢者が増加していく、という難しい状況がこれから生まれます。横浜市の税収は個人市民税に大きく依存する構造となっており、年金生活へ突入する市民が増えることはすなわち、税収にも大きな影響を与えるものと考えています。
時代の端境期にある今、これからの行政組織のあり方、パブリック・セクターの役割、プライベート・セクターの役割、その中間組織の役割とそれぞれの財源、求められる人材像などは変わっていくでしょう。私たちはこうした問題意識の下、これまで予算代表質問、予算関連質問、予算連合審査、決算連合審査、予算・決算の各特別委員会における局別審査、そして各定例会における一般質問などを行ってきました。その一覧は次項「これまでの議会質問や取り組み」にて紹介します。
日本社会全体がこれまで経験したことのない、人口減少社会にとてつもない勢いで突入していく中で、従来の常識、やり方に捉われない、新しい発想で横浜市の都市経営課題を解決していく必要があります。今回の視察行程の前半で訪問したハンブルク(ドイツ)では、民間投資を基本としたハーフェンシティ計画が進捗しています。また、ハーフェンシティ計画にとどまらず、アートの力を借りながら、エリアの再生や活性化に取り組んできた都市としての側面もあります。
港湾都市として発展してきた横浜市も生産現場のアジアへの移転、アジア経済の重心の移動など、外部要因と相まって港湾機能のあり方を今一度見直す時期にきています。
一方で、ベイブリッジから内側のインナーハーバーは横浜市にとって大きな資産であり、横浜という都市の物語の中でこれから果たしていく役割も当然、存するものと考えます。10年ほど前からクリエィティブシティ構想を掲げ、アートの力を借りながら、中心部のエリア再生と新産業の創出に取り組んできた、そしてまだまだ道半ばの横浜にとってハンブルクの様々な取り組みと、そこに関わる市民の思いを知ることは非常に有意義なものと考え、今回、視察候補地として選びました。
次に視察行程後半ではヘルシンキ(フィンランド)を訪問しました。北欧諸国は高負担・高福祉の都市、まさに「ゆりかごから墓場まで」を文字通り、実践している国・都市です。消費税も所得税も税率があまりにも違うため、フィンランドにおける取り組みをそのまま真似することは難しいでしょう。
しかし、大切なことは社会のシステムはその国の歴史や文化に根ざしており、そしてシステムの根幹を支えるのは財政であるという点です。塾という産業がない、学校の授業時間も決し
て多くないフィンランドがPISA(OECD生徒の学習到達度調査
)で上位に食い込むのは、単に教育システムにとどまらない、社会としてのあり方に、何か国としてのあり方、立ち位置があるのだろうと私たちは考えました。
そこで、福祉全般の支援体制、福祉の視点から見た住宅政策、そして教育政策とその現場である学校、最後にこれらが成立するための土台である地方自治の財政制度と、フィンランドを総合的に理解するために体系立てて、視察できるように行程を組みました。

■視察行程
4月7日(木)
羽田発
ハンブルク着

4月8日(金)
・クロスターシューレ
・ハーフェンシティ
・ハンブルク港湾局
・デザインキャンパス

4月9日(土)
・IBA地区
・エナジーバンカー
・フリーリバーゾーン
・シティキュレーター
・パークフィクション
・フライズ アーティストハウス
・ロングナイトミュージアム

4月10日(日)
・ブランデンブルク門
・森鴎外記念館
・ホロコースト記念碑
・フンボルトボックス
・イーストサイドギャラリー

4月11日(月)
ハンブルク発
ヘルシンキ着

4月12日(火)
・母子支援施設・シェルター連盟
・スマートカラサタマ

4月13日(水)
・カッリオ図書館
・職業訓練カフェ
・アリビア図書館
・クラブハウス

4月14日(木)
・国家教育委員会
・Y財団
・ASTU

4月15日(金)
・学校視察(エースティカッリオン・コウル)
・自治体連盟

4月16日(土)
ヘルシンキ発

4月17日(日)
羽田着

■これまでの議会質問や取り組み
今回の視察に至るまでの、直近3カ年における議会質問を以下に示します。
数年にわたって、問題意識を持ち、議会において政策提案と問題提起を行ってきました。これまでの議会での取り組みを見て頂くと、問題意識を持ちながら、これまで議会活動に取り組んできたと言えます。

■平成25年度
一般質問
「中高一貫校の推進」
予算特別委員会連合審査
「フューチャーセッション」
■平成26年度
決算特別委員会
「空き家対策」(建築局関係)
「高齢者の生活実態」(健康福祉局関係)
「認知症への支援」(同上)
「産科医療体制」(同上)
予算関連質疑
「オープンデータの推進」
「山下ふ頭再開発」
「タブレット端末の導入」
「市立南高校のグローバル教育」
「いじめ対策への取り組み」
■平成27年度
決算特別委員会
「いじめ問題」(教育委員会関係)
「不登校の現状」(同上)
「子どもの貧困問題と教育」(同上)
予算特別委員会
「みなとみらい21地区のエリアマネジメント」(都市整備局関係)
予算特別委員会連合審査
「アーティスト・クリエーターの活用」
「ダブルケア」
「若者の社会参画のありかた」
「中学校における英語教育の充実」
「不登校対策」

※このあとのレポート、詳細につきましては、PDF版の視察レポートをご覧ください。
(14MB以上ございますので、ダウンロードの際はご注意ください。)

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