いそべ圭太  自由民主党 横浜市会議員(保土ケ谷区選出) 公式ホームページ

2014.05.28

平成23年12月9日 平成23年第4回定例会 一般質問

◆(磯部圭太君) みんなの党の磯部圭太でございます。
 私は、みんなの党横浜市会議員団を代表し、林市長並びに山田教育長に対しまして順次質問をさせていただきます。
 最初に、市長の市政運営に対する姿勢についてお聞きいたします。
 まず、林市長が市長職にあって、これだけは譲れないもの、大事にしているものは何か。要するに市政運営における芯とは何か。市長のお考えをお聞きいたします。
 なぜこのようなことを聞いたかといいますと、議員になって地域を回ると、市長の待機児童政策にかける思いはよくわかる、しかしながら、それ以外の市長の思いが見えない、いまいちやりたいことがわからない、このような声を耳にすることがよくあります。市長の市政運営の姿勢がどんなにすばらしくても、その内容が積極的に発信され、市民に伝わらなければ、市民や企業の方々の理解、協力も得られない、このように考えています。
 そこで、市長の市政運営への姿勢を発信し、市民に伝えることの重要性について市長のお考えをお聞きいたします。
 市民に市長の考えや姿勢を発信するという点から考えると、市民と一緒に施策や事業に取り組むことを通し市長の考えや姿勢を知ってもらうという視点も重要となります。本市では、過去において多くの市民や企業の方々と取り組み、すばらしい成果を出した政策があります。しかし、林市政ではそのような取り組みは見えてこないと感じています。
 そこで、具体的に市民や企業の方々と一緒になって取り組んでいくという施策、事業があるのか、お聞きいたします。
 市民や企業の方々と一緒に取り組むためには、発信するだけではなく、目指す姿を市民、企業、行政など全員で共有することも必要となります。このためには、施策や事業の目標をわかりやすく設定し、共有していくことが非常に重要であると考えます。しかし、待機児童施策を除き、実際には余りわかりやすい目標が設定されていないように見えることも事実です。
 そこで、施策や事業の目指すべき目標設定の工夫についてお聞きし、次の質問に移ります。
 次に、外郭団体の資金運用についてお聞きいたします。
 昨今、国の独立行政法人、地方自治体の外郭団体等への不信感が強まっています。平成23年度、浜の台所事情によると、本市においては、資産が外郭団体も含めて約10兆円あるのに対し、借金が約5兆円あります。本市の財政状況は現時点では健全とも言えますが、今後の財政状況を踏まえると工夫が必要であります。財政状況をよりよくしていく方法として、本市においてはまず資産仕分けが必要だと考えます。今回は外郭団体に計上されている資産の中の投資有価証券について質問をさせていただきます。
 我が会派の平野議員の調査を踏まえ、現在、外郭団体の投資有価証券についてさらなる損失が出てしまう危険性がある商品が多数あり、本市に対応を求めています。その中身とは金融派生商品、いわゆるデリバティブであります。ハイリスクな商品だとも言われています。特に仕組債が多く含まれています。また、破産時の債務弁済順位の劣る通常の債券よりリスクの高い劣後債などを買っている外郭団体も存在しています。仕組債だけでも把握している中で外郭団体の8団体、総額80億円を超えると伺いました。
 そこで、外郭団体が仕組債といったリスクの高い債券を保有していることに関しての市長の認識をお聞きいたします。
 そもそも本市が外郭団体に送付しているガイドラインにおいては資産運用の原則があり、そのひな形①に、財産運用の方法においては、第3条、基本財産及び運用財産のうち、一定のものについては元本が確実に回収できる方法で行うものとする。そしてその2項では、前項以外の資産の運用については、元本が回収できる可能性が高く、かつなるべく高い運用益が得られる運用方法で行うものとするとなっています。金融商品取引法では、投資型金融商品を購入する際には、リスクとリターンの重要事項説明などの説明を受けないと購入できないようになっています。その際においても、低リスク、ハイリターンな運用を目指す場合にはその投資商品は購入できません。そもそも低リスク、ハイリターンな運用などこの世の中に存在しないからです。にもかかわらず、本市の外郭団体にこのようなガイドラインを提示していること自体が問題であるとも言えます。
 先日、AAA格付の国、ノルウエーの政府系機関、ノルウエー輸出金融公社が突然格付機関ムーディーズから投機的水準に格下げされました。ジャンク債級まで格下げされたわけです。このノルウエー輸出金融公社の仕組債が都市整備局の外郭団体だけでも7億円保有することがわかっています。他の外郭団体でもこの債券を保有してないかを確認することを要望すると同時に、運用指針の格付で示している中では今回のような格下げの際の指針は明記されていません。
 そこで、格下げされた際にはどこで損切りするのか。あるいはそれでも満期まで保有し続けるのか、市長の意向をお聞きいたします。
 投資型金融商品にはリスク・リターン分類がされています。5段階の分類で見ると、基本はレベル1、元本確保、行政もこれを最優先でやるべきです。外貨、外債の外貨建てのレベル3相当の投資は禁止しているのに、これ以上のリスクが存在し得るデリバティブ取引を可能にしていることは問題です。この問題を含めて、本年4月20日に新たに、外郭団体の適正な財産運用に関する指導の徹底なるガイドラインが策定されましたが、このガイドラインも不十分であると考えます。例えば仕組債は原則禁止という通達を出したとのことですが、実際には10年以上の満期のものとなっています。数年の仕組債でも高いリスクがあることに変わりはありません。欧州危機、世界の金融危機が再来している中で、このような含み損や損失が今後出てくることも想定されます。
 そこで、新たにつくられた外郭団体の適正な財産運用に関する指導の徹底なるガイドラインを再度策定し直す必要性があると考えますが、市長の見解をお聞きいたします。
 外郭団体の経営がもしも株式会社のように会社法に沿っていた場合にはどのようになっていたでしょうか。会社であれば、ずさんな運用をして損失が出た場合には経営責任を問われます。既に減損処理をしている債券もあるといいます。このような投資をして責任を問わずに放置しておいて市民は納得するのでしょうか。
 そこで、これらの投資に対する責任はだれにあり、どう問うべきか。市長の考え方をお聞きいたします。(「すばらしい」と呼ぶ者あり)
 我が会派としても、今後、これらの処理方法やこのようなガイドラインの修正について提案していきたいと考えています。(私語する者あり)
 本市には、公営企業、外郭団体等に存在する資金などを本市自身が管理できるようにすることを要望するとともに、外郭団体等の埋蔵金を今まで以上に可能な限り最大限発掘し、市民のための財源、借金返済のための財源に使えるようにすることを要望し、次の質問に移らせていただきます。
 次に、事業見直しについてお聞きいたします。
 本市における財源をどのように捻出するか。その点では最大限予算を徹底的に見直し、業務の効率化、少ない予算で最大限の効果が上がる施策が必要だと考えます。その中では現在行われている事業見直しは大変重要な役割を持つものと考えています。大事なことは、事業見直しは金額ありきではない部分もありますが、経営論で判断できる部分は目標設定をすべきであり、組織も事業も選択と集中が必須であると考えます。一方で、コストで割り切れない事業においてはPDCAのPDがきっちりオープンにされる必要性があると考えています。
 そこで、改めてこれまでの事業見直しにおける課題は何か、お聞きいたします。
 また、次年度の予算編成に向けて、まさに今行われている今回の事業見直しの特徴と改善点は何か、お聞きいたします。
 本市では、これまでもさまざまな事業において事業の見直しをされてきたことを伺っております。その際に重要になるのが聖域の排除と縦割り行政の弊害をクリアしていくことです。これまでの事業見直しにおいても、会派では、政策、総務、財政の連携による横ぐしでのチェック機能の強化はもとより、各所管部署や議会との情報、意識共有による目的、目標共有型の悉皆的事業見直しを提唱してまいりました。それは、行政全体の改革意識を高めるのみならず、複合化、多重化している戦略マネジメント部門の効率化につながるものであると考えるからです。
 そこで、これらの指摘も踏まえ、事業見直しの進捗状況と24年度予算編成において特に注視するポイントとその具体的な取り組みをお聞きし、次の質問に移ります。
 次に、職員の不祥事についてお聞きいたします。
 今年度、本市の職員による不祥事が多く報道されているように感じています。特に教職員によるわいせつ事件、市民の安全を守る消防職員の公用車の不正利用など、ほぼ大部分の職員の方々はまじめに職務に取り組んでいる中で、ほんの一部の職員による不祥事であっても本市としての信用を失墜していると言わざるを得ません。市長がよく御発言されるおもてなしの心、共感と信頼の市政運営の根幹にかかわる問題でもあります。
 そこで、本市の信用を失墜する不祥事が多く発生している原因について、市長の認識をお聞きいたします。
 また、不祥事により本市の信用を失墜していることについての市長の見解をお聞きいたします。
 個々の事案を伺うと、こういった不祥事については、これをやればなくなるといった特効薬となるような対策はないのではないかと思います。しかしながら、このままの状況が続けば、ますます市民の信頼を失ってしまう事態に陥ってしまうと思います。これ以上本市として市民からの信頼を欠くことのないよう、市長の言う共感と信頼の市政運営を実現するためにも不祥事防止に取り組むべきと思いますが、再発防止に向けてどのような考え方で取り組むのか、市長のお考えをお聞きし、次の質問に移ります。
 次に、本市の障害児施策についてお聞きいたします。
 本市では、他都市に先駆けて障害のある子供たちの早期発見、早期療育に取り組み、現在は平成25年度の開設を目指し、8館目の地域療育センターの整備を進めているところです。地域療育センターにおいては、知的障害児及び肢体不自由児の通園部門が整備されていますが、最近の傾向として、医療部門に受診する子供たちの中で知的なおくれのない発達障害の子供たちが増加していると伺いました。
 そこで、発達障害児への支援はどのように取り組んでいるのか、お聞きいたします。
 あわせて小学校から高校までの学齢期間中について、障害児を含む家族全体の在宅生活を幅広く支援していくことも重要なものと考えます。そこで、在宅生活を送る障害児及びその家族に対する支援策を今後どのように進めていくのかお聞きいたします。
 また、在宅生活を送る障害児世帯において不安な養育が認められれば、家庭を離れて施設での養育を考えざるを得ないと思います。そうした場合には入所施設において生活全般にわたる支援を行うことになります。特に知的障害児においてはコミュニケーションの課題があることから、養育に対する支援を求める世帯も多いのではないかと思います。市立の知的障害児施設として泉区に横浜市なしの木学園があります。私はせんだって施設を視察させていただきましたが、当施設は昭和55年の開所以来30年以上が経過し、建物の老朽化が著しく進んでいます。劣悪とも言える環境の中で大勢の児童が生活している姿を見て胸が痛みました。同施設を市長も7月に訪問されたと伺いましたが、そこで、なしの木学園を訪問しての市長の感想についてお聞きいたします。
 当学園には四十数名の知的障害のある方が入所しておりますが、利用者については、児童施設であるにもかかわらず、入所対象年齢である18歳を超えた障害者が入所している現状にあります。結果として入所の必要な児童が入所できない状況になっているのではないかと思います。児童福祉施設本来の役割を果たすためにも、大人には大人として、障害者支援施設なりグループホーム等への移行が必要であると考えます。
 そこで、18歳以上の入所者についてどのような支援を行っていくのか、お聞きいたします。
 利用者が生活している居住棟も見させていただきましたが、個別支援の必要性から4人部屋に間仕切りを入れ、かぎをつけるなどしております。入所者相互の安全確保のため、不測の事態を避けるという面での必要性は理解できますが、防災の面から安全性に課題があるようにも思います。施設のハード面での安全性の向上や利用者の特性に合わせた居室の少人数化や個室対応などの課題には再整備などの抜本的な対策が必要なのではないかと考えます。
 そこで、現状のさまざまな課題の解決に向けてどのように取り組むのか、お聞きいたします。
 施設の老朽化に伴い生じているさまざまな課題を一刻も早く改善するよう強く要望して、次の質問に移ります。
 次に、中学校の昼食についてお聞きいたします。
 中学校昼食のあり方の検討につきましては、先ほども議論がありましたが、非常に重要なことですので、先ほどの質問も踏まえた上で2点確認をさせていただきます。
 まず、あり方検討では、生徒、保護者、教職員に参加をしていただき、より望ましい中学校昼食のあり方についての意見交換会を実施すると伺いました。そこで、意見交換会の具体的な中身について教育長にお聞きいたします。
 我が会派としてはなるべく広く意見を聞いていただきたいと考えています。なぜなら、お弁当を持参させている御家庭でも中学校給食を望む声が多いと感じているからです。せっかく実施する意見交換会が潜在的な声もきちんと拾えるような形で実施していただくことを強く要望いたします。
 また、今回アンケート調査を行うわけですが、我が会派としましては、これから自分の子供を中学校へ通わすことになる小学生、特に小学校5、6年生のお子さんを持つ保護者の方々からも意思を伺う必要性があると考えますが、教育長の御見解をお聞きし、私の質問を終わります。(拍手、その他私語する者あり)
○議長(佐藤茂君) 林市長。
     〔市長 林文子君登壇〕
◎市長(林文子君) 磯部議員の御質問にお答え申し上げます。
 市政運営に対する姿勢について御質問をいただきました。
 まず、市長職に当たって私が大事にしていることですが、複雑多様化する社会にあっては市民の皆様のためにとことん議論していくことが重要です。価値観や立場が異なっていても、とことん議論すればわかり合えないことはないと私は信じています。さまざまな経験や価値観を持った多くの方々と対話を重ねることにより理解し合い、共感と信頼のもとで解決の道筋を見出していく、そうしたプロセスを大事にすることこそが市政運営に当たって譲ることのできない私の信念です。今後も二元代表制のもと、市長である私同様、市民の皆様の期待を託されている市会議員の皆様方とそれぞれの立場からお互いに闊達に議論を重ねることにより、この横浜に安心と活力をしっかりと生み出してまいりたいと思います。
 市政運営への姿勢の発信についてですが、市政運営の基本姿勢や重点的に取り組む施策について市民の皆様にわかりやすくお示しし、説明していくことはもちろん大切なことであると思います。それだけではなく、市民の皆様を初め、企業の皆様や市民活動団体の皆様など横浜を愛する多くの皆様に課題を共有していただいた上で一緒に横浜の将来を築いていく、このことが何よりも重要だと考えています。今後も現場訪問など皆様とお会いするあらゆる機会を通じて私の思いを直接お伝えするとともに、広報、報道をより戦略的に活用しながら、単純に話題性を求めるのではなく、市民の皆様のための政策を一つ一つ着実に実践していくことでその姿勢をお示ししたいと思います。
 市民、企業の皆様と一緒になって取り組む施策、事業についてですが、既にさまざまな分野で数多くの施策に取り組んでいます。例えばスマートシティプロジェクトを初めとした地球温暖化対策、さらなるごみの減量化、資源化に取り組むヨコハマ3R夢プランの推進、災害時要援護者支援など地域福祉の推進、さらには公民連携による国際技術協力、Y-PORT事業などが挙げられます。市民、企業の皆様とともに行動し、社会的課題の解決に当たる協調の視点を今後も当然の前提として施策を進めてまいります。
 施策、事業の目指すべき目標設定の工夫についてですが、施策、事業の目標をわかりやすく設定することは当然のことです。そこで、私は、中期4か年計画の策定に当たり、従前の計画よりも取り組みの成果を市民の皆様に実感していただけるよう、待機児童解消のみならず、観光・MICEの推進やごみの減量化、資源化など多くの取り組みにおいて目標値を既にわかりやすく設定しております。
 外郭団体の資金運用について御質問いただきました。
 外郭団体が仕組債といったリスクの高い債券を保有することについてですが、仕組債はデリバティブを組み込んでいる債券であるため、発行体の格付など、従来の基準では安全性や確実性が確保されないことに懸念を持っています。本市においても、保有している仕組債の時価が下がり、会計基準に基づき現存処理した団体があったことや、運用途中の売却は大幅な元本割れになるために、運用益がなくても満期まで資金が拘束されることになり、団体の運営に支障が出るおそれがあると認識しています。
 格下げされた際の対応についてですが、債券はさまざまな種類のものがありますので、本市が一律に対応を示すことは困難と考えています。一義的には運用している団体が債券の個別の条件等を見ながら専門家のアドバイスを受けるなどして検討し、適切な対応をとるべきであると考えています。
 財産運用に関するガイドラインの見直しについてですが、外郭団体の財産運用については、安全性を最優先にしながら、流動性、収益性を考慮しつつ、それぞれの団体の経営計画や規程等にのっとり適切に管理運用することが基本であると考えていますが、引き続き社会経済情勢の把握、検討を行い、必要に応じて対応を示していきます。
 投資の責任の所在についてですが、仕組債などの運用の結果として少なくとも団体の運営に支障を来すようなことがあれば、理事会や取締役会などにおいて事実関係や責任の所在を明確にし、対処すべきと考えています。
 事業見直しについて御質問をいただきました。
 これまでの事業見直しにおける課題についてですが、横断的なテーマを設定し、個別事業を見直す取り組みを3年間継続してきたため、同じ手法を続けるには限界があること、さまざまな御意見がある中で事業を見直すには、市民の皆様に丁寧に御説明をし、御理解を得ることが必要であり、相当程度の時間を要することなどが挙げられます。
 今回の事業見直しの特徴と改善点についてですが、特徴としては、23年度予算までは補助金や負担金など事業の性質に着目してきましたが、24年度予算に向けてはさまざまな視点から検討できるよう、市費で5000万円以上という一律の基準でテーマ設定を行ったことなどがあります。改善点としては、政策局、総務局、財政局がそれぞれの視点から課題指摘等に取り組んできたことを改め、3局連携の体制を構築し、意見を出し合い、課題整理を行う仕組みをつくり、実施したことなどがあります。
 事業見直しの進捗状況等についてですが、総務局、政策局、財政局による3局連携体制のもとで、昨年と同程度の151件の課題指摘を行い、現在、見直しに向けた検討を進めています。事業を見直すに当たっては、例えば縦割り業務を解消し、重複事業の整理統合がどこまでできるのか、事務手続の簡素効率化による効果がどの程度であるか、市民サービスや市民生活への影響の度合いはどの程度であるかなどに注視する必要があります。こうしたポイントを踏まえながら、24年度予算編成の中で見直し内容やその可否について総合的に判断していきます。
 職員の不祥事について御質問をいただきました。
 まず、不祥事の発生原因についての認識ですが、各事案によってさまざまな要素があると思いますが、特に御指摘いただいたような非行事例を見ますと、社会人としての自覚を欠く事例がほとんどです。何よりも公務員は市民のために仕事をする全体の奉仕者であるという認識が不十分であったことが原因と考えています。また、組織面では職場内でのコミュニケーションが不足しており、一人一人の置かれた状況や気持ちの変化に上司や同僚が気づけず、日常的な注意が行き届かなかったこともあるのではないかと思っています。
 本市の信用を失墜していることについてですが、こうした不祥事により市民からの信頼を損ねることになり、大変申しわけないと考えております。区役所の窓口や市民の皆様の御理解、御協力を得て行う事業の現場等で厳しい御意見をいただくなど、円滑な市政運営への影響も少なくありません。市民からの信頼の確保は共感と信頼の市政運営の基盤でもありますので、引き続き不祥事の再発防止に向けた取り組みを徹底いたします。
 再発防止についての考え方ですが、私としては、何よりも上司と部下、職員同士が職場でのコミュニケーションを充実し、風通しのよい職場風土をつくることが重要であると考えています。特に責任職が一人一人の部下に関心を持ち、折に触れて声をかけるなどして向き合い、日ごろから相談し合える関係をつくっていくことが早い段階で職員の変化に気づくことになると思います。また、公務員としての心構えについて改めて研修を行うなど、さまざまな機会をとらえ不祥事の再発防止に努めます。
 障害児施策について御質問をいただきました。
 発達障害児への支援の取り組みについてですが、自閉症やアスペルガー症候群などの発達障害児は障害について周囲に理解されにくく、家族を含めてその支援に非常に困っていると聞いており、成長に応じた支援体制づくりが必要であると考えています。本市では発達障害児を早期から支援するために、22年度から地域療育センター等で未就学児を対象とした児童デイサービスを開始し、現在7カ所で実施をしています。さらに、市内2カ所の専門機関で中高校生等の発達障害児を対象とした診療や相談のほか、学校等の関係機関への支援を行っています。
 在宅生活を送る障害児及びその家族に対する支援策の今後の進め方についてですが、本市では、発達障害、知的障害など地域で暮らす障害児への理解の促進、保護者の負担軽減や障害児の生活支援の強化を目標に掲げ、各種施策を進めています。具体的には、各区福祉保健センターでの相談対応に加え、市の独自事業として放課後や夏休み等の学齢障害児の居場所づくり事業を実施しているほか、保護者の休息等を目的とした日中一時預かり、障害児施設等での短期入所等の取り組みを行っています。今後も家族を含めた在宅生活の継続に向けてきめ細かい支援を行っていきます。
 なしの木学園を訪問しての感想ですが、まず、築30年を超え、老朽化が進み、およそ快適とは言いがたい建物の中で障害の重い児童の方が多数生活している光景を見て、磯部先生がおっしゃったとおりでございます。私も胸がつぶれる思いでございました。また、施設全体が大部屋中心の構造のため、職員にとっても児童一人一人の障害の特性に応じた支援がしづらい環境にあると思いました。そうした中でもよりよい支援を行おうと工夫しながら一生懸命取り組んでいる現場の職員には感謝の気持ちになりました。
 18歳以上の入所者への支援についてですが、現在、長期入所者42名中13名が18歳以上という状況になっています。こうした児童福祉法上の入所対象年齢を超過した入所者の成人の施設やグループホーム等への移行は十分に進んでいないのが現状です。そこで、今年度から新たに入所者が円滑に移行できるよう、地域移行支援事業を開始しています。この事業では、障害者入所施設等の体験利用やグループホームを想定した個室生活体験等の取り組みを行い、個々の適性に合った障害者サービスにつなげ、早期の移行を支援していきます。また、受け入れ側の成人施設やグループホームにおいても、18歳を超過した入所者の受け入れが進むよう仕組みづくりを検討していきます。
 課題の解決に向けた取り組みについてですが、現施設は大部屋中心の構造になっており、入所児童の障害特性に応じた適切な支援がしづらい環境にあります。その改善に向け、個室化の推進や老朽化への対応を行う必要がありますが、それには現施設に全面的に手を入れるなどしなければ解決は難しいと認識をしています。そうした課題を解決し、さらに施設の安全性向上や職員が働きやすい機能的な施設にしていくため、22年3月に出された横浜市なしの木学園再整備基本構想検討委員会報告書に基づいて現在検討を進めています。
 残りの質問については教育長より答弁させていただきます。
○議長(佐藤茂君) 山田教育長。
     〔教育長 山田巧君登壇〕
◎教育長(山田巧君) 中学校食について御質問をいただきました。
 意見交換会の具体的中身でございますが、複数の学校の生徒、保護者の方々、あるいは教員が一堂に会し、より望ましい中学校昼食のあり方についてそれぞれの立場からの率直な意見交換会を実施してまいります。参加する学校は、各方面や地域、また、学校で業者弁当を販売しているか否かなど、さまざまな学校の状況を勘案し決定をしてまいります。
 小学校5、6年生のお子さんを持つ保護者の方々からも意見を伺う必要についてでございますが、今回のアンケート調査では、子供が弁当を持ってこられない状況なども含め、中学校の昼食に関する実態の把握を中心に考えていることから、対象を中学校の生徒及び保護者といたしました。また、生徒への食育指導の観点から、中学校の教員もあわせて対象といたしております。アンケート調査及び意見交換会の結果などを踏まえまして、より望ましい中学校昼食のあり方について学校の協力も得ながら具体的に検討してまいります。