いそべ圭太  自由民主党 横浜市会議員(保土ケ谷区選出) 公式ホームページ

2014.06.01

平成24年6月8日 平成24年第2回定例会 議案関連質疑

◆(磯部圭太君) 私は、みんなの党横浜市会議員団を代表いたしまして、本定例会に上程されている各議案のうち、市第4号議案、市第11号議案、市第12号議案、市第15号議案についてそれぞれ質問してまいります。
初めに、市第4号議案地方税法第314条の7第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人を指定するための基準、手続等に関する条例の制定に関連してお伺いをいたします。
私たちは、横浜で子育てをしてよかった、横浜で老後を過ごせてよかったとすべての世代に喜んでもらえる町にしていきたいと考えています。あらゆる立場の人にとってバリアフリーな都市を実現したい、そのためにも本市が持つ潜在力をもっと引き出していく。具体的には行政のみならず自治会町内会を初め、NPO法人などさまざまな主体が地域の担い手として成長していくことが必要であると考えています。
昨年6月には、寄附文化の醸成とNPO法人への寄附の促進を目的に議員立法により、全会一致でNPO法が改正されました。この改正により、ある程度の財政基盤や運営組織を有するNPO法人は認定を受けやすくなるなどアドバンテージが付与されました。しかし、一方では財政基盤等が十分ではなく、認定を受けるまでには至らないが、身近な地域課題に一生懸命取り組んでいるNPO法人も多くあります。そのようなNPO法人にとっては、本市の裁量により本件条例が制定され、指定が受けられるようになることで当該法人に寄附した方の住民税が6%控除され、寄附を受けやすくなる環境が整うなど、一定のメリットが生じるようになります。
そこでまず、各自治体が裁量で条例を制定するかしないかを決められる中、条例を制定することに決めた理由を伺います。また、条例を制定することによりNPO法人に対してどのような支援をしていこうと考えているのか、伺います。
一方、私たちは、これらのメリットを受ける法人は、あくまでも横浜の地域課題の解決に寄与し、豊かな地域社会をつくるために一生懸命取り組んでいる良質なNPO法人を対象にしなくてはならないと考えています。NPO法人の中には、わずかではありますが、社会的弱者を対象に金品を搾取するなど不良不適格と言うべき法人があることも事実です。私たちは、そのような法人が本件条例の恩恵を受けることはあってはならないと考えています。
そこで、いわゆる不良不適格なNPO法人が指定を受けることを防止するための対策を伺います。
今後とも本件条例などをもとに良質なNPO法人が多くなり、豊かな横浜の地域社会を形成する担い手がふえることを期待して、次の質問に移ります。
次に、市第11号議案横浜市公園条例の一部改正に関連してお伺いいたします。
今回の条例改正の対象となっている南本宿第三公園は、横浜みどりアップ計画新規拡充施策における農園つき公園整備事業により整備される第1号の公園であると聞いています。しかしながら、この新しく整備する公園のすぐ近くには大きな南本宿公園があります。
そこで、なぜ近接地域に都市公園があるにもかかわらず、この場所に新たに公園を整備するのか、伺います。その上で、農園つき公園整備事業のねらいと進捗状況について伺います。
平成21年度から始まった横浜みどりアップ計画新規拡充施策の5カ年事業は、折り返し地点を過ぎ4年度目に入っています。多数の事業に取り組んでいますが、一部の事業では計画どおりに進んでいない事業もあると聞いています。
そこで、横浜みどりアップ計画新規拡充施策の3カ年の取り組みの状況と残り2カ年の進め方について伺います。
市民の方々から、横浜みどり税をいただいて進めている横浜みどりアップ計画新規拡充施策においては、成果をしっかり出すとともに、市民の方々が成果を実感できるようにするべきだと要望し、次の質問に移ります。
次に、市第12号議案横浜市建築基準条例の一部改正に関連してお伺いをいたします。
平成20年10月に大阪市の個室ビデオ店で火災が発生し、多数の死傷者が出る事故が発生しました。火災の発生は未然防止が第一に必要ですが、万が一火災が発生した場合でも安全、確実に避難できるよう避難経路を確保することが重要です。
今回の条例改正では、これまで建築基準条例で規制がかかっていなかった個室ビデオ店等の建築物に対して新たに避難安全の確保を行っていくものであり、大変意義のあることだと感じています。そこで、平成20年の大阪市での火災事故発生以降、本条例制定までの取り組みについて伺います。
ところで、建築基準法では建築当時に適法に建築された建築物が、その後法律や条例の改正により適合しない部分が生じたとしても、増改築などを行わなければ不適合の部分を有したままに使用できる、いわゆる既存不遡及の規定があると聞いています。この既存不遡及の制度は、法律や条例改正時に既に存在している建物の所有者に対し過大な負担をかけないという点では理解できますが、一方、増改築などが行われない限り、古い基準で建築された建物がそのまま残ってしまうという問題点があります。今回、個室ビデオ店等についても既存の建築物については条例改正の内容が遡及適用できないこととなりますが、一方で市民の安全、安心を守るのは行政の責任であると考えています。
そこで、既存の個室ビデオ店等の安全性確保に対する考え方について伺い、次の質問に移ります。
次に、市第15号議案横浜市立学校条例の一部改正に関連してお伺いをいたします。
先日、京都府の亀岡市で集団登校中の児童9名と保護者1名の列に車が追突し、3人のとうとい命が失われるという大変痛ましい事故が起きており、児童生徒の通学安全対策に対する関心が全国的に高まっているところです。学校統合においては従前より通学区域が広くなるため、通学安全に対する対策をより十分に行う必要があると考えます。
そこで、学校統合により通学区域が広がることに伴い、通学安全対策についてどのような対応を行ってきたのか、教育長に伺います。
児童生徒の通学安全については、日ごろから十分な対策を行う必要があると考えます。栄区では、区長を会長、栄区連合町内会長、栄警察署長、栄消防署長を副会長とする栄区セーフコミュニティ推進協議会が、5月14日にこどもの交通安全を確保する緊急宣言を行い、地域、区役所、警察署、消防署が学校と連携し、区内全校の通学路を緊急巡回、点検していると聞いています。この巡回点検には、区長、警察署長、消防署長などがみずから赴いて点検をされていると聞いています。このような取り組みも参考にしながら、引き続き児童生徒の命を守るという観点で、事故を未然に防ぐための対策をしっかりと行うべきと考えます。
そこで、各学校において、現在どのような通学安全対策を行っているのか教育長に伺い、みんなの党横浜市会議員団を代表しての私の質問とさせていただきます。(拍手)
○議長(佐藤茂君) 林市長。
〔市長 林文子君登壇〕
◎市長(林文子君) 磯部議員の御質問にお答え申し上げます。
市第4号議案について御質問をいただきました。
条例を制定することを決めた理由ですが、本市としては、あらゆる制度を活用して、地域の課題解決の担い手であるNPO法人を幅広く支援することが重要と考え、本条例を提案しました。なお、このことについては、昨年10月に神奈川県、川崎市、相模原市と本市の4首長が連携して指定条例を制定することになりました。
NPO法人に対する支援ですが、まず地域で活動するNPO法人が本制度を有効に活用していただけるよう、指定制度の周知や指定を受ける際の事前相談を行っていきます。また、指定法人となった後、認定を受ける過程についても相談対応を十分に行うなど、当該法人がその財政基盤を強化し、地域の課題解決に取り組む安定した担い手となっていただけるよう支援していきます。
適格なNPO法人を指定するための対策ですが、より良質なNPO法人を指定していくため、当該法人の情報公開の徹底や市民活動推進委員会での審査、運営状況の実態調査、暴力団等の排除を目的としたすべての役員の警察への照会など、適切な対応に努めていきます。
市第11号議案について御質問をいただきました。
近接地域に都市公園があるにもかかわらず、この場所に新たな公園を整備する理由ですが、南本宿第三公園は、農地や里山の景観を保全するとともに、市民の皆様が利用する菜園などの農体験の場を提供する農園つき公園です。この公園につきましては、農地を所有される方から農地の保全について御相談があったこと、近接する南本宿公園の菜園が直近の利用者募集では約3倍の応募がありまして、利用者ニーズが非常に高いこと、これらから既存農地の保全を図るとともに、菜園を増設することでより多くの市民の皆様のニーズにこたえるため整備をいたします。
農園つき公園整備事業のねらいですが、横浜の貴重な緑である農地を守るため、相続税の支払いや担い手不足などにより手放さざるを得なくなった農地を幅広く市民が利用できる市民農園として整備するものです。進捗状況ですが、南本宿第三公園は平成25年春の開園を目指して整備を進めており、そのほかに現在6カ所、約3ヘクタールの土地で事業を推進しています。
横浜みどりアップ計画新規拡充施策の3カ年の取り組み状況と残り2カ年の進め方についてですが、樹林地の買い取りや水田の保全、保育園や小中学校の芝生化などの公共施設の緑化が、横浜みどり税を安定した財源として活用することなどで順調に進んでいます。樹林地の指定や農園つき公園の整備など、土地所有者の方々の意向との調整が必要な事業では進捗が思わしくないものもあります。これまでの課題を踏まえ、引き続き5カ年の目標に向けて一層の取り組みを進めていきます。また、現計画の実績や効果を検証し、今後のみどり施策について今年度中に取りまとめます。
市第12号議案について御質問をいただきました。
平成20年の大阪市での火災事故発生以降、本条例制定までの本市の取り組みですが、事故発生後、直ちに個室ビデオ店等に対する立入調査を行い、その結果を踏まえ安全性の確保に向け、条例化の検討に着手しました。条例化に際し、個室ビデオ店等の建築基準法上の位置づけを明確にする必要があるため、全国の自治体や国土交通省との協議を進めてきました。その結果、位置づけの整理ができたため、今回関東地方の自治体では初めて条例を改正することにしました。
既存の個室ビデオ店等の安全性確保につきましては、法令上、改正条例の内容をさかのぼって適用ができません。しかし、規則の改正により所有者等が維持管理状況を報告する定期報告の対象とし、あわせて避難経路などの状況も報告項目に追加することで、適正な維持管理と安全確保を進めます。また、業界団体や店舗の所有者などに対して文書の送付などを通じ、条例改正の趣旨や施設の安全管理及び維持管理について働きかけていきます。
残りの質問については、教育長より答弁いたします。
○議長(佐藤茂君) 山田教育長。
〔教育長 山田巧君登壇〕
◎教育長(山田巧君) 市第15号議案について御質問をいただきました。
学校統合に伴う通学安全対策についてでございますが、地域、保護者、学校の代表者から成る小規模校対策検討委員会の委員が、通学路を実際に歩いて点検し、改善が必要な箇所を要望書にして関係区役所と警察署に提出をいたしております。今後、統合校に設置されるスクールゾーン対策協議会を通じ、関係機関と連携しながら児童の通学安全に努めてまいります。
各学校での通学安全対策についてでございますが、本市では各小学校にスクールゾーン対策協議会が設置されておりまして、地域、保護者、学校、土木事務所、警察署が連携し、スクールゾーン内の交通危険箇所の調査、点検を行っております。交通危険箇所につきましては、毎年土木事務所、警察署等に対し改善に向けた要望や意見交換などを行っております。また、最近の相次ぐ車の暴走事件を受けまして、4月27日付で各学校長あてに通学路における危険箇所の再確認を依頼してございます。今後も、関係機関が連携して必要な交通安全施設の整備など、安全対策を進めてまいります。
平成24年度本会議風景 市会