いそべ圭太  自由民主党 横浜市会議員(保土ケ谷区選出) 公式ホームページ

2014.06.01

平成24年6月14日 平成24年 こども青少年・教育委員会

△3歳男児死亡事例について
○(大桑委員長) 次に、3歳男児死亡事例についてを議題に供します。
当局の報告を求めます。
◎(鯉渕こども青少年局長) 去る6月4日のこども青少年・教育委員会で取り急ぎ御報告いたしました3歳男児死亡事例について、現時点で把握した内容を御報告いたします。
お手元の資料をごらんください。
1、事例の概要ですが、平成24年5月31日、3歳の男児が自宅で死亡しました。実母が手首から血を流して倒れているのを帰宅した兄が発見し、連絡を受けた別居の元夫が110番通報したとのことです。実母が無理心中を図ったと見て、警察で捜査していたところ、6月13日に実母を逮捕いたしました。
2、世帯構成ですが、実母、死亡した本児、兄の3人世帯です。住所は、港北区新吉田東一丁目です。
実母の状況ですが、実母は病院へ救急搬送され、処置を受け、一たん退院しましたが、精神的に不安定であるため別の病院に入院いたしました。その後、入院していた病院を退院した6月13日に、警察により逮捕されました。
経過ですが、本児が生まれた後の関係機関の対応について御説明いたします。
平成20年11月28日、4カ月児健康診査を受診しました。実母みずから精神的な不安定さについて悩みがあるとの訴えがありました。
平成21年4月1日、本児が保育所に入所しました。
平成21年4月24日、実母が児童相談所へ来所相談しました。母方祖母との関係が不調とのことでした。
平成22年1月14日、1歳6カ月児健康診査を受診しました。実母が精神的に落ち着かず自傷行為をしてしまったと訴えました。区が実母を継続的にフォローしていくこととしました。
平成22年2月10日、1歳6カ月児健康診査後のフォローとして、区が家庭訪問を実施ししまた。
平成23年5月10日、区が状況把握のため訪問しました。実母は育児の大変さを訴えましたが、話をしたら少し楽になったと話しました。区の職員は、何かあったら区やよこはま子ども虐待ホットラインに電話するよう伝えました。
平成23年5月13日、区と児童相談所で養育支援カンファレンスにより、今後のかかわり方を確認し、区による実母支援の継続としました。
平成23年6月29日、実母から3歳児健康診査未受診で問診票の返信がありました。区から保育所に本児の状況を確認し、見守りを依頼しました。
平成23年12月29日、実母がホットラインに電話し、子供を殺してしまいそう、子供を預かってほしいと話しました。子供は母方祖母宅にいるとの話であり、傾聴し落ち着いたため終了いたしました。
平成24年1月4日、児童相談所が区へ電話し、ホットライン入電に関する情報提供を行いました。また、区のこれまでの支援内容について確認しました。
同日、児童相談所が保育所へ電話し、本児の登園を確認しました。
裏面をごらんください。
平成24年1月6日、児童相談所が実母へ電話しました。年末年始は保育所が休みになることにプレッシャーがあったが、翌日以降は落ち着いたとのことでした。
平成24年1月10日、児童相談所が区へ電話し、児童相談所と区で家庭訪問することとしました。
平成24年1月11日、実母から児童相談所へ電話がありました。保育所が始まり落ち着いてきたが、児童相談所に相談したことで子供を施設入所させることになるのではと不安を訴えました。
平成24年1月17日、実母から家庭訪問キャンセルの連絡が入りました。
平成24年1月19日、児童相談所の受理会議にて支援方針を検討しました。その結果、実母による身体的虐待の危惧ありと判断し、区及び保育所での見守りの依頼を方針決定しました。
平成24年1月23日、児童相談所が実母あてに電話しました。実母の気持ちが落ち着いていることを確認し、子育てが辛くなってしまった場合は相談や一時保護ができることを伝え、同日、区と児童相談所が協議し、今後は区が訪問することを確認しました。
また、同日、児童相談所が保育所に電話し、本児の見守りを依頼しました。
平成24年2月20日、実母が区を訪れ、区が面接を実施しました。実母は、疲れはあるが精神的には落ち着いているとのことでした。
平成24年4月3日、保育所は児童相談所へ電話しました。担当者は不在でした。そのため、平成24年4月4日、児童相談所が保育所へ折り返し電話し、保育所から報告を受けました。3月31日に本児が自宅で転び、口の中を15針縫うけがをしたが、4月2日元気に登園し、食事も問題なくとれているとのことでした。
平成24年4月24日、区が家庭訪問を実施しました。
平成24年5月17日、実母から区へ電話がありました。記憶がないが、気づいたら病院にいた。間違って薬を多く飲んでしまったかもしれない。今は回復し、落ち着いたとのことでした。
平成24年5月18日、区が家庭訪問を実施しました。不在のため、改めて訪問するとのメモを残しました。
平成24年5月24日、区から実母へ電話しました。体調について訪ねたところ、大丈夫とのことでした。
平成24年5月29日、保育所が区と児童相談所へ電話しました。5月15日、夜間に実母が精神的に不安定になり、翌16日本児が欠席、17日、実母の顔色は悪かったが、その後はいつもと変わらない様子であるとのことでした。児童相談所は保育所に引き続きの見守りを依頼しました。
同日、区が家庭訪問を実施しました。室内はきれいに片づいており、実母は、体調は落ち着いており大丈夫とのことで、不安定な様子は見られませんでした。
平成24年5月30日、実母が保育所へ木曜日から日曜日まで4連休をとると伝えました。
平成24年5月31日、本児が死亡しました。
経過については以上です。
6、今後についてですが、死因の特定等捜査結果を確認し、外部有識者からなる児童虐待による重篤事例等検証委員会を開催し、重篤事例として検証を実施いたします。
平成22年度に設置された児童虐待対策プロジェクト報告書に基づき、虐待死の根絶を目指して取り組みを進めておりますが、そのさなかにこのような死亡事例が発生する結果となり、非常に重く受けとめております。子供が命を落とすという痛ましい事例が起こることのないよう、職員一同が一丸となって取り組んでまいります。
○(大桑委員長) 報告が終わりましたので質疑に入ります。
(中略)---------------------------------------
◆(磯部委員) 本児が死亡する前日の5月30日に、4日間休みをとると実母が保育所へ伝えたということですけれども、過去にもこれくらい長期に休むことがあったのかどうか教えていただきたい。
◎(鯉渕こども青少年局長) 私も見たときに気になりました。余りなかったようです。しかしながら、言われている雰囲気は不安を感じさせるようなものはなかったと聞いております。
◆(磯部委員) 不安を感じさせるようなことはなかったという話ですが、このお母さんが精神的疾患をわずらっているという話は保育所の方も知っていたということでよろしいですか。
◎(鯉渕こども青少年局長) 承知しておりました。
◆(磯部委員) 実は私も家族に精神疾患の者がいるのですが、本当に落ち着いているときは極めて普通です。ただ、ちょっとしたきっかけとか何かですごく急変して家の中が大変になることがあるのです。幾つか話が出ていますけれども、落ち着いて大丈夫ですと実母が申告しているけれども、こういった方に対しては話をうのみにしないで、しっかり裏をとっていく必要があると思うのです。ずっとお話の中で、特に精神疾患の患者さんについては個人情報の関係でなかなか立ち入りが難しい、行政として踏み込むのが難しいというお話があったのですが、個人情報の壁はあっても命の危険、ましてや自己防衛できない小さな子供の命に危険が及ぶおそれがあるものに対して、個人情報の壁があるということは、私はいかがなものかと思うのですが、局長はどのようにお考えですか。
◎(鯉渕こども青少年局長) 個人情報のことを申し上げたのは、私どもから本日お出しするものがすべての情報ではございませんが、本日委員の皆様方に御議論いただくために、必要な情報はかなり守秘義務との兼ね合いで難しいということもあったのですが、精いっぱい出させていただいたという意味で申し上げただけでございます。一人一人のお母様に対応するときに、公務員が、個人情報がどうのこうのということはございません。そういう意味では磯部委員言われたとおり、精神的な不安のある方は波があることも考えて、対応策を考えなければならないと今考えております。
◆(磯部委員) この方の病状について、区ないし児童相談所と精神科医の担当のドクターとは連携をとっていたということでいいですか。
◎(板坂児童虐待・DV対策担当部長) 連携をとっていたのかという御指摘ですけれども、情報を共有して、どういう形で対応を進めていくかという連携はとっておりませんでした。
◆(磯部委員) それは、とっていなかったのか、それとも何か法律とかの壁があってとれなかったのか、どちらですか。
◎(板坂児童虐待・DV対策担当部長) そこまで対応をする必要を考えられなかったというのが実態だと思っております。
◎(辻本医務担当部長兼こども保健医務監) 一般的に、養育支援が必要な保護者が精神的に不安定さがあるというときに、専門機関への受診を勧めたり、同行受診させていただくようなことは区の職員はよくやっていることでございます。今回もそういうことを試みたということですが、御本人の同意が得られなかった。医療機関側には非常に守秘義務が高いものがあり、同意なしに伺うということは非常に難しい。同意なしにやりとりするというところまで踏み切れなかったという事情があったようでございます。
◆(磯部委員) 話を変えて、マンパワー的な議論が幾つか出たと思いますが、まず昨年12月29日にホットラインにかかってきて、落ち着いたためそのまま終了ということだったのですが、年末年始なので特にお伺いしますが、この7日間何か対応をしようと思えばできた体制はあったのかどうか。
◎(鯉渕こども青少年局長) 一時保護は当然24時間365日の体制ですので、とろうと思えばとれました。ただ、電話相談員のほうに遠慮とかそういうものはあったかもしれません。年末であろうと職員を引っ張りだすことは可能ですし、一時保護することはできます。
◆(磯部委員) 通常の土日や平日夜間であっても、きちんと対応する人員はそろっているということで間違いないですか。
◎(鯉渕こども青少年局長) 24時間体制をしいております。
◆(磯部委員) 人は24時間いると思うのですが、果たしてその職員の方々がマンパワー的に足りているとお考えですか。
◎(鯉渕こども青少年局長) 正直その部署についた職員は大変です。そのために毎年増員を図っているところです。
◆(磯部委員) 副市長がいないので、これ以上話をするのはやめますが、そのようなすごく大変な中で今回職員の方々が結構動揺していると聞いて、やはり個人攻撃には絶対してはいけない。組織として何が欠けていて、何が問題だったのか、これから検証委員会の先生方できちんと議論していただくと思いますけれども、可能な限り議会側にも情報を出していただいて、我々でも議論できる体制にしていただきたいと思います。
(中略)---------------------------------------
○(大桑委員長) 他に御発言もないようですので、本件については、この程度にとどめます。
平成24年度本会議風景 市会