いそべ圭太  自由民主党 横浜市会議員(保土ケ谷区選出) 公式ホームページ

2014.06.01

平成24年9月13日 平成24年 こども青少年・教育委員会

△平成23年度横浜市教育委員会点検・評価報告書について
○(大桑委員長) 次に、報告事項に入ります。
初めに、平成23年度横浜市教育委員会点検・評価報告書についてを議題に供します。
当局の報告を求めます。
◎(今田教育委員会委員長) それでは、初めに、私から平成23年度横浜市教育委員会点検・評価報告書について、その趣旨等について御説明いたします。
御承知のとおり、平成18年12月に教育基本法が改正されましたけれども、それを受けて、平成19年6月にこの地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正されて、第27条で、教育委員会はその権限に属する事務の管理執行状況を点検・評価して、報告することが求められております。ことしで5回目でございます。昨年度1年間、私たち教育委員会がどのようなことを重要な課題と捉え、議論や活動を行ってきたかを御理解いただけるように作成いたしたつもりでございます。平成23年1月に策定しました横浜市教育振興基本計画を基本に、さまざまな重要施策を議論してきたところでございますが、特に横浜型小中一貫教育の推進、それから学校教育事務所による学校支援、東日本大震災への対応、中学校の教科書採択などに重点を置いて議論をしてまいりました。
詳細につきましては、教育委員の一人であります教育長より御説明いたします。
◎(山田教育長) お手元に報告書を配付しておりますけれども、分量が多くて多岐にわたる内容となってございますので、別に概要を記した資料を1枚用意いたしましたので、そちらで御説明いたします。
平成23年度横浜市教育委員会点検・評価報告書は、はじめに、及び第1章から第3章、それと資料編の5部構成となってございます。
まず、はじめにでございますけれども、教育委員会の点検・評価制度の概要を記載しております。
次に、第1章でございますが、この章では、平成23年度教育委員会事務の管理及び執行状況の点検について記述してございます。
1では、教育を取り巻く動向について記載しております。
また、2では教育委員会の活動を取り上げました。平成23年度は教育委員会議を27回開催いたしております。さらに、107回実施しました学校訪問を初めとして、会議以外の活動は168回を数えております。本市教育委員会が活発に活動していることがおわかりいただけるかと思います。
以下、3では審議の内容、4では重点的に議論したテーマ、5では横浜市教育振興基本計画の目標ごとの主な施策の達成状況を掲載してございます。詳細につきましては、後ほど報告書をごらんください。
裏面をごらんください。
第2章でございます。この章では、学識経験者からいただいた御意見を記載してございます。玉川大学教職大学院小松郁夫教授、帝京大学教職大学院高橋勝教授に、平成23年度1年間の教育委員会事務の点検・評価について御意見をいただいております。
小松教授からは、3つの観点から御意見をいただいております。
1つ目の観点は、市全体の構想との連携や教育分野での具体的な内容についての吟味でございます。家庭、地域、学校との連携や、横浜型小中一貫教育の推進については、着実に定着したとの評価をいただいております。
2つ目の観点でございますが、社会の変化に対応した施策や緊急性の高い施策への重点化でございます。いじめなどの深刻な課題に対応する児童支援専任教諭の配置などの施策について、高い評価をいただいております。
また、3つ目の観点は、教育委員会事務局と教育長以外の教育委員の活動との連携でございます。教育委員は、その職責を自覚し、厳正中立にその任務を果たしてきたとの評価をいただいております。
次に、高橋教授からは、教育委員会の基本姿勢や個別の重点施策等について御意見をいただきました。
まず、教育委員会は、教育行政の説明責任や透明度をどれくらい確保しているかとの観点から、教育委員会の執行状況に対する市民の関心の高さと、開かれた議論を重ねて教育行政を執行しようとする教育委員会の基本姿勢について、御評価いただきました。
次に、横浜市教育振興基本計画に盛り込まれた5つの目標の達成度について、重点施策3、豊かな心の育成に関し、人権教育実践推進校における全体計画作成など、一定の成果はあるが、やや形式的で表面的であるとの御指摘をいただいた上で、教師たちが子供と深くかかわる余裕や時間を確保し、いじめや不登校のきっかけや原因などを、子供の内面から察知できるような支援体制を講じるべきとの御示唆をいただいております。
また、全体的には教育委員会の機能は十全に働いており、施策の重点項目もおおむね目標を達成しているとの評価をいただいております。
次に、第3章をごらんください。この章では、教育委員会事務の管理及び執行状況について、教育委員会として自己評価を行っております。具体的には、横浜市教育振興基本計画の5つの目標を基本として、さまざまな施策について評価及び今後の方向性を記載してございます。
恐れ入りますけれども、この第3章につきましては、こちらがこの報告書の核になりますので、報告書本編で御説明いたします。
報告書の39ページをごらんください。
第3章は、今年度から新しく設けた章でございます。第1章の教育委員会事務の点検と第2章の学識経験者意見を受けまして、自己評価を行っております。どれもが重要な施策でございますけれども、時間の関係もございますので、目標ごとに主な項目について説明いたします。
まず、目標1でございます。1つ目は、重点施策1、横浜らしい教育の推進について御説明いたします。
横浜型小中一貫教育では、小中一貫教育推進ブロックにおける合同研究会を、目標の60%を大きく上回る94%のブロックで実施することができました。この非常に高い実施率によりまして、多くのブロックで学力観や指導観、評価観が共有されたと思っております。今後は、全ブロックでの実施を目指してまいります。
次に、40ページをごらんください。
重点施策3、豊かな心の育成についてでございますが、いじめや暴力行為など、小学校における諸課題に対応するため、児童支援専任教諭を小学校140校に配置した結果、中学校の生徒指導専任教諭、警察、児童相談所と連携をとりながら、9年間一貫して児童・生徒を見守る体制を、より構築できるようになってございます。
次に、41ページをごらんください。
目標2でございますが、重点施策7、優れた人材の確保について御説明いたします。
新たに福岡県で教員採用試験を実施するなど、さまざまな人材確保策を展開したこともございまして、受験者数が前年度よりも28%増加するなど、大きな成果を上げております。
次に、42ページをごらんください。
目標3でございます。重点施策9、学校の組織力の向上について御説明いたします。
市内4方面の学校教育事務所にスクールソーシャルワーカーを2人ずつ配置したことによって、不登校や虐待など、児童・生徒が置かれたさまざまな環境の問題に関して、学校がスクールソーシャルワーカーから、教育や福祉の見地から専門的な助言を受けることが可能になりました。
目標4では、重点施策11、家庭教育への支援について説明いたします。
近年、家庭の教育力の低下が指摘されておりますけれども、本市では、はまっ子家庭教育応援BOOKを配布しまして、家庭教育の意義、役割の再認識を促しております。今後はさまざまな機会を捉えて、家庭教育の重要性について、情報提供や啓発をさらに進めることが必要と考えております。
43ページをごらんください。
目標5では、重点施策13、教育環境の整備について説明いたします。
本市では、平成25年度までに全市立学校の普通教室に空調設備を設置する計画を立てておりますけれども、その初年度として、平成23年度は58校に設置しまして、よりよい教育環境の整備に努めております。
次に、横浜市教育振興基本計画には記載いたしておりませんけれども、その他の重要な項目3つについて御説明いたします。
まず、1点目は、教科書採択でございます。
平成24年度から中学校等で使用する教科書について、公正かつ適正に採択を行いました。市民の皆様の関心が高く、採択時には600人を超える傍聴希望者が訪れたところでございます。
次に、44ページをごらんください。
東日本大震災の被災地支援でございます。指導主事派遣による教育委員会支援や、石巻子ども学習支援隊などの取り組みを進めております。
最後に、不祥事についてでございますが、残念ながら平成23年度は不祥事が続いてしまいました。そうした状況を組織全体として重く受けとめ、一層強い決意で、不祥事を根絶するための取り組みを行ってまいります。
このほか、資料編がございますけれども、説明は割愛いたします。
以上、報告書の概要について説明いたしました。
教育委員会では、今回の点検・評価を契機として、学識経験者の御意見なども参考にしながら、市民により開かれた教育委員会を目指し、教育委員会の活動をさらに活性化し、横浜市の教育行政の諸課題に積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○(大桑委員長) 報告が終わりましたので、質疑に入ります。
(中略)---------------------------------------
◆(磯部委員) 先ほどの中島委員の御質問に関連してなのですけれども、児童支援専任教諭とか学校カウンセラーとかの専門職をつくって対応することは、とてもすばらしくてよいことだと思うので、引き続き計画どおり、または計画を前倒しで進めていただきたいと思うのですけれども、その専門職、児童支援専任教諭というのは、例えばいじめとか不登校とか、各学級にある問題を、専属的に、またサポートして解決してくれると思うのですね。
それはそれですばらしいのですけれども、一般の現場の先生方が、問題が発生したら、すぐ児童支援専任教諭、専門の先生に任せていいのだという気持ちを持っているかどうかをお聞きしたいのです。
◎(漆間教育次長) 学校の教員は、まず目の前の自分のクラスの子供たちに責任を持つという意識が非常に強いですので、決して児童支援専任教諭等にすぐに問題を渡して、専任に任せるという発想は余りございません。情報は提供して、一緒に考えながらも、最前線に立って担任が子供とかかわっていくという姿勢を持っていると考えております。
◆(磯部委員) それだったら心配事はそんなにないのかなと思うのですけれども、いろいろな問題を抱えている中で、次から次へと問題というのは起きてくると思うのです。現場の先生はいろいろな仕事を抱えている中で、マンパワー的にも限界がある。
一緒に考えていくということで、そのお答えをお聞きして安心したところではあるのですが、今、専門の先生がいるのですけれども、現場でやられている先生が、将来、専門の先生になって、また次の人材を育成していくということが考えられるので、引き続き、次長がお答えいただいたようなことを進めていただきたいと思います。これは要望です。
あと、もう1点お聞きしたいのですが、39ページの目標1のところに、知・徳・体・公・開で示す横浜の子どもを育みますというところがあるのですけれども、この開というのは、すべてをオープンにして、現実とか真実をきちんと見せて発信していくというお考えということでよろしいのですか。それとも違うお考えでいるのか。
◎(山田教育長) この開というのは、横浜市独自なのですけれども、横浜市は昔から世界に非常に開かれた都市であります。したがって、子供たちもそういったグローバルな世界の中で、いろいろな視野といいますか、見方といいますか、そういったものを身につけてほしいということで、開かれた都市横浜というイメージを強く意識した、この開でございます。
◆(磯部委員) 昨今、教育委員会に対する厳しい指摘が非常に多いと思うのですが、今、教育長がおっしゃったことでよくわかるのですけれども、教育委員会自体、いろいろなことを開いて発信していくのだという姿勢が必要なのかなと思っているのですが、その辺、教育長はどうお考えですか。
◎(山田教育長) 自画自賛するわけではないのですけれども、横浜市の教育委員会は、いろいろな御批判もいただきますけれども、基本的に隠すとか隠蔽するとかという発想をもともと持っておりません。いじめの問題についても、最近言われておりますように、それを発見して、それをなくしていくということが重要なことであって、それをふたをしていくというのはもともと発想が逆なものですから、委員会そのものが、例えばそういった事案一つとってみても、非常にオープンなといいますか、公開していくという姿勢は常に持っております。何かあれば御指摘をいただければと思いますが、そういったようなことで、教育行政は執行しているつもりでございます。
(中略)---------------------------------------
○(大桑委員長) 他に御発言もないようですので、本件についてはこの程度にとどめます。
(中略)---------------------------------------
△学級給食における冷凍ミカンの物資代金の取り扱いについて
○(大桑委員長) 次に、学級給食における冷凍ミカンの物資代金の取り扱いについてを議題に供します。
当局の報告を求めます。
◎(山田教育長) それでは、学級給食における冷凍ミカンの物資代金の取り扱いについて、御説明いたします。お手元の資料に基づきまして説明いたします。
まず、1の冷凍ミカン使用中止の経緯についてでございます。
平成24年5月10日から神奈川県産の冷凍ミカンを、5月から7月の各月1度ずつ、各学校の給食で使用する予定でございましたけれども、一定の放射線量が検出されたことから、給食での提供は控えることを決定したものでございます。
次に、2の物資代金の取扱いについてでございますが、冷凍ミカンは5月から7月の3カ月で、各学校で月1度ずつ使用する予定であったため、合計で約90万個、若干それに下回りますけれども、確保済みとなっておりました。
冷凍ミカンの使用中止に伴いまして、物資代金として、当初支払う予定であった3380万円余のうち、調達に伴う実費相当額2710万円余については、市が負担することといたしました。具体的には、物資納入業者が製造業者からの仕入れに要した経費、また冷凍倉庫使用料など入庫から出庫までの管理に要した経費を支払いの対象といたしました。
次に、3の支払代金の財源についてでございます。
財源につきましては、学校給食費調整基金を取り崩して、業者への支払い代金に充てることとしたいと考えております。なお、納入業者へは、支払い金額が確定次第、速やかに代金を支払う必要があったため、今年度の給食費から一旦支出いたしております。
基金の取り崩しにつきましては、通年分の学校給食費の執行状況の整理とあわせまして、年度最後の来年2月補正で予算措置を行ってまいります。
○(大桑委員長) 報告が終わりましたので、質疑に入ります。
(中略)---------------------------------------
◆(磯部委員) 1点だけお聞きしたいのですが、今後、同様の事例が発生しないとは言い切れない状況が恐らくまだ続いていくのではないかと思っているのです。今後、またこうやって、同様の基準値以下で、さらにおおむね10ベクレル前後というものが出てきたときにも同様の対応をしていかれるのかどうかのお考えがあれば、お聞かせください。
◎(山田教育長) 基本的には、今、政府のほうで出しております食品の安全基準値以下のものについては、安全と判断して提供しなければいけないと思っております。ただ、給食という特性がございます。これは子供が選べない、そして横浜市が提供するものだという、そういった特性がございますので、そこのことを踏まえて判断していかなければいけないと思っておりますけれども、何かそういったもののかわりに提供する品物が考えられるということであれば、そういったチェンジをするということも考えられますけれども、基本は、基準値以下のものであれば、給食の食材としても提供することを原則としていきたいと思っております。
(中略)---------------------------------------
○(大桑委員長) 他に御発言もないようですので、本件についてはこの程度にとどめます。
△平成23年度いじめ等の現状と対策について
○(大桑委員長) 次に、平成23年度いじめ等の現状と対策についてを議題に供します。
当局の報告を求めます。
◎(山田教育長) それでは、いじめ等の現状と対策について、お手元の資料によって御説明いたします。
1ページをごらんください。まず、横浜市の暴力行為の現状と対策についてでございます。
初めに、1として、暴力行為の定義でございますけれども、暴力行為とは、自校の児童生徒が故意に有形力を加える行為といいます。被暴力行為の対象によって、対教師暴力、生徒間暴力、対人暴力、器物損壊の4形態に分類して、調査いたしております。この定義につきましては、文部科学省のほうで決めておりまして、以下のいじめの問題、あるいは不登校の問題についても同様でございます。
2の現状と背景でございますが、平成23年度の暴力行為の発生件数は3043件でございます。小学校が928件、中学校は2115件でございます。中学校では、暴力行為の発生件数が3年連続減少し、全暴力、器物損壊、対教師暴力の発生件数は、過去7年間で最少となるなど、中学校では暴力行為が大きく改善されております。
小学校では、発生件数の増加が続いておりまして、対前年度比で20.4%増加いたしております。
3の暴力行為対策の取組でございますが、学校内で故意に公共物を破損されたこと等に弁済を求める、児童生徒の器物損壊に係る費用弁済会計処理システム、あるいは児童生徒の健全育成等を目指して警察と連携して指導に当たっております、児童・生徒の健全育成に関する警察と学校の相互連携制度によりまして、暴力行為に対しては毅然とした対応を行っております。
職員体制の充実でございますけれども、全小学校への児童支援専任教諭の配置を進めております。なお、中学校へは、昭和48年度から全校に生徒指導専任教諭を配置してございます。
教職員の研修・意識啓発でございますが、児童生徒指導の手引の全校への配付、あるいは児童支援専任・生徒指導専任教諭への夏期研修会等を実施いたしております。
暴力行為の未然防止として、平成19年度に本市が作成しました、子どもの社会的スキル横浜プログラムの普及推進によりまして、児童生徒の社会性や規範意識の向上に努めているところでございます。
続きまして、2ページをごらんください。横浜市のいじめの現状と対策についてでございます。
初めに、1、いじめの定義でございますけれども、当該児童生徒が一定の人間関係にある者から心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているものとしてございます。
次に、2の現状と背景でございますが、まず(1)平成23年度のいじめ認知状況でございます。平成23年度のいじめの認知件数は2161件で、前年度より61件増加してございます。小学校で1324件、中学校では837件となっております。いじめの年度内解消率は92.6%となっております。
(2)のいじめの態様でございますが、図をごらんください。冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われるが、全体の51.6%、軽くぶつかる、遊ぶふりをしてたたく、蹴るが16.4%、仲間外れ、集団による無視が13.4%など、大人から気づきにくいものが多くなっております。
3ページをごらんください。(3)いじめの推移についてでございますが、ごらんのとおり、平成22年度にいじめの認知件数が大幅に増加してございます。これは、小学校への児童支援専任教諭の配置や、全教職員を対象とした調査の実施により、隠れていたいじめが発見されたものだと考えております。
(4)のいじめ発見のきっかけでございますけれども、グラフに示してございますが、学級担任が発見が全体の39%、本人からの訴えが23.4%、当該児童生徒の保護者からの訴えが18.7%の順となっております。
4ページをごらんください。3のいじめ対策の取組でございます。取り組みごとに整理しておりますけれども、暴力行為と重なる部分は説明を省略してまいります。
まず、早期発見、早期対応として、児童生徒へのアンケートの実施や、全教職員を対象とした調査を実施しております。
教育相談体制の充実では、平成19年度から、365日24時間体制で対応するいじめ110番を開設しているほか、電話相談やスクールカウンセラー等による教育相談を実施しております。このほかに、大津市のいじめ事案に関する報道以降、いじめの早期発見、早期対応への取り組みの徹底等を通知しまして、各学校へ一層の対応を求めているところでございます。
4の重篤ないじめへの対応に関してでございますけれども、学校だけでは解決困難な事案に対し、学校支援員や専門家等で構成されます学校課題解決支援チームを派遣しまして、解決に向けた支援を行っております。そのほかに、スクールソーシャルワーカー派遣による支援、教育や心理の専門家を派遣するスクールスーパーバイザー事業等を行っております。また、教育、心理の専門家等で構成しますいじめ問題等連絡会議を平成8年度から常設しておりまして、重篤で緊急性のあるいじめが発生した場合には、この会議を活用して対応策を検討することになります。
いじめを受けて困っている児童生徒が相談できる窓口については、下の図のとおりでございます。
5ページをごらんください。横浜市の不登校の現状と対策についてでございます。
初めに、1の現状と背景でございます。
平成23年度の不登校児童生徒数は3690人でございます。不登校の定義につきましては、4月1日から3月31日までの1年間に連続または断続して30日以上欠席した児童生徒のうち、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景によりまして、児童生徒が登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるという定義をいたしております。
次に、(2)の不登校児童生徒数の推移でございますが、グラフをごらんいただければおわかりのとおり、中学校では、全生徒数に占める不登校生徒の割合が、3年連続減少しております。
(3)の不登校である中学校3年生の進路の状況でございますけれども、図にございますように、公立高等学校進学者511人等、合計902人、率にして83.7%が進学ということを選択されております。
(4)の不登校になったきっかけと考えられる状況についてでございますが、学校生活に起因するものとしては友人関係をめぐる問題が、家庭生活に起因するものとしては親子関係をめぐる問題が一番多くなってございます。
6ページをごらんください。2の不登校の対策について、対象ごとに整理してございますけれども、暴力行為やいじめと重なる部分は説明を省略いたします。
(1)の児童生徒向けをごらんください。
まず、不登校児童生徒への相談窓口として、電話相談、カウンセラーとの相談、専門相談での専門的な相談がございます。電話相談では、一般教育相談、いじめ110番において、不登校での悩みを相談することができます。また、各学校、各区福祉保健センターで、カウンセラーに相談することも可能でございます。
次に、横浜教育支援センターについてでございますが、図や吹き出しをごらんください。まず、家庭から外出できない児童生徒の家庭には、ハートフルフレンドを派遣いたしまして、児童生徒の状況を改善することを目指しております。また、学校には登校できないものの、外出ができるようになった児童生徒に対しては、市内に3カ所ございますハートフルスペースに週一、二回程度通室して、創作活動、あるいは軽スポーツを行うなどして対応していただいているところでございます。
さらに、市内8カ所にございますハートフルルームでは、毎日通室し、基本的な生活習慣や学習習慣を身につけることで、再登校あるいは社会的な自立を支援しております。
このような支援によりまして、中段の右の表にございますように、再登校につながっております。
(2)の保護者向けには、児童生徒向けでさきに説明いたしましたほかに、不登校を一緒に考える保護者の集いの開催、あるいは保護者向けのパンフレットを発行してございます。
(3)の学校、教職員向けとしましては、これまで御説明した取り組みに加えまして、各学校が児童生徒一人一人の状況に合わせた再登校を支援する不登校対策アクションプランを推進しているほか、職員体制の充実、あるいはスクールスーパーバイザーの派遣、スクールソーシャルワーカーの活用等に取り組んでいるところでございます。
7ページをごらんください。小学校の児童支援専任教諭配置校、未配置校の比較について御説明申し上げます。
上の図にございますように、平成23年度の児童支援専任教諭配置校140校、未配置校205校での暴力行為、いじめ、不登校について比較してございます。
まず、2の暴力行為についてでございますけれども、配置校で把握した暴力行為は748件で、未配置校の4.2倍となってございます。加害行為で指導を受けた児童は、配置校で575人、未配置校で188人となっております。図からも明らかでございますように、配置校では多くの暴力行為を把握し、多くの指導ができていることがおわかりいただけるかと存じます。
次に、3のいじめでございますけれども、これも図にございますように、配置校が認知したいじめの件数は840件で、未配置校と比べると発見が多いといったことがおわかりいただけるかと思います。いじめの解消率については、配置校が95.7%、未配置校では90.3%と、5.4ポイントの差がございました。このことから、配置校では多くのいじめを発見し、多くのいじめが解消されているといったことだと認識いたしております。
最後に、4の不登校でございます。不登校の1校当たりの減少数は、配置校で0.25人、未配置校で0.08人となっておりまして、やはりこれも配置校での減少数が大きいことがわかります。
このように、小学校への児童支援専任教諭の配置が、暴力行為、いじめ、不登校等、児童生徒指導上の諸問題の未然防止、早期発見、発見後の指導や対応に大きな成果を上げているものと思っております。なお、参考資料として、一昨日の9月11日に記者発表しました平成23年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に対する調査を、席上にお配りしております。ただいまの説明で申し上げました円グラフ等につきましては、この調査による数値を用いたものでございます。
○(大桑委員長) 報告が終わりましたので、質疑に入ります。
(中略)---------------------------------------
◆(磯部委員) 大津市の問題以降、いじめ問題が大きく取りざたされているのは言うまでもないと思うのですけれども、教育委員会はずっと常日ごろから意識があると思うのですが、我々議員もそうですし、市民の方々も、報道されている間はいじめ問題はいかんという意識は高いと思うのですけれども、報道が薄れるにつれ、だんだん関心がなくなっていくように思えているのです。
間違っていたら教えていただきたいのですが、いじめ問題は1980年代ぐらいから社会問題化してきて、事あるごとに今回の大津市のような問題が勃発して、報道されていると思うのです。いろいろ児童支援専任教諭を配置していただいたり、カウンセラーを設けていただいたり、窓口を設けていただいたりで、この問題対応をしていただいているのですけれども、一義的にはそれで構わないと思うのですが、やはり対症療法、一件一件解決していくだけで精いっぱいの状況になっているように感じているのです。
今、本当にいじめられてとか、不登校とか暴力行為があって困っている子供たちをその場その場で助けていくのは当然なのですが、負の連鎖というか、このサイクルを絶つような取り組みもしていかなければいけないのではないかと、最近感じています。
それで、帝京大学の高橋先生の、先ほどの点検・評価報告書に戻ってしまうのですけれども、教師たちが子供と深くかかわる余裕や時間を確保し、いじめの萌芽や不登校のきっかけ、原因などを子供の内面から察知できるような支援体制を講じることこそ求められているのではないかとおっしゃっているのですが、この辺、教育委員会としてはどうお考えになっているか、お聞かせください。
◎(山田教育長) 大津市のような重篤ないじめは、本市の中では過去にはなかったと思っておりますけれども、委員がおっしゃるように、全国的な話で申しますと、1980年代ぐらいから、およそ10年サイクルぐらいでいじめの問題というのがかなり出てきております。本市の場合は、先ほど申し上げましたように、平成8年度から連絡会議を設けております。かなり昔から設けております。これは最近、よく新聞紙上等でも取り上げられますけれども、第三者委員会的な、専門家がかなり入って、あるいは教育委員会の職員も入っておりますけれども、合計で9名のいろいろな方が、最低でも年に2回は会議を持ってやっております。
最近の例で言いますと、大津市の事件が起こる前ですけれども、重篤な事件が起こった場合のシミュレーションみたいなものも、実はやっております。一方で、先ほど申し上げましたように、子どもの社会的スキル横浜プログラムというものをもって検証していると申し上げましたが、結構心理的なスキル、手法を使って、子供の社会的なスキルが、対人関係を含めて育つような、そういったものを各教師には研修しております。ですから、このいじめの事案が周期的に起こってくるのは、いろいろな事情があるのでしょうけれども、横浜市の場合は、起こる起こらないにかかわらず、ずっと経常的にいじめの問題については、従前から取り組んできている歴史がございます。
◆(磯部委員) 今、お話の中では、いろいろな取り組みをされているということなのですけれども、社会全体でいじめは許さない、そしていじめを発生させないような、何か起きたら対応するというのは当然必要なのですけれども、まずその手前で、起きないような対策というのを何か講じていかなければいけないと思っているのです。例えば、暴力行為をする側とかいじめる側というのは、自分が余り人に認められていなくて、自分の思いをぶつけるところがなかなかなくてそういう行動に陥ってしまう場面が非常に多いのではないかと思っているのです。
例えば、いじめとか、ちょっと悪いことをしている子供に、しかるのではなくて、お前なんか要らないよとどなりつけるとか、そういう自己否定をさせるような言動とか、排除するような行為、こういうことをしていくと、例えば、ああ、おれは認められていないのだ、私は認められていないのだなどと思い、その思いをぶつけるところがなくて暴力行為とかいじめになっていくのではないかと思っているのです。
あと、この前も少し話したかもしれないですけれども、いじめられている側とか暴力を受ける側が自分が認められないと思ってしまうと、不登校とか、極論までいくと自殺とか、そういう悲しい現実に陥ってしまうのではないかと思っているのです。やる側にも、やられてしまう側にも、自分が生きている存在価値を見出してあげるような、君はこういうことをやれば、きちんと社会のためにもなるし、君のためにもなるという、そういった根本的な教育とか対策、一過性ではない継続したものを続けていっていただきたいと思うのですけれども、何かあれば教えてください。
◎(山田教育長) 今、お話がございましたように、自己有用性みたいなものの教育なり、そういったことを日常的に子供に伝えていくということは、大変重要なことだろうと思いますし、それがなかったら、やはり人間、生きていく自分の存在価値みたいなところにかかわってきますので、それは教育の基本だろうと思います。
ただ、子供の社会だけではなくて、人間が複数集まれば、本人がいじめと認識するかどうかは別にして、いろいろなあつれきといいますか、そういったものが生じてくるのかなと思っています。いじめというのは、あってはいけないとは思いますが、これが未来永劫、どこの地域でもゼロになるということは、私はできないだろうと、正直思います。ですから、そういったことを踏まえた上で、そう陥らないように、最大限、今いる我々がどんな努力ができるかということを、常に起こるということを前提にして、対症療法であるかもしれないですけれども、そこは人間との関係ですから、方程式みたいに答えが出るわけではございませんが、常々意識して子供の教育に当たっていかないといけないのではないかと思います。これといった算数みたいな解決策があるわけではございませんので、そこは日常の教育の中で十分子供、あるいは大人の社会でもそうですけれども、伝えていかなければいけないと思っています。
(中略)---------------------------------------
○(大桑委員長) 他に御発言もないようですので、本件についてはこの程度にとどめます。
平成24年度本会議風景 市会