いそべ圭太  自由民主党 横浜市会議員(保土ケ谷区選出) 公式ホームページ

2014.08.13

平成25年12月6日 平成25年第4回定例会 一般質問

◆(磯部圭太君) 私は磯部圭太です。会派を代表し、林市長、岡田教育長並びに今田教育委員会委員長に順次質問いたします。
初めに、財政の健全性についてお伺いします。
本市があらゆる施策を継続的に進めていく前提として、持続可能な財政運営を行っていくことが不可欠であると考えています。財政の健全化を図るに当たって、この間本市が進めてきた横浜方式のプライマリーバランスの均衡を今後も堅持していくことが重要となります。この点、さきの議会で市長は、次の中期計画を検討していく中で、横浜方式のプライマリーバランスについて、中期的な視点に立ち、しっかりと対応を考えていくと答弁されていましたが、横浜方式のプライマリーバランスについては中期的な視点に立って検討するとのことですが、短期的には赤字となることがあるのか、お伺いします。また、中期的な視点とはどの程度の期間を想定されているのか、お伺いいたします。
取り組むべき課題が多い中ではありますが、市債を安易に増発していくことは極めて危険であると考えています。この点、現行の中期計画で示されている市債発行5%削減ルールへの対応についての見解、また、市債発行5%削減ルールは継続しないのか、お伺いいたします。
今後も厳しい財政状況が続くことが予想される中では、一層の歳出の見きわめ、すなわち施策の優先度や緊急性に関する判断について今までよりさらに取り組むことが必要だと考えています。こうした視点から、市役所組織のマネジメントやコントロール体制の再構築を強く要望し、次の質問に移ります。
次に、県費負担教職員についてお伺いします。
本市は、分権を訴え、長年の思いを実現したと報道されている教職員県費負担金の政令市への移譲は評価できると思いきや、大きな懸念を我が会派としては感じています。先日開催された我が党の指定都市行財政問題懇談会において、政令市の議員による大都市税財政に関する要望などが行われました。そこで話題になったのがこの県費負担教職員費についてです。参加した我が党の国会議員からは、県費負担の移譲における指定都市の負担について、移譲される税源で足りるのか、足りない部分は交付税で措置することを国は約束したのかなどの質問があり、これに対して、幹事市として随行した本市当局からは午前中の市長の答弁と同様の回答をされていました。つまり税源移譲ではカバーし切れない不足する分について国がどのような財政措置を具体的に行うのか決まっていない中で今回の指定都市と関係道府県で合意がなされたものであり、果たして今後国が十分な財政措置を行うのか、疑問が残るところです。
そこで、万が一国からの財政措置が足りない場合、どのように対応するのか、市長にお伺いいたします。
国へ要望していく、訴えていくという方向性だけでは本市にとってのリスクが余りにも大きいと申し添え、次の質問に移ります。
次に、職員の旅費制度についてお伺いします。
平成23年に財務省が民間企業の旅費に関する実態調査を行っています。これによれば、効率性の追求などを背景として、8割を超える企業がこの5年の間に旅費規程を見直したとのことです。見直しは、例えば手続や精算方法の簡素化、事前承認の厳格化などさまざまなものがありますが、約15%の企業が宿泊料の実費支給化を挙げています。この宿泊料ですが、現在、本市では条例により定額で支給していますが、なぜ宿泊料を定額で支給することになっているのか、その理由をお伺いいたします。
実際の宿泊費用はその時々によって異なるものであり、定額による支給では実際の費用との間に差額が生じる場合もあるはずです。支出の透明性の確保、またコスト管理の観点からも、宿泊料を実費支給に変更するなど、旅費制度をより合理的なものにしていくことが必要ではないかと考えますが、市長の見解をお伺いいたします。
制度を合理化し、支出の無駄をなくして適正な額を適正に支払う、見直しを含めた検討を要望し、次の質問に移ります。
次に、大規模スポーツイベントについてお伺いします。
本市の代表的なスポーツイベントである横浜マラソン大会は先日無事に開催されたと聞いています。昭和56年、私の生まれた年から継続して開催され、今や横浜の風物詩となっている横浜マラソンはランナーに愛されている大会と言えると思います。しかし、ことしは申し込み方法の変更により、インターネットを使えない方が申し込みに困った、申し込みができなかったという声をお聞きしました。経過措置を設けるなど、IT弱者と言われる方々のことも考え、もう少し工夫をしてほしかったと感じています。一方で、横浜マラソン大会をフルマラソン化した、まさしく大規模スポーツイベントである横浜マラソン2015の開催に向けてスタートを切ったと先日市長から発表がありました。横浜を大いに盛り上げるフルマラソンの開催にはさまざまな課題があるかと思いますが、ぜひすばらしい大会にしていただきたいと考えています。
そこで、市民参加型フルマラソン、横浜マラソン2015の検討状況についてお伺いします。
2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催は明るいニュースで大変喜ばしいことです。東京都では、開催に伴って、1964年の東京オリンピック会場であった国立競技場を建てかえて新国立競技場を整備する話題が世間をにぎわせています。そのほかにも各種競技場を整備する計画になっています。オリンピックのため東京で整備される各種競技場は、大会終了後、解体される施設もあるようですが、メーン会場となる国立競技場など大型スポーツ施設が数多く整備される計画と聞いています。本市では国際大会等の大規模スポーツイベントを開催できる幾つかの施設がありますが、隣接する東京都に多くの大型スポーツ施設が整備されると、利便性や知名度などで本市へ誘致することが難しくなり、本市で開催している国際大会などの今後の誘致にも影響があるのではないかと危惧しています。
そこで、今後の大規模スポーツイベント誘致についての見解をお伺いします。
スポーツによる健康の増進、体力の向上や地域の活性化に対する市民の期待はますます高まっています。市民がスポーツを身近に感じ、横浜の町ににぎわいを生み出すようなスポーツ政策を引き続き進めていただくことを要望し、次の質問に移ります。
次に、戸塚高校音楽コース、横浜商業高校スポーツマネジメント科についてお伺いいたします。
来年4月に、いずれも市立高校初となる戸塚高校の音楽コース、横浜商業高校のスポーツマネジメント科が設置されます。神奈川県内の高校では、音楽を専門的に学べる学校が1校であること、また、スポーツマネジメント科は全国的にも新しい取り組みと聞いています。
そこで、音楽コース、スポーツマネジメント科の特色について教育長にお伺いいたします。
市立高校で特色ある教育を実施する上では、今いる学校の先生方だけではカバーし切れない部分があるのではないかと考えており、幅広い方々に支援をいただく必要があるのではないかと考えています。そこで、外部機関との連携や外部人材の活用についての考え方を教育長にお伺いいたします。
両校のパンフレットによると、音楽コースはその育てたい人物像として、将来の横浜で音楽の普及、発展に貢献しようとする意欲と態度を持った人物、スポーツマネジメント科では、グローバルな視野を持ってスポーツや健康分野のビジネスの振興発展に寄与する人物の育成を掲げています。かつて横浜商業高校野球部は甲子園の常連校でありました。また、戸塚高校吹奏楽部は県内有数の強豪でもあります。私としては、市立高校から育つ人材として、これらの高校を卒業し社会人となる5年後、10年後といった長期の視点で将来の横浜への貢献を期待していきたいと思っています。
そこで、将来の横浜に対してどのような貢献を期待しているのか、市長にお伺いいたします。
創設まであとわずか、この新しい特色が生徒一人一人の個性と可能性を伸ばし、将来の横浜に貢献する人物となるよう期待し、次の質問に移ります。
次に、横浜サイエンスフロンティア高校の中高一貫教育校化についてお伺いいたします。
さきの議会で市長は、早い時期に横浜サイエンスフロンティア高校の中高一貫教育校への整備について検討していきたいと答弁されていました。南高等学校附属中学校の開校に当たっては方針決定から4年以上の準備期間を要したと聞きました。今後、横浜サイエンスフロンティア高校を中高一貫校化していくためには、南高等学校附属中学校の開校準備を経験したノウハウも蓄積しており、また、当時の苦労した条件とは異なる環境のため、より効率的に短期間で可能なのではないかと考えています。その後、具体的な検討に入っていると思いますが、よく考えてみれば、開設の有無や時期についてはまだ明言されていません。中高一貫校への移行はスピード感を持って進めていただきたいと思いますが、一方で児童生徒や保護者の方々にとっては新たな話で、現在の中学校に在籍している生徒の進路希望に配慮すると、開設時期を早目に公表すべきと考えています。あれから3カ月たちました。諸説によると、平成29年度開校との声も聞こえており、市長の公約にも書かれているということは、市長の任期中、すなわち平成29年度までには開校するのがよいと考えますが、具体的な目標年度はいつごろなのか、市長にお伺いいたします。
横浜サイエンスフロンティア高校が開校して5年目を迎えていますが、これまでに科学系コンクールの入賞者を多数輩出し、また2期生までの進路状況など一定の成果が出ていると考えています。今後、長期的な視点を持ってどのような人物が育っていくのか見守っていく必要があると思います。
そこで、中高一貫教育校としての横浜サイエンスフロンティア高校ではどのような人物の育成を目指すのか、教育長にお伺いいたします。
全国的にも注目が集まっている横浜サイエンスフロンティア高校の中高一貫校化は、教育委員会事務局の内部だけではなく、学識経験者や教育委員会の各部長なども委員にした検討会議の設置が必要と考えています。そこで、現在どのような組織で検討しているのか。またその進捗状況はどうなっているのか、教育長にお伺いいたします。
中高一貫教育、さらには東京都で検討しているという小中高一貫教育についても、その前提となるのはそれに対応することができる優秀な教員の存在です。また、最近の不祥事などの発生状況を見ていると、教員の質の確保の必要性を強く感じるところです。優秀な教員の確保は最も大切な教育環境の整備の一つと考えています。
そこで、中高一貫教育を含めたさまざまな課題を見据え、これからの時代にはどのような教師像が求められているのか、今田教育委員会委員長の見解をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
○副議長(仁田昌寿君) 林市長。
〔市長 林文子君登壇〕
◎市長(林文子君) 磯部議員の御質問にお答え申し上げます。
財政の健全性について御質問をいただきました。
横浜方式のプライマリーバランスについてですが、この考え方は、将来世代に過度な負担を残さないように一般会計が負担する借入金残高を縮減していくものであり、本市財政運営において土台となる考え方です。一方で、本市を取り巻く政策課題は、喫緊のものから将来を見据え取り組まなければならない課題まで幅広くあります。こうした状況を踏まえ、平成26年度予算を編成していく中で、次の中期計画を見据え、中期的な視点に立ちながらしっかりと対応を考えていきます。
中期的な視点が想定する期間についてですが、財政の健全性の維持においては持続可能という視点が重要であると考えています。そのため、次の中期計画と連動していくことが基本になると考えています。
これまでの市債発行5%削減ルールへの対応についての見解ですが、平成24年度以降の予算においては、現行の横浜市中期4か年計画で目標としている対前年度5%減の考え方を基本としつつ、緊急の課題である地震防災戦略事業に充てる市債を上乗せして活用することにしました。
今後の市債発行の考え方についてですが、平成26年度予算を編成していく中で、次の中期計画を見据えながらしっかりと対応を考えていきます。
県費負担教職員の権限移譲に伴う財政措置について御質問をいただきました。
今回の合意は、全ての指定都市と関係道府県との間で財政中立を基本に、双方に過不足なく地方交付税などの財政措置を国が適切に行うことを前提に合意したものです。本市としても、指定都市及び関係道府県とともに、国に対して引き続き適切な財政措置を求めていきます。
旅費制度について御質問いただきました。
宿泊料を定額で支給する理由についてですが、国は国家公務員等の旅費に関する法律において、事務効率の観点から宿泊料を定額で定めております。本市もこの考え方に準じて宿泊料を定額で支給しています。
旅費制度の合理化についてですが、本市は近隣地への出張に係る日当を廃止するなど、従来から旅費制度の適切な運用に努めています。今後も引き続き合理的かつ適正な旅費制度となるよう、検討を進めていきます。
大規模スポーツイベントについて御質問いただきました。
市民参加型フルマラソンの検討状況についてですが、11月27日に横浜マラソン組織委員会を設立し、フルマラソン開催に向け、市民の皆様を初め市内事業者、競技団体などオール横浜で取り組む体制を整えました。今後は、これまでの横浜マラソン大会の成果や課題を踏まえ、ランナーだけではなく多くの市民の皆様に親しまれる大会となるよう、関係機関と引き続き調整を図ってまいります。
今後の大規模スポーツイベント誘致についてですが、本市ではこの5年間だけでも世界トライアスロンシリーズ横浜大会、ジャパンオープン・荻村杯国際卓球選手権横浜大会、国際ジュニア体操競技大会などの大規模スポーツイベントを継続して開催しています。これらの大会を通じて培った運営能力、ホスピタリティーの高さなどは、訪れた選手や競技団体からも高い評価をいただいています。これに加え、利便性のよい交通アクセスや宿泊施設などの横浜の強みを生かし、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の決定を弾みに、さらなる大規模スポーツイベントの誘致につなげていきます。
市立高校における音楽コース、スポーツマネジメント科の創設について御質問をいただきました。
育つ人材に期待する将来の横浜に対する貢献についてですが、本市は文化の香り高い誇れる町、国内外からも選ばれる都市として持続的に発展していくことを目指しています。このために、市立高校の専門コースから育つ人材が、音楽やスポーツを通じて横浜の文化振興や経済の活性化の担い手として大いに活躍し、アジアの文化都市の核となるようなにぎわいと創造性あふれる横浜のまちづくりに貢献していくことを期待いたします。
中高一貫教育校の推進について御質問をいただきました。
横浜サイエンスフロンティア高校の中高一貫教育校化の具体的な目標年度ですが、現在、教育委員会において開設に向けた検討を開始しました。横浜サイエンスフロンティア高校を目指す生徒たちの準備も考慮し、具体的なスケジュールができましたら速やかに公表していきたいと考えています。
残りの質問につきましては、教育委員長及び教育長より答弁させていただきます。
○副議長(仁田昌寿君) 今田教育委員会委員長。
〔教育委員会委員長 今田忠彦君登壇〕
◎教育委員会委員長(今田忠彦君) 中高一貫教育校の推進に関連して、求められる教師像について御質問をいただきました。
学校訪問を通して多くの校長先生と意見を交換する中で、子供たちを取り巻く環境にはいろいろなケースがあるのだと改めて痛感をしております。教師は、一人一人の子供たちの特徴をしっかりとつかんで、それを伸ばしていくという心構え、同時にまた目の前に腰かけている子供たちの背後に常に20年、30年後、彼らが立ち上がって活躍する姿を思い浮かべるという長いスパンを意識した懐深い心構えが必要であると思います。
いずれにしても、社会的に意義深く、影響力の大きい仕事であります。それだけに使命感、責任感、誇りを持ちながら、また人が人を教えるということに対する恐れを持って、日々自己研さんに努めながら、豊かな人間性、社会性を培っていくという謙虚な向上心ある姿勢が基本にあるべきと思っております。そして、子供たちからはもとより、地域や保護者からも心から信頼される教師になってほしいと願っております。
以上、御答弁申し上げました。
○副議長(仁田昌寿君) 岡田教育長。
〔教育長 岡田優子君登壇〕
◎教育長(岡田優子君) 市立高校における音楽コース、スポーツマネジメント科の創設について御質問いただきました。
それぞれの特色についてですが、戸塚高校音楽コースは、音楽の専門科目とともに、普通科高校として一般大学への進学に必要な普通科目の学力をあわせて育成すること、管楽器などの演奏方法を学ぶことを特色としています。横浜商業高校スポーツマネジメント科は、体のつくりや心の仕組みを含めてスポーツを科学的に捉えた学習を3年間系統的に学ぶとともに、商業高校の学科としてスポーツビジネスの分野についての学習にも力を入れることが特色となっています。
外部機関との連携や外部人材の活用についてですが、音楽コースにおいては、音楽大学や横浜みなとみらいホール等関係機関との連携、スポーツマネジメント科においては、スポーツ関連企業や医科学機関等との連携を通して生徒の実践的な力を育成していきたいと考えています。また、音楽についても、スポーツについても、専門科目の指導において世界的な音楽家やスポーツ選手等の協力を得て専門性の高い教育活動を展開したいと考えています。
中高一貫教育校の推進について御質問をいただきました。
横浜サイエンスフロンティア高校で目指す中高一貫教育校としての人材育成ですが、6年間一貫した継続的、計画的な教育により、論理的思考力や豊かな国際性と高いコミュニケーション能力などの素養を身につけ、先端的な科学の知識、技術、技能を活用して世界で幅広く活躍する人材の育成を目指します。
現在検討を行っている組織と検討の進捗状況についてですが、横浜サイエンスフロンティア高校の常任スーパーアドバイザーの和田昭允先生、特別科学技術顧問の小島謙一先生、学校運営協議会委員の岩宮浩鶴見精機会長、中高一貫教育の専門家であります玉川大学の坂野慎二教授などの学識経験者に御参加いただいているプロジェクトで検討しております。10月に第1回目を開催し、12月に第2回を予定していますが、プロジェクトでは、教育理念、設置形態、学級規模、施設状況などについて検討を行い、年度内には基本方針をまとめたいと考えています。
以上、御答弁申し上げました。
平成24年度本会議風景 市会